『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase XIII

Go mad

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 その後、程なくしてライトは寝ているサルヒコを起こし、昨日と同じスタイルでチェバラ捜索に向かおうとした。


「・・・あ、なぁちょっと、変わってくれないか?」

「え?なにが??」

「俺がそれ着るから、お前が前か後ろかに隠れてろ」

「いいけど・・・サルヒコ、チェバラ先生の顔とか特徴とか、知ってるの?」

「・・・ちっ」

「??」

 ライトは朝早めの、太陽が全て顔を出す前に行動を開始した。今日も表層階への物資の運搬が始まるかどうかは分からないが、その作業員が来る前に中へと入っておくことにした。



 昨日の葬儀参列者の女性から聞いたまま、方向感覚的に中心部へと向かって行く。


 まだ朝が早すぎたのか、内部通路や食堂にすら誰もいない。
 まるで廃墟と化したかのような静けさの中に、ちょっとした生活音はひっそりと聞こえてくる。各部屋の内部では多くの人が起きて活動をしてるようだ。

 ライトはそれらを感じながら、ふと思う。

 下では森や外の空気、各コロニー世界など、現在ではその多様性にて揉めていたり戦ったりと摩擦が生じているが、この上層階ではそんなことは起きないのかもしれないと。
 平和的でいいことだが・・・同時にそれは空虚であり比較対象も何も無い世界で、どうやって善悪や規律、道徳を図るのだろうか。

 いつものように素朴な疑問だったがその先は、今は考えないようにした。何だか恐ろしい気が直感的にしたからだ。
 その理由としては「ここではどのような『仕事』があるのだろうか」という疑問でもあった。
 輸入出荷をしている作業員は、一日のメリハリがあるんだろうということは分かる。朝の作業という縛られたサイクルが強制的にあるのだから。

 《他の人たちは、いったい・・・・・・》

 ライトが見る限りでは、そういった従事者は食堂の調理人や清掃員、後はサルヒコを連れていた警察機関か警備員のような人たちしか見なかった。
 とりあえずは、ここなりの何かがあるんだろうとはこの時に考えるが、下と比べれば森林などの自然、家畜、農業、そして戦争も何も無いのならば、退屈で仕方が無くなり『vitality cram school生気塾』で学んだ通り、『人では無くなる』のではないか。

 まだこの階層のことを良くは知らないライトだが、そういった考え(偏見)を今直ぐに持つのは良くない事だと知っているのもあり考えるのを止めたが、「人が人では無くなる」とは、いったいどういう事なのか。疑問から更なる疑問が生まれる。


 そんなことを考えながらふらふらしていると、あからさまに分かり易く「牢屋」だといわんばかりに大部屋で厳重な鉄格子が遠目に見えてきた。
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