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プロローグ
第一話 ~出会い~
しおりを挟む夕日はいつも寂しいよな。
皆あいつのことは知っているのに、いつも独りぼっちだ。
ならせめて俺が側に
「何黄昏てるの?」
「うわあぁ!?」
放課後の部室。
夕日に照らされたこの部屋で一人黄昏ていた俺、楠木くすのき 優ゆうの前に、いつの間にか部室入っていたのであろう同級生の柊ひいらぎ 花楓かえでが突如として目の前に現れた。
至福の時間を邪魔しやがって。
「いつから居たんだよ。声くらい掛けろよな。」
「声掛けたじゃん! ユウ!それよりもコレコレ! SNSでこの画像が回ってきたの!」
と言いながら、カエデは興奮気味に手に持ったスマートフォンの画面を見せてきた。
「いつもテンションが高いなカエデは。ん?何だこれ? 完全新作バーチャルゲームテストイベント?」
お世辞にも魅力的なデザインとは言えないような告知の画像。
作った奴はデザインのセンスがないな。
だが俺にとってはこの完全新作バーチャルゲームテストという言葉だけで充分だった。
「へ、へー。まあまあ面白そうだな。この近くでやるんだな。」
「あれ?ずいぶん冷静ね? ユウならすぐ飛びつくと思ったのにー。」
正解だよチクショー。こんなのテンションが上がらないわけない!
で、いつなんだ?これ...
「今日!?」
「わ! 急に大声出さないでよ!」
「ゴ、ゴメン。」
だってこんなワクワクするようなイベントを知らされて、しかもそれが今日なら驚きもする。
「では目をキラキラ輝かせているユウくん! 参加してみるかい?」
うっ。バレてる...
答えはもちろん。
「しょうがない。付き合ってやるよ。」
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