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欲に目が眩んだ婚約者は私を捨て、伝説の聖女様を選びましたが…それは大きな間違いです。
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「彼女は異世界から来たらしい。このまま放り出すのは可哀そうだから、これからは俺の妹ととしてこの家に住む事になった。」
ある日突然、異世界から来た女が、婚約者の義理の妹になった。
「あなたと彼…いえ、お兄様は、まだ婚約して間もないんですって?」
「えぇ。」
「いいわね…あんな方と婚約する事が出来て。」
そう言って、彼をじっと見つめる彼女。
何か、嫌な予感がするわ─。
※※※
「…お前と、婚約破棄したい。」
「ど、どうしてです!?」
「それは、彼女が伝説の聖女だからだ。」
「あの子が…?」
伝説の聖女…それはこの地に伝わる古い言い伝えだ。
「異世界より娘が現れた時…天の神は祝福し皆に加護を授けるだろう。そう、古い書物にあった。そんな者を妹にしておくより、婚約者に…そしていずれは妻にした方が良いと思ってな。そしたら、俺とこの家はもっと幸せに…もっと繁栄するはずだ!」
彼の目は…今までに見た事がない、欲に満ちた恐ろしい目をしていた。
「ですが…あの子はこの世界に来てから怠けてばかり、あなたの庇護の下で遊んでばかりです。そんな者が、伝説の聖女だなんて─」
「お前、そんな事を思っていたのか…。やはり、彼女の言う通りだったな。」
「え…?」
「彼女に相談されていたんだ。まだこの世界に慣れない自分を、お前が悪く言って来ると。」
「そんな事は─」
「言い訳など聞きたくない!俺には伝説の聖女が居るから、お前は必要ない。この家からも出て行け!」
私の話は、何も聞いてくれないのね…。
もう、どうなっても知らないわ─。
※※※
この世界に来て、私は一目で彼を好きになった。
でも…既に彼には、あの女が─。
聖女だか何だか知らないけど、邪魔なのよ─!
そんな時、私は彼に、君は伝説の聖女なのかと聞かれた。
正直意味が分からなかったけど…期待に満ちた目で私を見る彼に、私は思わずそうだと答えた。
すると彼は、私の事をとても大事にしてくれるように─。
私はもう一押しとばかりに、あの女が私を虐めると嘘をついてやった。
そしてこれが決め手となり、あの女は婚約破棄された上に、家からも追い出されたのだ。
でも…彼が期待してくれるのは嬉しけど、加護ってどうやってつけるのかしら?
あの女は、神の声を聞いてたらしいけど、私には何も聞こえないし…。
今は何とか誤魔化せてるけど、それも時間の問題ね─。
すると何日か経った頃、彼が慌てて家に帰って来た。
「た、大変だ!王の居る城に神が降り立ち、王やそこに居た者たちに加護を与えたそうだ!そしてそこには、伝説の聖女が居ると─!」
※※※
城には国の民が大勢集まって、まるでお祭り騒ぎだった。
「伝説の聖女は、この彼女だ!ここを通せ!おい、神はどこだ?俺にも加護を授けろ!」
「─もう遅いです、神はお帰りになりましたよ?」
「お前…何でお城に、王の隣に居るんだ!?」
「それは…私が本物の、伝説の巫女だからです。」
「何!?」
「あなたは…本当の伝説を知らないのよ。」
異世界より娘が現れた時…その者によって、この地は悪い方へと変わる。
すると伝説の聖女が目覚め…天の神は祝福し、皆に加護を授けるだろう─。
「あなたが読んだ書物は、あちこち虫喰いがあって…所々文字が抜け落ちていたのよ。でも、伝説の聖女として目覚めた私は、全てが分かっていた。だから、あなたにそれを教えようとしたのに…あなたは、何も聞いてくれないんだもの。」
「そ、そんな…。」
「じゃ、じゃあ私は何なのよ!これじゃあ、ただの悪女じゃないの!」
「そうよ。あなたはこの地にもこの世界にも不要な者。なのに…何かの間違いでやって来てしまった。あなた…元居た世界でも、気に入らない女を虐めたり…随分悪事を働いていたみたいね。そんなあなたの存在を、神は許していない。今すぐ、この世界から消してしまいたい程にね─。」
「この娘は、悪の化身といったところか…。おい、この娘と男を捕えよ!せっかく皆が加護を授かりこの城は神聖な場と化したのに、それを穢そうとする罪深き者たちだ!」
「ど、どうかお許しを!」
「嫌…こんな目に遭うなら、元の世界に返して─!」
※※※
その後二人は、伝説の聖女である私にした仕打ちとお城での振る舞いが原因で、処刑が決まった。
普通の聖女だと追い出した女が、伝説の聖女だったなんて…彼にとっては、さぞや大きな誤算だった事でしょう。
「加護を授かる事が出来た者は皆幸せになり、この国もますます発展するだろう。俺も幸せだ…どうかこのまま、俺の妃になって欲しい。」
「はい、喜んで─!」
本当に、このお城に来て良かった。
『城に行けば、お前と王、そして皆は幸せを手にする事が出来る。そしてあの女と男には、厳しい罰が与えられるだろう。』
まさに、ご神託の通りになったわね──。
ある日突然、異世界から来た女が、婚約者の義理の妹になった。
「あなたと彼…いえ、お兄様は、まだ婚約して間もないんですって?」
「えぇ。」
「いいわね…あんな方と婚約する事が出来て。」
そう言って、彼をじっと見つめる彼女。
何か、嫌な予感がするわ─。
※※※
「…お前と、婚約破棄したい。」
「ど、どうしてです!?」
「それは、彼女が伝説の聖女だからだ。」
「あの子が…?」
伝説の聖女…それはこの地に伝わる古い言い伝えだ。
「異世界より娘が現れた時…天の神は祝福し皆に加護を授けるだろう。そう、古い書物にあった。そんな者を妹にしておくより、婚約者に…そしていずれは妻にした方が良いと思ってな。そしたら、俺とこの家はもっと幸せに…もっと繁栄するはずだ!」
彼の目は…今までに見た事がない、欲に満ちた恐ろしい目をしていた。
「ですが…あの子はこの世界に来てから怠けてばかり、あなたの庇護の下で遊んでばかりです。そんな者が、伝説の聖女だなんて─」
「お前、そんな事を思っていたのか…。やはり、彼女の言う通りだったな。」
「え…?」
「彼女に相談されていたんだ。まだこの世界に慣れない自分を、お前が悪く言って来ると。」
「そんな事は─」
「言い訳など聞きたくない!俺には伝説の聖女が居るから、お前は必要ない。この家からも出て行け!」
私の話は、何も聞いてくれないのね…。
もう、どうなっても知らないわ─。
※※※
この世界に来て、私は一目で彼を好きになった。
でも…既に彼には、あの女が─。
聖女だか何だか知らないけど、邪魔なのよ─!
そんな時、私は彼に、君は伝説の聖女なのかと聞かれた。
正直意味が分からなかったけど…期待に満ちた目で私を見る彼に、私は思わずそうだと答えた。
すると彼は、私の事をとても大事にしてくれるように─。
私はもう一押しとばかりに、あの女が私を虐めると嘘をついてやった。
そしてこれが決め手となり、あの女は婚約破棄された上に、家からも追い出されたのだ。
でも…彼が期待してくれるのは嬉しけど、加護ってどうやってつけるのかしら?
あの女は、神の声を聞いてたらしいけど、私には何も聞こえないし…。
今は何とか誤魔化せてるけど、それも時間の問題ね─。
すると何日か経った頃、彼が慌てて家に帰って来た。
「た、大変だ!王の居る城に神が降り立ち、王やそこに居た者たちに加護を与えたそうだ!そしてそこには、伝説の聖女が居ると─!」
※※※
城には国の民が大勢集まって、まるでお祭り騒ぎだった。
「伝説の聖女は、この彼女だ!ここを通せ!おい、神はどこだ?俺にも加護を授けろ!」
「─もう遅いです、神はお帰りになりましたよ?」
「お前…何でお城に、王の隣に居るんだ!?」
「それは…私が本物の、伝説の巫女だからです。」
「何!?」
「あなたは…本当の伝説を知らないのよ。」
異世界より娘が現れた時…その者によって、この地は悪い方へと変わる。
すると伝説の聖女が目覚め…天の神は祝福し、皆に加護を授けるだろう─。
「あなたが読んだ書物は、あちこち虫喰いがあって…所々文字が抜け落ちていたのよ。でも、伝説の聖女として目覚めた私は、全てが分かっていた。だから、あなたにそれを教えようとしたのに…あなたは、何も聞いてくれないんだもの。」
「そ、そんな…。」
「じゃ、じゃあ私は何なのよ!これじゃあ、ただの悪女じゃないの!」
「そうよ。あなたはこの地にもこの世界にも不要な者。なのに…何かの間違いでやって来てしまった。あなた…元居た世界でも、気に入らない女を虐めたり…随分悪事を働いていたみたいね。そんなあなたの存在を、神は許していない。今すぐ、この世界から消してしまいたい程にね─。」
「この娘は、悪の化身といったところか…。おい、この娘と男を捕えよ!せっかく皆が加護を授かりこの城は神聖な場と化したのに、それを穢そうとする罪深き者たちだ!」
「ど、どうかお許しを!」
「嫌…こんな目に遭うなら、元の世界に返して─!」
※※※
その後二人は、伝説の聖女である私にした仕打ちとお城での振る舞いが原因で、処刑が決まった。
普通の聖女だと追い出した女が、伝説の聖女だったなんて…彼にとっては、さぞや大きな誤算だった事でしょう。
「加護を授かる事が出来た者は皆幸せになり、この国もますます発展するだろう。俺も幸せだ…どうかこのまま、俺の妃になって欲しい。」
「はい、喜んで─!」
本当に、このお城に来て良かった。
『城に行けば、お前と王、そして皆は幸せを手にする事が出来る。そしてあの女と男には、厳しい罰が与えられるだろう。』
まさに、ご神託の通りになったわね──。
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