勇者のおまけで召喚された俺、紙切れ1枚で異世界を生き抜け!

coco

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9 どなたでも、歓迎します。

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「カノン、これも食べて。体は疲れてないか?」

「大丈夫ですよ。こうしてお昼ご飯も食べて、元気いっぱいです。」

 ユーリの家から帰って来て、ちょうどお昼ご飯の時間を迎えた俺たちは、そのまま昼休憩に入った。

 こういう時、住居兼職場は有難い。

「召喚術を使うと、やっぱり体に負荷がかかるのか?」

「その魔法使いの持つ魔力や、体調によりますね。確かに召喚術を1日に何度も使えば、それなりに魔力と体力を消耗しょうもうします。でも、私は幸い高い魔力を持っていますし、何よりこの紙のおかげです。この紙は、女神の神。この紙自体に女神の加護があるので、私はすぐに回復することができました。」

 そうなのか…。
 改めて思うが、すごいな女神の力って。

「…でも、ちゃんと休憩きゅうけいは取った方がいいな。10時と15時は、一緒にお茶でも飲んで休憩しよう。今日の15時の休憩は、ハーブティーを淹れるよ。」

「はい!」

 いくらカノンが高い魔力を持ってても、女神の力で回復しても、それはそれ。
 労働環境は、大事。
 俺は、カノンを大切にしたい。

※※※

「このハーブティー、とても美味しいです。社長は紅茶を淹れるのが、お上手ですね。」

「まぁ、紅茶にはちょっとこだわりがあって。でも、日本茶も美味しいんだけどね。」

「二、二ホン、茶?」

「あ…俺の居た世界の、俺が生まれ育った国で採れるお茶なんだけど。もう、飲めないか…。」

「社長…。」

 しまった、しんみりした空気になってしまった。

 その時だった。

 カリ、カリ…。
 カリ、カリ…。
 
 な、何だろう、この音。
 何か、変な音が…。

 カリ、カリ…。
 カリ、カリ…。

「カノン、変な音聞こえないか?」

「はい。なんでしょう、この音。…扉の外から、聞こえませんか?」

 俺とカノンは扉に近づき、そ~っと扉を開けた。

「ニャア。」

 ね、猫!?

 見ると扉の前には、黒い毛並みの猫がちょこんと座っていた。

「お前、どこの子だ?もしかして、迷子になったのか?」

 俺はしゃがみ込むと、その子をそっと抱き上げた。

「ニャア。ニャアオ。」

「う~ん。聞いておいて悪いが、何言ってるのか全く分からん。」

「社長、この子の首にプレートが。」

「ホントだ。じゃあこの子は飼い猫なんだな。何々…。」

 マドレード家?
 アンブラ…。

「アンブラ、お前の名前か?」

「ニャン!」

「みたいですね。マドレード家と言ったら、アルタの町にある豪商ごうしょうですよ。わざわざこの隣町まで、やって来たんですね。」

 よく見ると、その黒猫の足は泥で汚れ、ボロボロだった。

「次のお客様が、まさか黒猫とは。アンブラ、我が召喚屋しょうかんやへようこそ。まずは、ゆっくり休むんだ。」

「ニャ~。」

 2人目のお客様は、人間ではなく黒猫だった。
 驚いたけど、大丈夫。
 当店は、どなたでも歓迎かんげいします。
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