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欲に目が眩み、私の婚約話をかすめ取ろうとした妹ですが…待って居たのは破滅でした─。
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「お姉様、近く婚約するって本当!?」
「…彼の家に、今度お邪魔する事にはなってるけれど─。」
「ねぇ…その人って、お金持ちなんでしょう?そんな人と結婚したら、一生遊んで暮らせるわね!」
妹は、欲望に満ちた目で私を見て来た。
「私は、別にお金の事は─」
「…何よ、いい子ぶって。お姉様も、正直にお金が欲しいって言えばいいのに!」
妹は面白くなさそうな顔をして、部屋を出て行った。
確かに、この家にはお金が必要だけれど…でも私はそれ以上に、あのお相手が─。
※※※
お姉様ったら、全然乗り気じゃないのね。
そんなんだったら、私が代わりに婚約したいくらいよ!
ん…代わりに?
そうか…そうすればいいんだ!
私とお姉様は双子で顔がそっくりで、髪型や服装もよく似てる。
お姉様の振りをして、内緒でそのお相手に会いに行って…そして私が先に、彼と既成事実を作ってしまえばいいのよ!
だって一度関係を持ってしまえば、そう簡単にその相手を突き放せはしないでしょう?
お姉様はあんな強がりを言ってたけど、私がいざ裕福な暮らしをする事になったら、きっと泣いて羨ましがるわ。
フフフ…いい気味よ!
そして私は、すぐに相手の家に向かった─。
「おや…君と会うのはもう少し先だったはずだが─」
「あなたに早くお会いしたくて…気持ちを抑えきれず、こうして急ぎ伺った次第です。」
「…そうか。しかしよく決心し、俺の元へ来てくれたね。」
始めて見る彼は、中々の美青年だった。
何よりこの大きなお屋敷!
部屋の中も豪華な調度品ばかりだし…これは、思ってた以上の金持ちね。
「私…あなたみたいな美形のお金持ちは大好きなの。今すぐにでも、あなたのものになりたいわ…。」
私は彼にしなだれかかると、甘えた声でそう言った。
「じゃあ、すぐにでも君の望みを叶えよう。」
そして私は彼に腕を引かれ…ある場所へと連れて行かれた─。
…え?
ここはまさか…!
「今日から、ここが君の部屋だ。」
「な、何で地下牢なのよ…!こんな暗くて狭い場所が部屋だなんて、絶対に嫌よ!このお屋敷に、部屋は他にいくらでもあるでしょう?」
「…君は、それを納得して来たんだろう?君の家の借金を肩代わりする代わりに、君が俺の婚約者…いずれは妻となり、この地下牢で一生魔力を注ぎ続ける役目を負うと─。」
「何よそれ…どういう事よ!?」
「俺の家がこうして栄えているのは、この地下牢に描かれた魔法陣に魔力が注がれているからだ。この前までその役目をしていた使用人が魔力切れで死に…代わりの者を探して居たんだ。」
彼には、この屋敷にはそんな恐ろしい秘密が─!?
「あの…実は私、お姉様じゃないの。だから何も知らないかったの。もう帰らせてよ!」
「…俺を騙したのか?もはや、魔力があるなら姉でも妹でもどちらでも構わない!ここまで来てこの秘密を知ったからには、もう帰しはしない!」
「お、お姉様…誰か、助けて─!」
※※※
あの子が家を飛び出し姿を消してから、借金が全て消えて無くなった。
そしてそれを知った私は、あの子が彼のものになったのだと理解した。
この話、私は断るつもりで居たのよ?
なのに、あなたが勝手にあの人の所へ行ってしまうから…。
金に目が眩み、私を出し抜こうとするから、いけないのよ。
でも…まぁいいか。
だってこの家の借金は、全てあの子が作ったものだったし─。
派手好きで気に入った男に金を貢ぎ、おまけにある令嬢を虐め慰謝料まで請求され、この家の財産はひっ迫する事となったけれど…自分が使い込んだお金は、自分の働きで埋めて貰わないとね。
この家の借金と、その原因となったあの子に、一生悩まされ生きて行かなければならないのかと悩んでいたけれど…私は、これで自由になれたわ。
そして、以前から付き合っていた彼とも別れなくて済んだ。
借金とあの婚約話で、愛する彼との仲を諦めなければいけないと思っていたけど…そのどちらも片付いた今、私は安心して彼の元へ嫁ぐ事が出来るわ─!
「…彼の家に、今度お邪魔する事にはなってるけれど─。」
「ねぇ…その人って、お金持ちなんでしょう?そんな人と結婚したら、一生遊んで暮らせるわね!」
妹は、欲望に満ちた目で私を見て来た。
「私は、別にお金の事は─」
「…何よ、いい子ぶって。お姉様も、正直にお金が欲しいって言えばいいのに!」
妹は面白くなさそうな顔をして、部屋を出て行った。
確かに、この家にはお金が必要だけれど…でも私はそれ以上に、あのお相手が─。
※※※
お姉様ったら、全然乗り気じゃないのね。
そんなんだったら、私が代わりに婚約したいくらいよ!
ん…代わりに?
そうか…そうすればいいんだ!
私とお姉様は双子で顔がそっくりで、髪型や服装もよく似てる。
お姉様の振りをして、内緒でそのお相手に会いに行って…そして私が先に、彼と既成事実を作ってしまえばいいのよ!
だって一度関係を持ってしまえば、そう簡単にその相手を突き放せはしないでしょう?
お姉様はあんな強がりを言ってたけど、私がいざ裕福な暮らしをする事になったら、きっと泣いて羨ましがるわ。
フフフ…いい気味よ!
そして私は、すぐに相手の家に向かった─。
「おや…君と会うのはもう少し先だったはずだが─」
「あなたに早くお会いしたくて…気持ちを抑えきれず、こうして急ぎ伺った次第です。」
「…そうか。しかしよく決心し、俺の元へ来てくれたね。」
始めて見る彼は、中々の美青年だった。
何よりこの大きなお屋敷!
部屋の中も豪華な調度品ばかりだし…これは、思ってた以上の金持ちね。
「私…あなたみたいな美形のお金持ちは大好きなの。今すぐにでも、あなたのものになりたいわ…。」
私は彼にしなだれかかると、甘えた声でそう言った。
「じゃあ、すぐにでも君の望みを叶えよう。」
そして私は彼に腕を引かれ…ある場所へと連れて行かれた─。
…え?
ここはまさか…!
「今日から、ここが君の部屋だ。」
「な、何で地下牢なのよ…!こんな暗くて狭い場所が部屋だなんて、絶対に嫌よ!このお屋敷に、部屋は他にいくらでもあるでしょう?」
「…君は、それを納得して来たんだろう?君の家の借金を肩代わりする代わりに、君が俺の婚約者…いずれは妻となり、この地下牢で一生魔力を注ぎ続ける役目を負うと─。」
「何よそれ…どういう事よ!?」
「俺の家がこうして栄えているのは、この地下牢に描かれた魔法陣に魔力が注がれているからだ。この前までその役目をしていた使用人が魔力切れで死に…代わりの者を探して居たんだ。」
彼には、この屋敷にはそんな恐ろしい秘密が─!?
「あの…実は私、お姉様じゃないの。だから何も知らないかったの。もう帰らせてよ!」
「…俺を騙したのか?もはや、魔力があるなら姉でも妹でもどちらでも構わない!ここまで来てこの秘密を知ったからには、もう帰しはしない!」
「お、お姉様…誰か、助けて─!」
※※※
あの子が家を飛び出し姿を消してから、借金が全て消えて無くなった。
そしてそれを知った私は、あの子が彼のものになったのだと理解した。
この話、私は断るつもりで居たのよ?
なのに、あなたが勝手にあの人の所へ行ってしまうから…。
金に目が眩み、私を出し抜こうとするから、いけないのよ。
でも…まぁいいか。
だってこの家の借金は、全てあの子が作ったものだったし─。
派手好きで気に入った男に金を貢ぎ、おまけにある令嬢を虐め慰謝料まで請求され、この家の財産はひっ迫する事となったけれど…自分が使い込んだお金は、自分の働きで埋めて貰わないとね。
この家の借金と、その原因となったあの子に、一生悩まされ生きて行かなければならないのかと悩んでいたけれど…私は、これで自由になれたわ。
そして、以前から付き合っていた彼とも別れなくて済んだ。
借金とあの婚約話で、愛する彼との仲を諦めなければいけないと思っていたけど…そのどちらも片付いた今、私は安心して彼の元へ嫁ぐ事が出来るわ─!
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