111 / 149
Phase XIII
Go mad
しおりを挟む
その後、程なくしてライトは寝ているサルヒコを起こし、昨日と同じスタイルでチェバラ捜索に向かおうとした。
「・・・あ、なぁちょっと、変わってくれないか?」
「え?なにが??」
「俺がそれ着るから、お前が前か後ろかに隠れてろ」
「いいけど・・・サルヒコ、チェバラ先生の顔とか特徴とか、知ってるの?」
「・・・ちっ」
「??」
ライトは朝早めの、太陽が全て顔を出す前に行動を開始した。今日も表層階への物資の運搬が始まるかどうかは分からないが、その作業員が来る前に中へと入っておくことにした。
昨日の葬儀参列者の女性から聞いたまま、方向感覚的に中心部へと向かって行く。
まだ朝が早すぎたのか、内部通路や食堂にすら誰もいない。
まるで廃墟と化したかのような静けさの中に、ちょっとした生活音はひっそりと聞こえてくる。各部屋の内部では多くの人が起きて活動をしてるようだ。
ライトはそれらを感じながら、ふと思う。
下では森や外の空気、各コロニー世界など、現在ではその多様性にて揉めていたり戦ったりと摩擦が生じているが、この上層階ではそんなことは起きないのかもしれないと。
平和的でいいことだが・・・同時にそれは空虚であり比較対象も何も無い世界で、どうやって善悪や規律、道徳を図るのだろうか。
いつものように素朴な疑問だったがその先は、今は考えないようにした。何だか恐ろしい気が直感的にしたからだ。
その理由としては「ここではどのような『仕事』があるのだろうか」という疑問でもあった。
輸入出荷をしている作業員は、一日のメリハリがあるんだろうということは分かる。朝の作業という縛られたサイクルが強制的にあるのだから。
《他の人たちは、いったい・・・・・・》
ライトが見る限りでは、そういった従事者は食堂の調理人や清掃員、後はサルヒコを連れていた警察機関か警備員のような人たちしか見なかった。
とりあえずは、ここなりの何かがあるんだろうとはこの時に考えるが、下と比べれば森林などの自然、家畜、農業、そして戦争も何も無いのならば、退屈で仕方が無くなり『vitality cram school』で学んだ通り、『人では無くなる』のではないか。
まだこの階層のことを良くは知らないライトだが、そういった考え(偏見)を今直ぐに持つのは良くない事だと知っているのもあり考えるのを止めたが、「人が人では無くなる」とは、いったいどういう事なのか。疑問から更なる疑問が生まれる。
そんなことを考えながらふらふらしていると、あからさまに分かり易く「牢屋」だといわんばかりに大部屋で厳重な鉄格子が遠目に見えてきた。
「・・・あ、なぁちょっと、変わってくれないか?」
「え?なにが??」
「俺がそれ着るから、お前が前か後ろかに隠れてろ」
「いいけど・・・サルヒコ、チェバラ先生の顔とか特徴とか、知ってるの?」
「・・・ちっ」
「??」
ライトは朝早めの、太陽が全て顔を出す前に行動を開始した。今日も表層階への物資の運搬が始まるかどうかは分からないが、その作業員が来る前に中へと入っておくことにした。
昨日の葬儀参列者の女性から聞いたまま、方向感覚的に中心部へと向かって行く。
まだ朝が早すぎたのか、内部通路や食堂にすら誰もいない。
まるで廃墟と化したかのような静けさの中に、ちょっとした生活音はひっそりと聞こえてくる。各部屋の内部では多くの人が起きて活動をしてるようだ。
ライトはそれらを感じながら、ふと思う。
下では森や外の空気、各コロニー世界など、現在ではその多様性にて揉めていたり戦ったりと摩擦が生じているが、この上層階ではそんなことは起きないのかもしれないと。
平和的でいいことだが・・・同時にそれは空虚であり比較対象も何も無い世界で、どうやって善悪や規律、道徳を図るのだろうか。
いつものように素朴な疑問だったがその先は、今は考えないようにした。何だか恐ろしい気が直感的にしたからだ。
その理由としては「ここではどのような『仕事』があるのだろうか」という疑問でもあった。
輸入出荷をしている作業員は、一日のメリハリがあるんだろうということは分かる。朝の作業という縛られたサイクルが強制的にあるのだから。
《他の人たちは、いったい・・・・・・》
ライトが見る限りでは、そういった従事者は食堂の調理人や清掃員、後はサルヒコを連れていた警察機関か警備員のような人たちしか見なかった。
とりあえずは、ここなりの何かがあるんだろうとはこの時に考えるが、下と比べれば森林などの自然、家畜、農業、そして戦争も何も無いのならば、退屈で仕方が無くなり『vitality cram school』で学んだ通り、『人では無くなる』のではないか。
まだこの階層のことを良くは知らないライトだが、そういった考え(偏見)を今直ぐに持つのは良くない事だと知っているのもあり考えるのを止めたが、「人が人では無くなる」とは、いったいどういう事なのか。疑問から更なる疑問が生まれる。
そんなことを考えながらふらふらしていると、あからさまに分かり易く「牢屋」だといわんばかりに大部屋で厳重な鉄格子が遠目に見えてきた。
2
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる