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私の婚約者を寝取った妹は、粗大ゴミになって嫁ぎます。<前>

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「いいから、入れ!」

 …何を、バタバタやっているのよ。

 妹の部屋に入った私が目にしたのは、妹のベットの上であせって服を着ている婚約者こんやくしゃ姿すがただった。

「何、やってるの…あの子は?」

「し、知らない…さっき、そこから、出てった。」

 まどから、にわに、裸足はだしで…?

「ふ~ん…まぁ、いいわ。ちょっと手伝って欲しいことがあるから、さっさと服着てくれる?」

 彼は青い顔で、うなずいた。

 私はベットのわきにあるソレを一瞥いちべつし、妹の部屋を出た─。

※※※

「これで、よしっと…。明日、粗大そだいゴミの日だから、今日中に庭に出しておきたいの。妹の部屋からは…コレ、持って行って。」

「コレ!?いや、コレは…。それに、お前、そんなことしたら!」

「早くして、日がれちゃうから。それとも、何か問題でもある?」

「あ、ああ…。」

 彼はソレを引きずり、庭へ出て行った。

 そして戻って来た彼に、私はこうげた。

「あなた、自分が何をしたか分かってるわよね?うったえられたくなけば、もう私にかかわらないで。それから…もうこの家には、近づかないで。」

「…分かったよ。たのむから、訴えないでくれ。…それじゃあ。」
 
 この男は、小心者しょうしんものだ。
 きっと、私の言葉通りにするだろう。

 問題は妹だけど…今夜にでも、あいつが片づけてくれるわ─。

※※※

 あの子の部屋は、真っ暗だ。

 まだ帰って来ていないのか、早めに眠ってしまったのか…。

 アレは、なんだろう?
 いつもはあんな物、置いてないのに…。

 俺は足音をしのばせ、そっとそれに近づいた。

 手にした小型こがたライトで、それをらす。

「このゴミ、自由じゆうにお持ち下さい」

 彼女の家の庭に置いてあった、スーツケース。
 それには、そんながみがしてあった。

 このスーツケース、あの子が愛用あいようしてる物だ!

 5年前のイタリア旅行、3年前の北海道旅行、この前の沖縄旅行…いつも彼女と一緒だった。

 何だか、彼女のにおいがみついてるみたいだ。
 いい匂いが、この中からしてくる…。

 俺はそれを手にし、車へとはこんだ─。
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