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Phase XVI
Pleasure garden
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空気レバーを精一杯漕ぎ、火力を上げる。だが、まだゴンドラは浮かばない。
一体のワンダラーがライトの存在に気が付いた。
ライトは食われていく新しい友人でもあり家族でもあったヨハンナが食われていく姿を見たくない一心というのもあり、ゴンドラに身を屈め隠れていた。そのため送風の音でワンダラーに気が付かれていることに、ライトは気が付いていない。
「はっ!・・・ぐわぁぁぁぁ!!」
空気レバーを漕ぐライトの腕に、ワンダラーが嚙みついてきた。
同時に、やっとゴンドラが浮かび球皮に繋いである紐がピンっと張り詰めてくる。
「くそぉ!痛い!!離せぇ!!」
ライトは足掻きながらも更に後ろから入ってくる、こちらの騒動に気が付きヨハンナに群がっていないワンダラーが迫っているのを見る。
噛みついているプローバーは一旦無視し、もう一方の腕でなんとか繋いでいる紐を外していく。
一本、二本、三本・・・・・・
十三本もある紐を外すのに、一苦労する。
二体目のワンダラーがライトに襲い掛かってきた。
火掻き棒で応戦しつつも、左腕を離さない一体目のプローバー。
どんどんと気球は浮き上がり、なんとか後続するプローバーからは逃れることが出来た。だが、左腕の奴はまだ噛みついている。
「ぐあぁぁぁぁ!くそぉ、こいつ!!」
完全に浮かび上がるがプローバーの身体も持ち上がる。それでも噛みつきを止めなかった。ライトの左腕の噛みつかれた肉が今にも食い千切れそうになり、更に激痛が襲う。
火掻き棒をプローバーの口へと差し込み、てこの原理で顎の関節を外してなんとか腕から引き離すことが出来た。 下へと落ちたプローバーは落ちた衝撃で足が反対方向へ向きながらもまだこちらを見上げ手を伸ばし、まるで神に何かを哀願するかのようにいつまでも腕を空へと伸ばして見上げていた。
腕から離れてくれて一息付くライトだが、噛まれた左腕からの出血が酷い。
簡素な程度の物だが医療キットから包帯を取り出し、急いできつく縛り付け止血するように巻いていった。
包帯を巻きながらフと下を除くと、第1か第2だと思われる多くの人が押し合い犇めき合う、激しい合戦が眼下に見えた。
「・・・兄さん」
ライトはつい、ウェルバーの身を案じた。きっと、こういった合戦に参加してそうな気がしたからだ。
『気球・モンゴルフィエ号』はどんどんと上昇をし、CSタワーの最上階が見えてくる。そこは開けた広場で特に何もなかった。ゲート教が唱える『神鳥・スパルナ』が鎮座することなく、その神鳥の巣らしき物があるようなこともなかった。
しかしライトは念願の場所へとやって来れたことに感動を覚えながらも、自分一人だけが脱出していることに下で残された人々への罪悪感も同時に感じていた。
外の世界がどうなっているのか、コロニアの人間には想像が付かない。ライトも同様に悪魔の森を超えると絶壁の壁、もしくは底知れぬ崖があると信じられている。他にライトの予想としてはCSタワーのような物とコロニアと同じような広大な集落が幾つかあり、そのどれかにとチェバラは行ったのだと考えていた。
ヨハンナがチェバラは神鳥・スパルナに乗って行ったと聞いて、その行先は『楽園』で望むモノは何でも叶うような神々の世界だろうと信仰的な妄想を繰り広げている。
その『楽園』でライトが先ず望むことは、コロニアの世界の平和へと変わっていた。
神鳥・スパルナだけでなく他の多くの神々が住まう『楽園』。万物の神々が、優雅に存在しているのだと。
チェバラはこの事態の予測が出来ていたのではないかと、またヨハンナは言っていた。
であればチェバラもライトと同じように考え、この事態の終息として神々の『楽園』へ向かったに違いない。
尚更チェバラを見つけ、神々を説得し共々に引き連れて必ずコロニアに戻ることを心に誓い、その想いが下のウェルバーたちに届くようにと手を組み膝を付き、気球が上昇していく間は一心に頭の中でみんな無事を祈り唱え続けた。
一体のワンダラーがライトの存在に気が付いた。
ライトは食われていく新しい友人でもあり家族でもあったヨハンナが食われていく姿を見たくない一心というのもあり、ゴンドラに身を屈め隠れていた。そのため送風の音でワンダラーに気が付かれていることに、ライトは気が付いていない。
「はっ!・・・ぐわぁぁぁぁ!!」
空気レバーを漕ぐライトの腕に、ワンダラーが嚙みついてきた。
同時に、やっとゴンドラが浮かび球皮に繋いである紐がピンっと張り詰めてくる。
「くそぉ!痛い!!離せぇ!!」
ライトは足掻きながらも更に後ろから入ってくる、こちらの騒動に気が付きヨハンナに群がっていないワンダラーが迫っているのを見る。
噛みついているプローバーは一旦無視し、もう一方の腕でなんとか繋いでいる紐を外していく。
一本、二本、三本・・・・・・
十三本もある紐を外すのに、一苦労する。
二体目のワンダラーがライトに襲い掛かってきた。
火掻き棒で応戦しつつも、左腕を離さない一体目のプローバー。
どんどんと気球は浮き上がり、なんとか後続するプローバーからは逃れることが出来た。だが、左腕の奴はまだ噛みついている。
「ぐあぁぁぁぁ!くそぉ、こいつ!!」
完全に浮かび上がるがプローバーの身体も持ち上がる。それでも噛みつきを止めなかった。ライトの左腕の噛みつかれた肉が今にも食い千切れそうになり、更に激痛が襲う。
火掻き棒をプローバーの口へと差し込み、てこの原理で顎の関節を外してなんとか腕から引き離すことが出来た。 下へと落ちたプローバーは落ちた衝撃で足が反対方向へ向きながらもまだこちらを見上げ手を伸ばし、まるで神に何かを哀願するかのようにいつまでも腕を空へと伸ばして見上げていた。
腕から離れてくれて一息付くライトだが、噛まれた左腕からの出血が酷い。
簡素な程度の物だが医療キットから包帯を取り出し、急いできつく縛り付け止血するように巻いていった。
包帯を巻きながらフと下を除くと、第1か第2だと思われる多くの人が押し合い犇めき合う、激しい合戦が眼下に見えた。
「・・・兄さん」
ライトはつい、ウェルバーの身を案じた。きっと、こういった合戦に参加してそうな気がしたからだ。
『気球・モンゴルフィエ号』はどんどんと上昇をし、CSタワーの最上階が見えてくる。そこは開けた広場で特に何もなかった。ゲート教が唱える『神鳥・スパルナ』が鎮座することなく、その神鳥の巣らしき物があるようなこともなかった。
しかしライトは念願の場所へとやって来れたことに感動を覚えながらも、自分一人だけが脱出していることに下で残された人々への罪悪感も同時に感じていた。
外の世界がどうなっているのか、コロニアの人間には想像が付かない。ライトも同様に悪魔の森を超えると絶壁の壁、もしくは底知れぬ崖があると信じられている。他にライトの予想としてはCSタワーのような物とコロニアと同じような広大な集落が幾つかあり、そのどれかにとチェバラは行ったのだと考えていた。
ヨハンナがチェバラは神鳥・スパルナに乗って行ったと聞いて、その行先は『楽園』で望むモノは何でも叶うような神々の世界だろうと信仰的な妄想を繰り広げている。
その『楽園』でライトが先ず望むことは、コロニアの世界の平和へと変わっていた。
神鳥・スパルナだけでなく他の多くの神々が住まう『楽園』。万物の神々が、優雅に存在しているのだと。
チェバラはこの事態の予測が出来ていたのではないかと、またヨハンナは言っていた。
であればチェバラもライトと同じように考え、この事態の終息として神々の『楽園』へ向かったに違いない。
尚更チェバラを見つけ、神々を説得し共々に引き連れて必ずコロニアに戻ることを心に誓い、その想いが下のウェルバーたちに届くようにと手を組み膝を付き、気球が上昇していく間は一心に頭の中でみんな無事を祈り唱え続けた。
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