『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase Ⅵ

Pull a few strings

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「キャァァァァァァァ!!!」

 ある屋敷周辺の一画が、悲鳴と共に戦慄が走る。
 血の海の中央に横たわる自由同盟の立役者だったリベルタスの無残なを明朝、世話役の者に発見された。


「目撃者は一人も居ません。完璧な暗殺です。見張りや護衛、合計9名も同じように喉元を一閃の一撃で叫び声一つ上げれずに即死。犯人はかなりの腕前・・・いい仕事してますね」

「・・・そうか」

 レイアは朝一番の悲報の報告を受けて、殺人現場へと足を運んだ。何か落ち度や足が付くものが無いかの最終確認も踏まえてのことだ。
 そして誰もがレイアを疑う者はいない。どのような組織のトップであれ、自らが動き、自らがわざわざ危険な道を選ぶ者なんてこれまでに聞いたことも見たこともないからである。普通であれば前帝のようにレイアのよう優秀な者を従えて当然である。

「一連の騒動の見せしめだろう・・・フェスミ党お抱えの手練れ集、傭兵、客人の可能性が高い。至急、周辺を漁れ。生粋の暗殺者であればあるほど得物は使い慣れた物を使用する。これほどの血飛沫・・・一滴の痕跡ぐらい衣服や身体に残っているかもしれん」

「ははっ!!」

 いつものように冷静な判断で部下に指示をする。

 リベルタルが死んでいる二階の寝室から退室し、外廊下へと出て深呼吸する。目下にはレイアの配下の者が等間隔で建物への侵入者を防ぐように囲って警戒態勢を敷いて隙間はない。
 周辺の第3の民が何事かと数人が好奇心でやってきていて、部下に事情の説明を求めている様子だった。

 この後にレイアには大仕事が待っている。暗殺なんかよりもずっと難しくて苦手な政治の話だ。自由同盟を他に仕切っている者たちと今回の被害者、レイアにとっては遺族への説明や説得、そしてそのい犯人の‟でっち上げ”の偽装工作とやることが多い。


「犯人の目星は付いているのかね?!」
「どうしてこんなことが続くの?!」
「あなた達が統治してから、治安が悪くなる一方じゃない?!」

「・・・先ほども言いましたように、皆様方に反対している者達だと我々も認知しております。早急にフェスミ党及び保守派への身辺調査を行っています」

 レイアが質疑応答をしている場に、一人の側近が裏から現れレイアに耳打ちをしにやってきた。

「・・・なにぃ?!・・・分かった。ありがとう」

「今度はなんだ?!犯人を逮捕したのか?!」
「どうなんだ?!」

「えー、詳細はまた追って報告するが、犯人の目星が付いた。私も犯人逮捕の為に直ぐ行かねばならない。とにかく、安心してくれたまえ」

 群衆が騒めき出す。
 レイアが集まる民衆を抑えるために、簡潔に結果だけを伝えた。
 民衆に紛れた何人かの要人にも、お付きの者たちがちらほらと耳打ちしている。恐らく同じ情報が伝わっていると思われ、木陰でレイアの命を狙っていた狙撃手や暗部が撤退していくのがそれを確信させた。

 狼狽する群衆を尻目に、早々とレイアはその場を去って行った。

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