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何度ループしても殺されるので婚約破棄して終わらせます、あなたと妹の為に死ぬのはもう嫌です!
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「少しの間妹の振りをするんだ、必ず迎えに行くから!」
「…。」
これで5回目よ?
殺されるのは、もう嫌です。
「分かりました。」
「よし!だったら、早速準備を─。」
「そうではなく、私と婚約破棄して下さい。」
「…な、何!?」
※※※
私がこの能力に気づいたのは、人生2回目の時だった。
「あれ…私、刺されて死んだよね?」
ある日、双子の妹に来た縁談。
妹はそれを泣いて嫌がって…見かねた彼が私に妹の振りをする様に言って…私はその身代わりであの男に嫁ぎ…。
『少しの間妹の振りをするんだ、必ず迎えに行くから!』
『…約束ですよ。私、待ってますから。』
そして嫁ぎ先で体を繋げる事を拒否した私は、相手の男に殺された…はずだけど。
「どうした、ボーっとして何かあったか?」
「あ、あの…私…あれ、雪が降ってる?」
「当たり前だ、冬なんだから。」
私はそこで、時が巻き戻っている事に気づいた。
それからだった、私が彼の望みの為に何度も殺され、ループする事になったのは。
2回目は銃で撃ち殺された。
これはあっという間で、正直印象が薄い。
3回目は水責めだった。
水を張った桶に何度も頭を突っ込まれ…気づけば意識が無くなっていた。
そして4回目は鞭で打たれ続け、その傷が元で死んだ。
あれはしんどかった…傷が膿んで熱が出て、それでも中々死ねなくて…。
その時になって、ようやく私は気付いた。
あなた、必ず迎えに行くと言ったわよね?
どうして来てくれないのよ…。
そして5回目の人生を迎えた時、私は思った。
私は何度、あなたと妹の為に死ねばいいのよ!
そもそも、何でそんなに妹を守ろうとするの?
…きっとこれには、何か事情があるはず。
彼が私にあの要求をするまで、まだ時間がある。
調べてみよう─。
※※※
「な、何で、急にそんな事を言うんだ?」
「だってあなた、妹と浮気してるでしょ?私をその男に嫁がせ、その間に妹と結ばれるつもりね。必ず迎えに行くなんて、よくもそんな嘘を。」
「う、嘘だなんて…何でそう言い切れる!」
「…さすがに、5回目となればね。」
「…5回目?」
「あなたを愛してるからあなたを信じ言う通りにしてきたけど、もうやめるわ。私は生きることを選んだの。あなたみたいなクズ男と妹の為に殺されるなんて、まっぴらごめんよ。ループ能力も婚約者も妹も、もう私には要りません─。」
※※※
私はあれから、婚約者と妹を訴えた。
高額な慰謝料を払う事になった彼はそのまま破産し、今では物乞いをして何とか日々を生きているそうだ。
妹は勘当され、家を追い出された。
調べてみると、あの子は私の婚約者の他にも何人もの男に手を出している事が分かった。
私が訴えた事で他の女からも訴えられる事になり、もうこの家には置いておけないという判断だった。
そして行く当てもない妹は悪い男にあっさり騙され、娼館へと売られて行った。
私はというと、新しい恋人ができてもうすぐ婚約する予定だ。
「あの時は、私に協力してくれてありがとう。」
「何だい、改まって?」
「あなたのおかげで、あの男と妹の関係が分かったんだもの。」
「君が好きだったから、放っておけなかったんだ。」
「…私が生きてるのは、あなたのおかげよ。私、生きることを選んで良かった─。」
人生5回目にして、ようやく私は死を回避し悲惨なループを終わらせる事ができた。
これからは精一杯生きて、彼と2人幸せになろうと思います─。
「…。」
これで5回目よ?
殺されるのは、もう嫌です。
「分かりました。」
「よし!だったら、早速準備を─。」
「そうではなく、私と婚約破棄して下さい。」
「…な、何!?」
※※※
私がこの能力に気づいたのは、人生2回目の時だった。
「あれ…私、刺されて死んだよね?」
ある日、双子の妹に来た縁談。
妹はそれを泣いて嫌がって…見かねた彼が私に妹の振りをする様に言って…私はその身代わりであの男に嫁ぎ…。
『少しの間妹の振りをするんだ、必ず迎えに行くから!』
『…約束ですよ。私、待ってますから。』
そして嫁ぎ先で体を繋げる事を拒否した私は、相手の男に殺された…はずだけど。
「どうした、ボーっとして何かあったか?」
「あ、あの…私…あれ、雪が降ってる?」
「当たり前だ、冬なんだから。」
私はそこで、時が巻き戻っている事に気づいた。
それからだった、私が彼の望みの為に何度も殺され、ループする事になったのは。
2回目は銃で撃ち殺された。
これはあっという間で、正直印象が薄い。
3回目は水責めだった。
水を張った桶に何度も頭を突っ込まれ…気づけば意識が無くなっていた。
そして4回目は鞭で打たれ続け、その傷が元で死んだ。
あれはしんどかった…傷が膿んで熱が出て、それでも中々死ねなくて…。
その時になって、ようやく私は気付いた。
あなた、必ず迎えに行くと言ったわよね?
どうして来てくれないのよ…。
そして5回目の人生を迎えた時、私は思った。
私は何度、あなたと妹の為に死ねばいいのよ!
そもそも、何でそんなに妹を守ろうとするの?
…きっとこれには、何か事情があるはず。
彼が私にあの要求をするまで、まだ時間がある。
調べてみよう─。
※※※
「な、何で、急にそんな事を言うんだ?」
「だってあなた、妹と浮気してるでしょ?私をその男に嫁がせ、その間に妹と結ばれるつもりね。必ず迎えに行くなんて、よくもそんな嘘を。」
「う、嘘だなんて…何でそう言い切れる!」
「…さすがに、5回目となればね。」
「…5回目?」
「あなたを愛してるからあなたを信じ言う通りにしてきたけど、もうやめるわ。私は生きることを選んだの。あなたみたいなクズ男と妹の為に殺されるなんて、まっぴらごめんよ。ループ能力も婚約者も妹も、もう私には要りません─。」
※※※
私はあれから、婚約者と妹を訴えた。
高額な慰謝料を払う事になった彼はそのまま破産し、今では物乞いをして何とか日々を生きているそうだ。
妹は勘当され、家を追い出された。
調べてみると、あの子は私の婚約者の他にも何人もの男に手を出している事が分かった。
私が訴えた事で他の女からも訴えられる事になり、もうこの家には置いておけないという判断だった。
そして行く当てもない妹は悪い男にあっさり騙され、娼館へと売られて行った。
私はというと、新しい恋人ができてもうすぐ婚約する予定だ。
「あの時は、私に協力してくれてありがとう。」
「何だい、改まって?」
「あなたのおかげで、あの男と妹の関係が分かったんだもの。」
「君が好きだったから、放っておけなかったんだ。」
「…私が生きてるのは、あなたのおかげよ。私、生きることを選んで良かった─。」
人生5回目にして、ようやく私は死を回避し悲惨なループを終わらせる事ができた。
これからは精一杯生きて、彼と2人幸せになろうと思います─。
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