おもしろSFショート

山田みぃ太郎

文字の大きさ
104 / 141

コンビニ(へ)

しおりを挟む
「ええと、お弁当は温めますかぁ?」
「お弁当は…、温めますかぁだとぉ?」
「あ、は、はぁ…」
「お前はそんなことも分からんのか! このバカモンがー! わしはいつも弁当を家へ持って帰って、しかるのちに電子レンジでチンして、しかる後に茶の間で食うんだ。しかも家で食うからその箸もいらん! 全くもう最近の若い連中は…、そうかそうか、おまはん、Z世代ってやつだな。まったく箸にも棒にもかからんな。とにかく!…」

 俺が店内の商品棚をチェックしていると、レジの方で何やらもめ事が起こっていた。
 俺はこのコンビニの雇われ店長。で、レジに立っているのは、今日からバイトを始めた子。そしてレジで豪快に吠えているのは、常連のキチキチクレーマージジイ!
 それで、これは豪快にやばいと、俺は秒でレジにはせ参じた。

「大変申し訳ありません。ええと、レジ袋はいつもご利用でしたよね。へへへ。それから、ええと、ヘ~イお茶は、今日は?」
「おうおう、そうじゃそうじゃそうじゃった。忘れておったわい、わっはっは」
 それで俺は、レジ横のあたたかぁ~いと書いてあるケースから、350mlのあつあつのヘーイお茶を取り出すと、弁当と一緒に袋に入れた。
「ええと、これで商品はお揃いですかね?」
「そうそうそれで良い。わっはっは。しかぁ~し!」
「しかぁーし?」
「そうじゃ。あ~、しかぁーし!レジに就く以上は客のニーズをしっかり把握してもらわんとぉ…」
「はぁ、大変申し訳ありません。しかして何分この子は、あ~、今日が初仕事なもんで…」
「あ~、たとえ初仕事とはいえ、あ~、客の望むものを先回りして、あ~、客の心をしっかり慮って、あ~、客の心を先回りするかの如くしっかりと深読み出来るようになり、しかる後にレジに赴いて欲しいものじゃな。わっはっは」
「そっ…、そうですね。あはは♬ しかして何分この子は入職して日が浅う御座いまして、で、えぇ~、本部でのテレパシーの研修もまだ済んでおりませんので、わっはっは」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

リアルメイドドール

廣瀬純七
SF
リアルなメイドドールが届いた西山健太の不思議な共同生活の話

処理中です...