48 / 141
激安トンカツ定食
しおりを挟む
トンカツ定食で、俺はこの前酷い目に遭った。
俺は豚の世話なんかまっぴらだ!
だけどトンカツ食べたいな♪と思って、ある晩、街を歩いていたらトンカツ屋があった。
看板には「激安トンカツ定食」と書いてあり、可愛い子豚の絵なんかも書いてあり、何だか楽しそうな雰囲気だった。
しかも看板には「養豚場から直接お客様へ」なんていう文言もあり、それが妙に俺の心に刺さり、それで俺は性懲りもなく、トンカツ屋へ入ることにした。
「いらっしゃいませ♪」
清々しい女性の明るい声を聴きながら俺が店に入るとガラスケースの中には、豪快なトンカツ定食のサンプルがずらりと並んでいた。
ジューシーでさくさくのでっかいトンカツ。
ヒレカツにロースカツ。
それとやっぱり、さくさくのキャベツ、赤出汁の味噌汁そして大盛りの飯! 見ているうちによだれが出てきた。
それで俺はいちばん豪快そうな、「スーパーヒレカツ定食」に決めた。
これが何と300円! 激安だ。
それから俺が奥へ入ろうとすると、さっきの女性が、「こちらで券をお求めください」と言って、販売機を指差すので、俺は300円で、そのスーパートンカツ定食の券を買った。
ちなみにその券は何故か普通の食券よりやや大きく、名刺くらいはあった。
だけどこの店はそういう流儀なのだろうと深く考えず、それからその券を渡そうとしたら、その女性が、「券の表にサインをして下さい」と、不思議なことを言い始めた。
だけどまあこの店はそういう流儀なのか、はたまたもしかすると会員制なのか、ともかく俺はあまり考えず、女性に渡されたボールペンで自分の名前を書いてから手渡すと、彼女はにこやかに「どうぞ奥へお入りください」と言った。
それで俺が奥へ入ると、何故かそこは養豚場で、そこには青いツナギ服を着た屈強な男が数人立っていた。それを見て俺が唖然としていると、一番強そうな男が突然俺にこう言った。
「おらおら、ボサっとしてねえで、さっさと働け!」
「働く?」
「トンカツは豚の世話をしてからだ!」
「え、豚の世話?」
その言葉に驚いた俺の様子を見て、男はドヤ顔で話を続けた。
「さっき契約書にサインしただろう!」
「契約書?」
「さっきお前が受付の娘に渡したやつだ!」
「あれは食券でしょう?」
「おめえ、目ぇ、見えとるのか? 眼科紹介したろか?」
そういうと男は女性からその券を受け取り、それを虫眼鏡と一緒に俺に手渡した。
するとそこには、虫眼鏡で見ないととても見えないような物凄く物凄く小さな文字で、こう書いてあったのだ。
「いいか、もう帰れねえからな!」
俺は豚の世話なんかまっぴらだ!
だけどトンカツ食べたいな♪と思って、ある晩、街を歩いていたらトンカツ屋があった。
看板には「激安トンカツ定食」と書いてあり、可愛い子豚の絵なんかも書いてあり、何だか楽しそうな雰囲気だった。
しかも看板には「養豚場から直接お客様へ」なんていう文言もあり、それが妙に俺の心に刺さり、それで俺は性懲りもなく、トンカツ屋へ入ることにした。
「いらっしゃいませ♪」
清々しい女性の明るい声を聴きながら俺が店に入るとガラスケースの中には、豪快なトンカツ定食のサンプルがずらりと並んでいた。
ジューシーでさくさくのでっかいトンカツ。
ヒレカツにロースカツ。
それとやっぱり、さくさくのキャベツ、赤出汁の味噌汁そして大盛りの飯! 見ているうちによだれが出てきた。
それで俺はいちばん豪快そうな、「スーパーヒレカツ定食」に決めた。
これが何と300円! 激安だ。
それから俺が奥へ入ろうとすると、さっきの女性が、「こちらで券をお求めください」と言って、販売機を指差すので、俺は300円で、そのスーパートンカツ定食の券を買った。
ちなみにその券は何故か普通の食券よりやや大きく、名刺くらいはあった。
だけどこの店はそういう流儀なのだろうと深く考えず、それからその券を渡そうとしたら、その女性が、「券の表にサインをして下さい」と、不思議なことを言い始めた。
だけどまあこの店はそういう流儀なのか、はたまたもしかすると会員制なのか、ともかく俺はあまり考えず、女性に渡されたボールペンで自分の名前を書いてから手渡すと、彼女はにこやかに「どうぞ奥へお入りください」と言った。
それで俺が奥へ入ると、何故かそこは養豚場で、そこには青いツナギ服を着た屈強な男が数人立っていた。それを見て俺が唖然としていると、一番強そうな男が突然俺にこう言った。
「おらおら、ボサっとしてねえで、さっさと働け!」
「働く?」
「トンカツは豚の世話をしてからだ!」
「え、豚の世話?」
その言葉に驚いた俺の様子を見て、男はドヤ顔で話を続けた。
「さっき契約書にサインしただろう!」
「契約書?」
「さっきお前が受付の娘に渡したやつだ!」
「あれは食券でしょう?」
「おめえ、目ぇ、見えとるのか? 眼科紹介したろか?」
そういうと男は女性からその券を受け取り、それを虫眼鏡と一緒に俺に手渡した。
するとそこには、虫眼鏡で見ないととても見えないような物凄く物凄く小さな文字で、こう書いてあったのだ。
「いいか、もう帰れねえからな!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
