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Phase Ⅶ
Struggle to the death
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「キャハハハハハー!!!」
ウェルバーと対峙したプローバーは、なんと女性だった。
死神のような白塗りの化粧をして、けたたましく笑うその顔に恐怖を覚える。第3と戦った女性プローバーとはまた雰囲気も特性も違った。
ウェルバーは右手の斧で女の短剣を受け止めている。左手でナイフを出し女の脇腹を刺しに行くが、女はしなやかな身のこなしでバク転し、後ろへと下がった。
お互いに一呼吸を置くように、一旦対峙しけん制し合う。
ライトは右へ曲がった建物が密集している場所で、室内へ隙を見て入りその身を隠した。
「ハア、ハア、ハア・・・・・・」
呼吸を整えながら聴覚を玄関先へ集中する。
ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・ザッ
一人分の砂利を蹴り歩く足音が聞こえ、警戒しながらもライトは必死に何か策を考えていた。ウェルバーのように対面し戦っても勝ち目がないという自覚はある。
奇襲か、罠を張るか、逃げ切るか・・・・・・
どの選択が最適化を考えていた。
トン・・・トン、ギギ、トントン・・・ミシミシ・・・・・・
玄関先の足音とは少し時間差で、天井から足音がする。ここでライトは二人が自分を追いかけてきたことに気が付いた。
ドク、ドク、ドク、ドク・・・・・・
肉体疲労の鼓動なのか、緊張の鼓動なのか、心臓の音がとにかくうるさかった。まるで人の胸に耳を当てて聞いているかのように、鼓動が耳の傍で聴こてくる。
玄関先天井の足音が聞こえなくなった辺りで、急いで室内の物色を開始した。何か使える物は無いか・・・ライトの手元には火鉢棒と、ウェルバーから貰った手投げナイフが一つ。獲物としては弱い方だ。
足元ばかり探しているライトはふと視線を上へとあげるて見ると、壁には弓矢が掛かっていた。ここの宿主は狩人のようだ。まだ何も策を弄じてはいなかったが徐にその弓矢を手にし、屋根へと上り二つ目の足音の者の逆尾行を開始した。
第3の女性プローバーは男も顔負けな程の筋肉質で、普通の男レベルでは簡単に負けてしまうぐらいのパワータイプが多かった。男の社会と同じく、肉体美は筋肉とのバランスで多くの女性にモテるように男らしさと女らしさを兼ね備えるような価値観だが、今ウェルバーの前に立ちはだかる女プローバーは終始、恍惚な表情をしながら細身で女性らしく、長い手足を踊り流れるように構えながらこちらの隙を伺っていた。
「うひひひひ。いい男・・・食いたい、喰いたいぃぃぃぃ」
ウェルバーの身体を舐め回すような視線で足先から頭までなぞる。松明を二人の間に投げ捨て、短剣の先端をしゃぶり出す。ジリジリと右へと回り込むように近づいてきている。
松明の煙が二人を遮ったその時、ウェルバーは迂回せずに松明を飛び越えて斧を渾身の力で振り降ろす。女は野生的な反射神経で斧を短剣で受け止める。が、ウェルバーが振り下ろす斧圧が凄まじく、まるで木の棒かのように短剣は更に短くへし折れた。
斧の起動が少し変わり、無情にも女プローバーの胸元へ食い込んで即死を逃れる。
「ああ・・・ああああああ!!」
胸元のスカーフは開け小ぶりな胸が露わになり、苦痛なはずの状況で女プローバーは目が上向き、舌を出しながらオーガズムに達していた。ウェルバーは無慈悲にも斧を引き抜き、鮮血が飛び交う。
膝を地面に落としたプローバーは、折れた短剣で再度ウェルバーを襲おうとしたが直ぐ様に脳天を割られ、とどめを刺された。その顔はまだ恍惚な笑みを浮かべながら、そして死んでいく。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ライト・・・・・・」
女プローバーの頭に食い込んだ斧がなかなか抜けなかった。片足で頭を踏んずけ、勢いで斧を抜き切りライトが向かった道へと急いで走って行く。
ライトを見失ったプローバーの二人は、見つからないターゲット探しに飽きがきていた。
彷徨うプローバーは目的を忘れつつあり、立ち尽くしフラフラと揺れ出す。
狂えるプローバーはもう一人の方へ帰還しようと、天井から地面に降り立ち戻ろうとする。ライトはその対角線上の闇に隠れ、ずっと二人を見つめて様子を見ていた。
狂えるプローバーが走って戻ろうとしたその時、ライトは弓を構え放つ。すると、手前にいた狂えるプローバーには当たらず外してしまった。その空を切る音に気が付いた4-⑵狂える者は踵を返す。プローバーはターゲットを見つけた喜びをその顔に携えながら、ライトの方へと走り込もうとした。
そしてその時、4-⑷彷徨う者が背後から狂える方を襲い首筋に噛み付いた。
ブチッ・・・ブチブチブチブチッ!!
首筋から血管まで食いちぎる音がライトの元まで聞こえてくる。
狂える者は持っている短剣の持ち手を返し、背後に乗りかかっている彷徨う者の足やわき腹を何度も刺しながら、二人でもみ合う姿をライトは冷静に見つめていた。
首筋の大動脈を嚙み切られ、ゴーマッド《go mad》は脳への血を失いだんだんと意識を失っていく。膝を付き、そして冷たい地面に倒れ込んだ。
ライトはワンダラーがそのまま仲間のようで仲間ではない者を食い散らかしていく最中、再度、弓を構え近づき冷静に貪るゴーマッドを後ろから脳髄を射抜き貫く。
数秒間、二体ともが動かなくなったことを確認してから、脳髄と左太ももに刺さった矢を回収してその場を去って行った。
ウェルバーと対峙したプローバーは、なんと女性だった。
死神のような白塗りの化粧をして、けたたましく笑うその顔に恐怖を覚える。第3と戦った女性プローバーとはまた雰囲気も特性も違った。
ウェルバーは右手の斧で女の短剣を受け止めている。左手でナイフを出し女の脇腹を刺しに行くが、女はしなやかな身のこなしでバク転し、後ろへと下がった。
お互いに一呼吸を置くように、一旦対峙しけん制し合う。
ライトは右へ曲がった建物が密集している場所で、室内へ隙を見て入りその身を隠した。
「ハア、ハア、ハア・・・・・・」
呼吸を整えながら聴覚を玄関先へ集中する。
ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・ザッ
一人分の砂利を蹴り歩く足音が聞こえ、警戒しながらもライトは必死に何か策を考えていた。ウェルバーのように対面し戦っても勝ち目がないという自覚はある。
奇襲か、罠を張るか、逃げ切るか・・・・・・
どの選択が最適化を考えていた。
トン・・・トン、ギギ、トントン・・・ミシミシ・・・・・・
玄関先の足音とは少し時間差で、天井から足音がする。ここでライトは二人が自分を追いかけてきたことに気が付いた。
ドク、ドク、ドク、ドク・・・・・・
肉体疲労の鼓動なのか、緊張の鼓動なのか、心臓の音がとにかくうるさかった。まるで人の胸に耳を当てて聞いているかのように、鼓動が耳の傍で聴こてくる。
玄関先天井の足音が聞こえなくなった辺りで、急いで室内の物色を開始した。何か使える物は無いか・・・ライトの手元には火鉢棒と、ウェルバーから貰った手投げナイフが一つ。獲物としては弱い方だ。
足元ばかり探しているライトはふと視線を上へとあげるて見ると、壁には弓矢が掛かっていた。ここの宿主は狩人のようだ。まだ何も策を弄じてはいなかったが徐にその弓矢を手にし、屋根へと上り二つ目の足音の者の逆尾行を開始した。
第3の女性プローバーは男も顔負けな程の筋肉質で、普通の男レベルでは簡単に負けてしまうぐらいのパワータイプが多かった。男の社会と同じく、肉体美は筋肉とのバランスで多くの女性にモテるように男らしさと女らしさを兼ね備えるような価値観だが、今ウェルバーの前に立ちはだかる女プローバーは終始、恍惚な表情をしながら細身で女性らしく、長い手足を踊り流れるように構えながらこちらの隙を伺っていた。
「うひひひひ。いい男・・・食いたい、喰いたいぃぃぃぃ」
ウェルバーの身体を舐め回すような視線で足先から頭までなぞる。松明を二人の間に投げ捨て、短剣の先端をしゃぶり出す。ジリジリと右へと回り込むように近づいてきている。
松明の煙が二人を遮ったその時、ウェルバーは迂回せずに松明を飛び越えて斧を渾身の力で振り降ろす。女は野生的な反射神経で斧を短剣で受け止める。が、ウェルバーが振り下ろす斧圧が凄まじく、まるで木の棒かのように短剣は更に短くへし折れた。
斧の起動が少し変わり、無情にも女プローバーの胸元へ食い込んで即死を逃れる。
「ああ・・・ああああああ!!」
胸元のスカーフは開け小ぶりな胸が露わになり、苦痛なはずの状況で女プローバーは目が上向き、舌を出しながらオーガズムに達していた。ウェルバーは無慈悲にも斧を引き抜き、鮮血が飛び交う。
膝を地面に落としたプローバーは、折れた短剣で再度ウェルバーを襲おうとしたが直ぐ様に脳天を割られ、とどめを刺された。その顔はまだ恍惚な笑みを浮かべながら、そして死んでいく。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ライト・・・・・・」
女プローバーの頭に食い込んだ斧がなかなか抜けなかった。片足で頭を踏んずけ、勢いで斧を抜き切りライトが向かった道へと急いで走って行く。
ライトを見失ったプローバーの二人は、見つからないターゲット探しに飽きがきていた。
彷徨うプローバーは目的を忘れつつあり、立ち尽くしフラフラと揺れ出す。
狂えるプローバーはもう一人の方へ帰還しようと、天井から地面に降り立ち戻ろうとする。ライトはその対角線上の闇に隠れ、ずっと二人を見つめて様子を見ていた。
狂えるプローバーが走って戻ろうとしたその時、ライトは弓を構え放つ。すると、手前にいた狂えるプローバーには当たらず外してしまった。その空を切る音に気が付いた4-⑵狂える者は踵を返す。プローバーはターゲットを見つけた喜びをその顔に携えながら、ライトの方へと走り込もうとした。
そしてその時、4-⑷彷徨う者が背後から狂える方を襲い首筋に噛み付いた。
ブチッ・・・ブチブチブチブチッ!!
首筋から血管まで食いちぎる音がライトの元まで聞こえてくる。
狂える者は持っている短剣の持ち手を返し、背後に乗りかかっている彷徨う者の足やわき腹を何度も刺しながら、二人でもみ合う姿をライトは冷静に見つめていた。
首筋の大動脈を嚙み切られ、ゴーマッド《go mad》は脳への血を失いだんだんと意識を失っていく。膝を付き、そして冷たい地面に倒れ込んだ。
ライトはワンダラーがそのまま仲間のようで仲間ではない者を食い散らかしていく最中、再度、弓を構え近づき冷静に貪るゴーマッドを後ろから脳髄を射抜き貫く。
数秒間、二体ともが動かなくなったことを確認してから、脳髄と左太ももに刺さった矢を回収してその場を去って行った。
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