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私を陥れた妹と裏切った男は共に破滅する事になりましたが…私はそれを静かに見届けます。
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「お姉様は、巫女として失格です。だって、付き人の私を…実の妹を虐めてるんですもの!」
「可哀相に…。そんな女を婚約者に持つなど恥だ、すぐに婚約破棄するよ。それに正直言うと…俺はあんな地味な女より、君のような美しい女が好きなんだ。」
神殿の片隅で抱き合う、男と女。
男の方は私の婚約者で、私を守る役目も背負っていた。
そして女の方は、私の妹だった。
最近、神殿での風当たりが妙にキツイと思ったら…あの子があんな嘘を付いていたからなのね。
神官長も神官たちも、美しいあの子の言う事を真に受けたんだわ。
そしてとうとう、私の婚約者である彼までも─。
それにしてもあの子…この神殿に入る時、ここに祀られる神に誓ったはずよね?
ここに居る間は、決して嘘を付かない…真っ当な人間で在る、と─。
それを破るから、今、神殿は─。
そして…あの男の女好きにも困ったものだわ。
巫女である私の婚約者に選ばれながら、色んな女性に手を出したあげく、私の妹と関係を持つとは─。
あの二人には、いずれ責を負って貰わねば─。
※※※
そんなある日の事、神殿に一人の人物が訪ねて来た。
「まさか、貴方様にお会いできるなんて…光栄ですわ!」
妹は向かいに座る人物を目にし、頬を赤く染め興奮した様子で挨拶をした。
「それで、王様が私に何の御用でしょう?」
「実はな、君にある重大な役目を負って貰いたい。今のこの神殿には、君の力が必要なんだ。これは、そこに居る巫女には任せられない事だ。どうだ、やってくれるか?」
その言葉に、妹は私をちらりと見て、馬鹿にしたように笑った。
そして王様を見て、満面の笑みを浮かべこう言った。
「勿論です!王様直々のご命令とあれば、この命に代えてもその務めを果たすと誓います!」
「素晴らしい心がけだ。では、君には彼女の護衛を任せよう。やってくれるか?」
王様は、妹の隣に居た彼にも尋ねた。
「はい!私も、命に代えてもその務めを果たすと誓います!」
「その言葉、確かに聞いた。では早速、ある儀式を執り行う。それから…今回その役目を果たさぬ彼女には、ここを出て行ってもらう。」
王様は私を見て、そう言い放った。
「そうですわね、お姉様は居ても邪魔なだけですね。」
「ここを追い出されるなら、これで俺との婚約は破棄だな。せいぜい他の男と、幸せになれ。」
そして二人の嘲笑を背に受け、私は神殿を後にした─。
※※※
「では儀式を始める。二人共…この棺の中に入るがいい。」
「棺って…まるで生贄じゃないの!これはどういうことなの王様!?」
「それも全てお前のせいだ。お前が神殿で嘘ばかりつくから…そのせいで神殿に悪しき神、邪神が住み着いてしまってな。それを鎮めるには、嘘を付き、そんな神を呼び寄せた張本人の命を捧げねばならない。それにお前は言ったであろう?命に代えても務めを果たすと。今がその時だ。」
「だったら俺は何だ!?俺は関係ないぞ!」
「お前は彼女の護衛なのだから、どんな時でもその傍に居なければならない。彼女が生贄になるのならば、お前もそれに付き従って当然だ。さぁ…そろそろ始めようか。」
「ちょ、ちょっとお姉様!見てないで助けなさいよ!?」
「おい、俺はお前の婚約者の男だぞ!?」
すると二人は、王の近くに居た私に気付き声をかけて来た。
「…生贄に選ばれるのは、ある意味名誉な事よ。しっかり務めを果たしなさい。それから、私とあなたが婚約関係にあったのは、もう過去の事。婚約破棄になり神殿を出た私とは、もうすっかり縁も切れたのです。ですから私は…ここから静かに、あなたたちの最期を見届けますね?」
「ここって…お姉様が座るそこは、お妃様が座る席じゃ…?」
妹の言葉に、王は微笑みこう言った。
「そうだ。彼女は神殿を出て、俺の妃になったのだ。俺は以前から、彼女を自分の妃にしたいと思っていたからな。彼女の様な心の綺麗な持ち主を、邪神の住み着くような腐敗した神殿になど置いておけるか。」
「そんな…王様、私こんなの嫌です!務めなどとても果たせません!」
「頼む、俺を助けてくれ…!俺は今度こそお前を好きになるから…だからもう一度婚約を─!」
二人はそれぞれ好き勝手叫んでいたが…王の従者たちにより、棺に押し込められてしまった。
私はそんな二人の最期の声を聞きながら、隣に座る王にそっとこの身を寄せた。
今更そんな事を言っても、何もかももう遅いわ…。
私は、ここから静かに見届けさせて頂きます。
嘘が…そして身勝手な愛が呼び寄せた邪神に、あなたたちがその醜い命を捧げる所をね─。
「可哀相に…。そんな女を婚約者に持つなど恥だ、すぐに婚約破棄するよ。それに正直言うと…俺はあんな地味な女より、君のような美しい女が好きなんだ。」
神殿の片隅で抱き合う、男と女。
男の方は私の婚約者で、私を守る役目も背負っていた。
そして女の方は、私の妹だった。
最近、神殿での風当たりが妙にキツイと思ったら…あの子があんな嘘を付いていたからなのね。
神官長も神官たちも、美しいあの子の言う事を真に受けたんだわ。
そしてとうとう、私の婚約者である彼までも─。
それにしてもあの子…この神殿に入る時、ここに祀られる神に誓ったはずよね?
ここに居る間は、決して嘘を付かない…真っ当な人間で在る、と─。
それを破るから、今、神殿は─。
そして…あの男の女好きにも困ったものだわ。
巫女である私の婚約者に選ばれながら、色んな女性に手を出したあげく、私の妹と関係を持つとは─。
あの二人には、いずれ責を負って貰わねば─。
※※※
そんなある日の事、神殿に一人の人物が訪ねて来た。
「まさか、貴方様にお会いできるなんて…光栄ですわ!」
妹は向かいに座る人物を目にし、頬を赤く染め興奮した様子で挨拶をした。
「それで、王様が私に何の御用でしょう?」
「実はな、君にある重大な役目を負って貰いたい。今のこの神殿には、君の力が必要なんだ。これは、そこに居る巫女には任せられない事だ。どうだ、やってくれるか?」
その言葉に、妹は私をちらりと見て、馬鹿にしたように笑った。
そして王様を見て、満面の笑みを浮かべこう言った。
「勿論です!王様直々のご命令とあれば、この命に代えてもその務めを果たすと誓います!」
「素晴らしい心がけだ。では、君には彼女の護衛を任せよう。やってくれるか?」
王様は、妹の隣に居た彼にも尋ねた。
「はい!私も、命に代えてもその務めを果たすと誓います!」
「その言葉、確かに聞いた。では早速、ある儀式を執り行う。それから…今回その役目を果たさぬ彼女には、ここを出て行ってもらう。」
王様は私を見て、そう言い放った。
「そうですわね、お姉様は居ても邪魔なだけですね。」
「ここを追い出されるなら、これで俺との婚約は破棄だな。せいぜい他の男と、幸せになれ。」
そして二人の嘲笑を背に受け、私は神殿を後にした─。
※※※
「では儀式を始める。二人共…この棺の中に入るがいい。」
「棺って…まるで生贄じゃないの!これはどういうことなの王様!?」
「それも全てお前のせいだ。お前が神殿で嘘ばかりつくから…そのせいで神殿に悪しき神、邪神が住み着いてしまってな。それを鎮めるには、嘘を付き、そんな神を呼び寄せた張本人の命を捧げねばならない。それにお前は言ったであろう?命に代えても務めを果たすと。今がその時だ。」
「だったら俺は何だ!?俺は関係ないぞ!」
「お前は彼女の護衛なのだから、どんな時でもその傍に居なければならない。彼女が生贄になるのならば、お前もそれに付き従って当然だ。さぁ…そろそろ始めようか。」
「ちょ、ちょっとお姉様!見てないで助けなさいよ!?」
「おい、俺はお前の婚約者の男だぞ!?」
すると二人は、王の近くに居た私に気付き声をかけて来た。
「…生贄に選ばれるのは、ある意味名誉な事よ。しっかり務めを果たしなさい。それから、私とあなたが婚約関係にあったのは、もう過去の事。婚約破棄になり神殿を出た私とは、もうすっかり縁も切れたのです。ですから私は…ここから静かに、あなたたちの最期を見届けますね?」
「ここって…お姉様が座るそこは、お妃様が座る席じゃ…?」
妹の言葉に、王は微笑みこう言った。
「そうだ。彼女は神殿を出て、俺の妃になったのだ。俺は以前から、彼女を自分の妃にしたいと思っていたからな。彼女の様な心の綺麗な持ち主を、邪神の住み着くような腐敗した神殿になど置いておけるか。」
「そんな…王様、私こんなの嫌です!務めなどとても果たせません!」
「頼む、俺を助けてくれ…!俺は今度こそお前を好きになるから…だからもう一度婚約を─!」
二人はそれぞれ好き勝手叫んでいたが…王の従者たちにより、棺に押し込められてしまった。
私はそんな二人の最期の声を聞きながら、隣に座る王にそっとこの身を寄せた。
今更そんな事を言っても、何もかももう遅いわ…。
私は、ここから静かに見届けさせて頂きます。
嘘が…そして身勝手な愛が呼び寄せた邪神に、あなたたちがその醜い命を捧げる所をね─。
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