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Phase Ⅵ
Evidence
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レイアにとっては計算外なことが起きた。それは、パトラの死の報告だった。
レイアは自らが暗殺したリベルタルの血のついた短剣を、パトラ達フェミス党の根城であるコロニー中心部へと続く主要道へと捨て、返り血を浴びた服をそのエリアの適当な家屋の床下に忍ばせておいた。暗殺犯の疑いをフェスミ党へと向け、その計画が上手くいけばリサへの今後の支援にもなる。失敗したとしても自身はそのまま消え、犯人の核心的な特定が定まらない状況が作れる。
レイア、リサにとっての時間稼ぎと候補者一名の消失、二兎を得れることになっていたのだ。
レイアは状況の把握に気が焦り、つい足が早まる。
「死因や何か解っている情報はあるか?」
報告を受けた部下に再度詳細を聞き出す。
「死因は不明のままです。ただ、外傷は一切無かったそうで病死などの自然死か、もしくは毒の類かもしれません」
「服毒死・・・そしてそれは毒殺の可能性もあるってことか。死亡の推定時刻などは分かっているか?」
「発見されたのは夜が明けてから間もなく。その時点で死斑すら出ていなかったそうですので、彼誰時かと思われます」
「そうか・・・リサは?今どこにいるか知ってはいるか?」
「リサ様ですか?・・・ええっと、今朝はずっと見かけてませんね。・・・そう言えばパメラ様もずっとお見掛けしませんが、大丈夫なのでしょうか。ちょっと人を集めて探させておきます」
「・・・ああ、頼む」
「レイア!貴様ぁ!戦争は起こすは挙句、解放運動と戯言を抜かす自由同盟の奴らへの演説!!そしてパトラの死・・・我々への、そしてこの第3コロニーの崩壊を企てる気かぁ!?!」
パトラが住む屋敷へと到着と同時に、フェスミ党のご隠居したベテランお局勢がここぞとばかりに集まり民衆の面前でまくし立てる。
「自由同盟のリベルタルも死んだ。こちらの犯人は何処の差し金だろうな。・・・貴女のその威勢は、まるでパトラが‟殺された”、とでも言いたそうだけど、そうなのか?何か知っているのか?」
「な、なにぃ?!」
お局は驚きと共に困惑を見せた。
「いいか、みんな聞けぃ!これは第3のかつてない危機だ!リベルタルは間違いなく誰かに殺された!暗殺だ!私はここに来る前にその無残な遺体を見てきた所だ。ウソでも何でもない。疑うのなら今すぐにでも見に行くがいい!まだ凄まじい血痕が残り凄惨さを物語っているだろう。パトラの死因は責任を持って調査する!もし、他殺だとすればこれはもう第2、もしくは第3を侵略しようとする他の組織的な陰謀だろう!もはや自由だ厳格だと内部で争っている場合ではない!みんなの力を合わせる時だ。無駄な憶測と争いは、今は止めろ!休戦だ!敵を見極めろ!!」
公に、そして急にそれぞれの要人二名の死を宣言する現女帝の言葉に、その場にいた全員が状況の把握をするのに思考を使うことしか出来ないでいた。そして双方の立場としての失言を配慮させるように仕向けて、沈黙を作り上げる。リベラル勢と同じく、威厳と威勢のあった有識者たちは事実確認をしにバラバラと引っ込んでいく。
またもや長らしく場を収めたレイアは、玄関先からパトラの寝室まで到着した。
治安部隊が現場を調べている。現場検証の二名はレイアに一礼をするが、確実にフェスミ党、もしくは保守過激派の人間が二名、黙々と調査をしていた。
いくつかの質問をするが、二名共が知らずか黙るように指示を受けてか口を閉ざしている。
レイアも遅ればせながら周辺を調査する。すると、玄関の床板の隙間に見覚えのある髪留めがレイアの足元に落ちていた。
「・・・何か見つけましたか?」
「ああ、いや、履物の紐が緩んだだけだ」
治安部隊はそのまま室内を物色を続け、レイアはその場を立ち去った。
レイアは自らが暗殺したリベルタルの血のついた短剣を、パトラ達フェミス党の根城であるコロニー中心部へと続く主要道へと捨て、返り血を浴びた服をそのエリアの適当な家屋の床下に忍ばせておいた。暗殺犯の疑いをフェスミ党へと向け、その計画が上手くいけばリサへの今後の支援にもなる。失敗したとしても自身はそのまま消え、犯人の核心的な特定が定まらない状況が作れる。
レイア、リサにとっての時間稼ぎと候補者一名の消失、二兎を得れることになっていたのだ。
レイアは状況の把握に気が焦り、つい足が早まる。
「死因や何か解っている情報はあるか?」
報告を受けた部下に再度詳細を聞き出す。
「死因は不明のままです。ただ、外傷は一切無かったそうで病死などの自然死か、もしくは毒の類かもしれません」
「服毒死・・・そしてそれは毒殺の可能性もあるってことか。死亡の推定時刻などは分かっているか?」
「発見されたのは夜が明けてから間もなく。その時点で死斑すら出ていなかったそうですので、彼誰時かと思われます」
「そうか・・・リサは?今どこにいるか知ってはいるか?」
「リサ様ですか?・・・ええっと、今朝はずっと見かけてませんね。・・・そう言えばパメラ様もずっとお見掛けしませんが、大丈夫なのでしょうか。ちょっと人を集めて探させておきます」
「・・・ああ、頼む」
「レイア!貴様ぁ!戦争は起こすは挙句、解放運動と戯言を抜かす自由同盟の奴らへの演説!!そしてパトラの死・・・我々への、そしてこの第3コロニーの崩壊を企てる気かぁ!?!」
パトラが住む屋敷へと到着と同時に、フェスミ党のご隠居したベテランお局勢がここぞとばかりに集まり民衆の面前でまくし立てる。
「自由同盟のリベルタルも死んだ。こちらの犯人は何処の差し金だろうな。・・・貴女のその威勢は、まるでパトラが‟殺された”、とでも言いたそうだけど、そうなのか?何か知っているのか?」
「な、なにぃ?!」
お局は驚きと共に困惑を見せた。
「いいか、みんな聞けぃ!これは第3のかつてない危機だ!リベルタルは間違いなく誰かに殺された!暗殺だ!私はここに来る前にその無残な遺体を見てきた所だ。ウソでも何でもない。疑うのなら今すぐにでも見に行くがいい!まだ凄まじい血痕が残り凄惨さを物語っているだろう。パトラの死因は責任を持って調査する!もし、他殺だとすればこれはもう第2、もしくは第3を侵略しようとする他の組織的な陰謀だろう!もはや自由だ厳格だと内部で争っている場合ではない!みんなの力を合わせる時だ。無駄な憶測と争いは、今は止めろ!休戦だ!敵を見極めろ!!」
公に、そして急にそれぞれの要人二名の死を宣言する現女帝の言葉に、その場にいた全員が状況の把握をするのに思考を使うことしか出来ないでいた。そして双方の立場としての失言を配慮させるように仕向けて、沈黙を作り上げる。リベラル勢と同じく、威厳と威勢のあった有識者たちは事実確認をしにバラバラと引っ込んでいく。
またもや長らしく場を収めたレイアは、玄関先からパトラの寝室まで到着した。
治安部隊が現場を調べている。現場検証の二名はレイアに一礼をするが、確実にフェスミ党、もしくは保守過激派の人間が二名、黙々と調査をしていた。
いくつかの質問をするが、二名共が知らずか黙るように指示を受けてか口を閉ざしている。
レイアも遅ればせながら周辺を調査する。すると、玄関の床板の隙間に見覚えのある髪留めがレイアの足元に落ちていた。
「・・・何か見つけましたか?」
「ああ、いや、履物の紐が緩んだだけだ」
治安部隊はそのまま室内を物色を続け、レイアはその場を立ち去った。
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