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よかぼ
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幕末の頃の佐賀鍋島藩でのこと。
ちなみに鍋島藩は薩長土肥の「肥」、つまり肥前の国だ。
それで、私の友人の曾お婆ちゃんが幼い頃の話。
ある日、その鍋島藩のお殿様が白馬に乗ってぱかぱかと道を通っておられたそうだ。
で、それを見たその曾お婆ちゃんは、あわてて道端に土下座した。
ところがお殿様は「よかぼ」と言われたそうだ。
「よかぼ」とは佐賀弁で「いいですよ」とか、「いいんだよ」とか、「そんなに気を使わなくてもいいんだよ」とかいうニュアンスがある。
つまりそのときの「よかぼ」は、幼い頃の曾お婆ちゃんに対する、お殿様の優しい気遣いで、つまりとても優しいお殿様だったのだ。
だけど曾お婆ちゃんはその優しさにかえって恐縮し、さらに深々と土下座をしたそうだけど。
で、その「よかぼ」の話は、曾お婆ちゃんから曾孫である友人に語り継がれ、そして友人から私に語り継がれた。
そして今、私はその「よかぼ」をショートショートに書いている。
だからこれを読んでいるあなた!
この「よかぼ」は大変貴重な言葉なのですぞ。
曾お婆ちゃん、友人、そして私の、たった3人しか間に介在していない、鍋島藩のお殿様直々の、有り難いお言葉なのだから…
ちなみに鍋島藩は薩長土肥の「肥」、つまり肥前の国だ。
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ある日、その鍋島藩のお殿様が白馬に乗ってぱかぱかと道を通っておられたそうだ。
で、それを見たその曾お婆ちゃんは、あわてて道端に土下座した。
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「よかぼ」とは佐賀弁で「いいですよ」とか、「いいんだよ」とか、「そんなに気を使わなくてもいいんだよ」とかいうニュアンスがある。
つまりそのときの「よかぼ」は、幼い頃の曾お婆ちゃんに対する、お殿様の優しい気遣いで、つまりとても優しいお殿様だったのだ。
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で、その「よかぼ」の話は、曾お婆ちゃんから曾孫である友人に語り継がれ、そして友人から私に語り継がれた。
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