異世界でエルフに転生したら狙われている件

16.病名

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(※アルフレイドsideに戻ります)




ブライト王子達と話した翌日。
昨日見つけてくれた宿の部屋から出ると、レオンさんが廊下で外着を着ながら立っていたので首を傾げた。


「レオンさん、どこかへ行かれるのですか？」

「はえ？！あ、いや。
ちょっとした用事だ。すぐ戻る。」

普通に声を掛けただけなのに、あからさまに驚かれてしまって、僕は少し固まる。

「そうなんですか。すみません。驚かせてしまいました。」

「い、いや、大丈夫だ。何も問題はない。」

そう言ってレオンさんはどこかぎこちなく僕に向かって微笑むと、慌てたようにミリアさんを呼んで、下へ降りて行った。

どうせならお見送りをしようと、僕も下へ降りる。

「ミリアさんも一緒に行かれるんですね。」

「ええ。ほらレオンってば、ボーッとしてないで、早く行くわよ。」

「ああ。それじゃあな。」

「はい。気を付けて、いってらっしゃい。」

僕は二人に手を振って、その後ろ姿を見つめた。


容姿端麗なレオンさんと、スラリとした猫らしく可愛いミリアさん。

そんな二人が並んで歩いていると、まるでお似合いのカップルか夫婦のようだ。

街行く人もチラチラと二人を見てるし。


「…っ……？」

二人を見ていた自分の胸が、なぜかチクチクと痛んで苦しくなった。