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Phase Ⅶ
Colony Ⅰ 【Residence】
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ウェルバーは静かに後ずさり、まだ意識が無いフォレスターの子を抱きかかえ周囲をまるで猫科の動物のように警戒する。
ライトが言っていた右側、第8コロニー側の壁へと急いで向かい合流を急ぐ。この状況ではライト達の安否が気がかりで仕方が無かった。
「・・・あまり中央へは行かない方がいいよね」
「そうですね。基本的にタワー周辺の中央エリアは、例えここが廃れたとはいえ他コロニー同様Center教が占めていると思われます。私たち、特にライト様お二人の手配情報が回っている危険もありますし、ウェルバー様が言うように遊牧民達と出会う目的も含めて、外周付近に陣取った方がいいかもしれません」
「でも、私たちが簡単にここへ入って来れたように外側、森からどちらかの追手が来ないとも限りませんよ」
「そうだね。それに、レイアさん達との合流もしなきゃいけないし・・・『見張り』『治療』『調達』『捜索』の内、今は治療と調達に専念するしかないね」
「あの・・・万が一、もしかしてですけど、中にいるとタワー中央からと外からと、挟み撃ちにされてしまうのでないでしょうか・・・・・・」
「確かに、それが最悪のシナリオだね。んー・・・あの子、Foresterの子はやっぱり、ある程度の回復が見込めれば早めに森へと帰した方がいいってことになるね」
「問題は、それまでの間をどうするか、ですよ」
「じゃあ、最北端の外周に、ちょっと面倒だけど廃材を集めて僕らの新たな雨風ぐらい凌げる程度の家屋を作って、必ず一名はさっき僕らが扉を開けた外周の高台で見張りを立てつつ少年の回復を待とう。そうすれば、なんとか追手がきても直ぐにまた森へと逃げられるよ。・・・あと・・・・・・」
「??どうされました?」
「うん、もしも・・・だけど、僕の甘い考えだと思うけどあの子、僕たちは結果的にフォレスターの子を救出した訳だからあの子を通じて何とかフォレスターの仲間にしてくれれば、本当の一安心かな、ってのもあるかなぁみたいな」
「ええ?!・・・ちょっと、それは・・・・・・」
パメラとセーラは一応に、従順なセンターの教えが刷り込まれているので対立するフォレスターには自然と抵抗感を示す。
「あ、そっか・・・二人は僕らとは違い、第2と第3のリベラル派、保守過激派から逃げておけばいいだけであってセンター教は危険では無いんだっけ」
「・・・いえ、ライト様たちから聞いた話で、センターに携わっていた私はその背景に推測と心当たりを感じます。たまたま第3だけが火種の種類が違っただけで、第2第4への‟根回し”が私たち第3女性陣だけで行われたと考える方が不自然です。そこにセンター教という大きな力が関わっているとすると、私たちもセンターの情報網にリスト入りしている頃でしょう。両手離しで安全とは言い切れません」
「だったら、まぁ直ぐにとは言わないけど、森へ、フォレスター達と和解しなきゃならない場合もあるから心構えだけは念頭に入れておいて。どうなるかは分からないから強制はできないけど・・・オーヴェルっていう、兄さんと同じぐらい強くて頭のキレる人が第6に居るんだ。状況が落ち着いたら彼と接触してみんなが安全な場所を確保してくれるよ。それまでの辛抱だと僕たちは考えているから、それまでの時間が稼げればなんとか・・・・・・」
ライトが言っていた右側、第8コロニー側の壁へと急いで向かい合流を急ぐ。この状況ではライト達の安否が気がかりで仕方が無かった。
「・・・あまり中央へは行かない方がいいよね」
「そうですね。基本的にタワー周辺の中央エリアは、例えここが廃れたとはいえ他コロニー同様Center教が占めていると思われます。私たち、特にライト様お二人の手配情報が回っている危険もありますし、ウェルバー様が言うように遊牧民達と出会う目的も含めて、外周付近に陣取った方がいいかもしれません」
「でも、私たちが簡単にここへ入って来れたように外側、森からどちらかの追手が来ないとも限りませんよ」
「そうだね。それに、レイアさん達との合流もしなきゃいけないし・・・『見張り』『治療』『調達』『捜索』の内、今は治療と調達に専念するしかないね」
「あの・・・万が一、もしかしてですけど、中にいるとタワー中央からと外からと、挟み撃ちにされてしまうのでないでしょうか・・・・・・」
「確かに、それが最悪のシナリオだね。んー・・・あの子、Foresterの子はやっぱり、ある程度の回復が見込めれば早めに森へと帰した方がいいってことになるね」
「問題は、それまでの間をどうするか、ですよ」
「じゃあ、最北端の外周に、ちょっと面倒だけど廃材を集めて僕らの新たな雨風ぐらい凌げる程度の家屋を作って、必ず一名はさっき僕らが扉を開けた外周の高台で見張りを立てつつ少年の回復を待とう。そうすれば、なんとか追手がきても直ぐにまた森へと逃げられるよ。・・・あと・・・・・・」
「??どうされました?」
「うん、もしも・・・だけど、僕の甘い考えだと思うけどあの子、僕たちは結果的にフォレスターの子を救出した訳だからあの子を通じて何とかフォレスターの仲間にしてくれれば、本当の一安心かな、ってのもあるかなぁみたいな」
「ええ?!・・・ちょっと、それは・・・・・・」
パメラとセーラは一応に、従順なセンターの教えが刷り込まれているので対立するフォレスターには自然と抵抗感を示す。
「あ、そっか・・・二人は僕らとは違い、第2と第3のリベラル派、保守過激派から逃げておけばいいだけであってセンター教は危険では無いんだっけ」
「・・・いえ、ライト様たちから聞いた話で、センターに携わっていた私はその背景に推測と心当たりを感じます。たまたま第3だけが火種の種類が違っただけで、第2第4への‟根回し”が私たち第3女性陣だけで行われたと考える方が不自然です。そこにセンター教という大きな力が関わっているとすると、私たちもセンターの情報網にリスト入りしている頃でしょう。両手離しで安全とは言い切れません」
「だったら、まぁ直ぐにとは言わないけど、森へ、フォレスター達と和解しなきゃならない場合もあるから心構えだけは念頭に入れておいて。どうなるかは分からないから強制はできないけど・・・オーヴェルっていう、兄さんと同じぐらい強くて頭のキレる人が第6に居るんだ。状況が落ち着いたら彼と接触してみんなが安全な場所を確保してくれるよ。それまでの辛抱だと僕たちは考えているから、それまでの時間が稼げればなんとか・・・・・・」
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