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第二章 生きるために
第九話 ~芽生えた気持ち~
しおりを挟む目の前の女の子は目を丸く見開きキョトンとしこちらを見つめている。
ミディアムヘアが良く似合う色白で大人しそうな子だ。
一言でいうと...
「めちゃくちゃかわいい。」
「えぇ!?」
「あれ?声に出てた?」
「はい...。」
目の前の女の子は顔を赤らめて恥ずかしがっている。
こんなにもかわいいのに言われ慣れてないのか。
「変なこと言ってごめん。大丈夫?」
「私は大丈夫ですけど...あなたは...」
そういえば転んだままだった。カッコ悪すぎるぜ俺。
「あ、あぁ。全然平気!」
何事もなかったように取り繕って見せる。
「ところで君もゲームのプレイヤー?」
「あ、はい。そうです。東雲しののめ 小夜さやです。」
「東雲さんね。俺は楠木優。君も一人?」
「あ、はい。気がついたらここで倒れてて。ウサギさんもいて動けなくて。どうしようかなって思ってました。」
ふ、ふーん。
一人か。
これは誘えば一緒に行動できるんじゃないか!?
こんな可愛い子と一緒なんて...
「緊張して死んじゃうぜ!」
「わ、わ!?」
「あ、ご、ゴメン。急に大声出して。そ、それよりも、さっきみたいなウサギがもっといるかもしれないし、何があるかわかんないし、そ、その、よかったら一緒に行動しませんか!?」
何で俺は右手を差し出して頭を下げてるんだ...
これじゃあ告白してるみたい...
「ぜひ、よろしくお願いします。」
差し出した右手を握り、優しく微笑む彼女にまた見惚れてしまった。
この女の子...東雲 小夜を守りたい。
俺はそう思った。
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