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15.魔骨
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「どうやら、魔物もその魔骨に興味を覚えたらしいんだ。各地で材料が魔骨だと言われている魔法道具や装飾品が、魔物によって奪われるという事件が起きている。どういう方法で魔骨を探しているかは、わかっていないらしいけれどね」
魔骨と言っても、魔法使いでさえその気配は感じ取れない。余程敏感な者か、魔性くらいのものだろうと言われる。
弱い魔物では感じ取れるだけの力がないので、それらを束ねる魔性が指示して集めさせているのではないか、という噂もあるようだ。
「で、フローゼのペンダントが、それじゃないかなって。その色、骨に見えなくもないだろ。で、魔物がフローゼを……と言うより、そのペンダントを狙ったと思えば、つじつまも合うんじゃない?」
「これが……竜の骨?」
自分の首にかけられたペンダントトップを手に取り、フローゼは呆然と見詰める。
白い玉、と言っても、真っ白ではない。生成りのような白だ。これが骨であり、長い時間が流れれば、こんな色にもなるだろう。
年季の入った物だとは思っていたが、ディラルトが話した魔骨なら、気が遠くなるような年月をすごしてきた代物、ということになる。
「わしには、何も感じられないが」
感じ取っていれば、娘のライカがレンデルから託された時点で調べている。しかし、単なるペンダントだと思い、ネイロスは何もしなかった。
「ぼくも……。ライカに渡されて手にしたけれど、まるでわからなかった。じゃあ、まだフローゼに渡さずにいたら、ぼくの部屋を狙ってこの家そのものが襲われていたかも知れないってことか」
「単純に考えれば、そうなるかな」
今まで何もなかったのは、魔物が他の場所にある魔骨を狙っていたから。で、次にフローゼの番が来たのだ。
「ディラルトはどうなんだ? 俺達より魔法の腕が上なら、そういうのも感じられるってことか?」
たかだか五、六年の経験しかないアートレイドには、フローゼのペンダントが特殊なものだと言われても、全然それらしい気配は感じられない。
獣なら気配に敏感になりそうなものだが、何も言わないところを見るとシェイナにもわからないようだ。姿だけが獣では意味がない、ということか。
尋ねられたディラルトは、小さくうなずく。
「ああ。さっきまではわからなかったけれど、フローゼが服の下から出してくれたおかげで、弱い波動みたいなものを感じられるようになった。オレはこれまでいくつか見て来たけれど、大きさや部位によっても力の強さは違うんだ。ただ、波動が弱いと言っても、術者の力を五倍十倍にする力は十分にある」
強い魔法使いは、気配を感じ取る力も強い、ということらしい。たとえ弱い力であっても、ディラルトが感じるのであれば、フローゼの持つ物は魔骨でできている、ということになる。
「魔性がどういう方法であれ、魔骨がフローゼの手にあることを知った。だから、手下の魔物を使って奪おうとしている。他に思い当たる件がないなら、これが一番強い動機になりえるんじゃないかな」
「む……」
どう考えても、魔物に襲われる理由が見当たらない。ディラルトにこれではないかと言われれば、ネイロス達も「そうではない」と強く言い切れるだけの根拠がなかった。
竜の骨については、どこまで信憑性があるかわからない。しかし、頭から否定するだけの証拠もないのだ。
それは、ディラルトに対しても同じ。
彼がフローゼのペンダントを目当てにこんな話をでっち上げていたとしても、その嘘を見抜くだけの根拠がこちらにはなかった。
もっとも、彼がこんな小さなペンダントのために、作り話をするとも思えない。
明らかに高価な宝石ならともかく、こんな……形見の品に失礼だが「きれい」とはちょっと言いにくいものをほしがるだろうか、と。
「私、どうしたらいいの。これが魔骨でも何でも構わないけど、魔骨の力なんていらないわ。このペンダントは大切な物だし、魔物に取られたくない」
顔も覚えていない両親。その人達とフローゼを結ぶ、唯一の物だ。
本当に魔骨なら、術者の力を増幅させて強い魔法を使えるようだが、フローゼはそんなことを望んではいない。
「そうだろうね。だけど、昨日のような魔物に、話が通じるとは思えないし……」
ここにいる魔法使い達は、魔物にとって単なる邪魔者でしかない。邪魔者は排除するだけ。とても話を聞くような相手には思えなかった。
「二度来たということは、フローゼが魔骨を持っている、と断定している。そう考えていいだろう。次に来た時にまた追い返せたとしても、それがきみの手元にある限り、魔物は何度でも来るだろうね」
「またあんなのが……」
昨日や一昨日は、何とかけが人を出さずに済んだ。
しかし、回数を繰り返すうちに魔物の数が増えたりしたら。さらに強い魔物が現れたら。
実際、昨日は一昨日よりも強い魔物が、一気に数を増やして現れた。
いくらディラルトの力が強いと言っても、彼にだって限界はあるだろう。彼を含め、ここにいる全員に最悪なことだって起こりうる。
「魔骨を持っていたら、誰でも魔力が増幅するんだろ。黒幕の魔性が魔骨を集めて平和的に活用するとは絶対思えないし、渡したら人間の世界がめちゃくちゃにされるんじゃないのか?」
アートレイドは形見らしい物はないが、かろうじて両親の顔を覚えている。それで十分だと思っていた。
しかし、フローゼはその記憶すらないのだ。そんな彼女にとって大切な、両親の形見が魔物に取られていいはずがない。
まして、それが悪いことに使われるのなら、なおさらだ。
「ああ、可能性は否定できないよ。ここまで話してしまったから言うけれど、オレの探している物は、魔骨でできた物。ある筋から依頼されていてね」
「ええっ? まさか、ディラルトが黒幕の魔性なのっ」
フローゼの的外れな言葉に、ディラルトは苦笑するしかなかった。
「そうきたか。オレ、魔性に見えたりするのかな……」
「フローゼ、それはありえないよ」
アートレイドが否定する。
「うん。彼が魔性なら、ぼく達にわからないはずがない。気配がまるで違うからね。もしディラルトがそうで、気配を隠しているだけなら、とても太刀打ちできる相手じゃないよ」
ユーリオンにも言われ、一度は引いてしまったフローゼも謝った。
「ごめんなさい。そうよね。魔骨を集めている魔性なら、私がペンダントを出した時点ですぐに奪えば済む話だわ。魔物をけしかけて自分で消すなんて回りくどいこと、魔性がしないわよね」
強奪役の魔物は、一度失敗している。だから、彼自身が家に入り込み、魔骨を確実に見付け出すためにこんな方法を取った……と言えなくはない。
だが、目的の物がこうして目の前に現れたのだから、ここでディラルトが遠慮する必要はなくなる。
あれこれと昔の竜や魔骨の話などしていないでフローゼからペンダントを奪い、さっさと去ればいいだけだ。
ここにいる魔法使いの力量では彼に手も足も出ないとわかっているのだから、奪って立ち去るのは簡単なはず。
とにかく、ディラルトが自分の事情を話したことで、魔骨の話は一気に信憑性を増した。
「魔骨を狙っている、と言われれば、確かにそこを否定はできないよ。現に、探し回っているんだからね」
「だけど、ディラルトは魔骨の力を利用しようと思ってる訳じゃないだろ?」
「ああ。オレの目的はさっき話した、噂話の中に登場する竜と同じ。手にした者が間違えて、もしくは意図的に、魔骨の力を利用して、街や国を滅ぼされたりしないようにするためだ。意図的に、というのは質が悪いし、もちろん許されることじゃない。だけど、そんなつもりはなかったのに、間違った魔法を使ったら街が吹っ飛びました、という状況もあってはならないことだ。多くの人の命が奪われるし、街そのものや暮らしが消えてしまうことだから」
全てをさらけ出すことはできないが、ディラルトは魔骨の力を弱める方法を知っていると言う。これまでも、その方法で力を弱めたり消したりして来たのだ、と。
「……どうして、ディラルトにその依頼が来たんだ?」
「若くて力のある奴ってことでね。色々しがらみもあって、断れないもので」
魔物を一気に消した場面を目の前で見ているので、彼の力を知っている。やはり、相当の実力者ということなのだろう。
「ディラルトが力を弱めたり消したりできるなら、フローゼのペンダントも今ここでそうすれば済む話じゃないのか?」
魔物、もしくは魔物を操っている魔性は、魔骨の「力」を欲している。
だったら、その力を消してしまえば、フローゼのペンダントを狙う理由はなくなるはずだ。
「そうしたいんだけどね。今回の場合、魔物に目を付けられているだろ。奴らはこれが魔骨かどうかなんて、わかっていない。恐らく、黒幕からどこそこにあるこれを奪って来い、と命令されて動いているだけなんだ。つまり、黒幕がこのペンダントは力がないからもういい、と言ってくれない限り、魔物は命令を遂行するために何度でもここへ来る」
魔骨と言っても、魔法使いでさえその気配は感じ取れない。余程敏感な者か、魔性くらいのものだろうと言われる。
弱い魔物では感じ取れるだけの力がないので、それらを束ねる魔性が指示して集めさせているのではないか、という噂もあるようだ。
「で、フローゼのペンダントが、それじゃないかなって。その色、骨に見えなくもないだろ。で、魔物がフローゼを……と言うより、そのペンダントを狙ったと思えば、つじつまも合うんじゃない?」
「これが……竜の骨?」
自分の首にかけられたペンダントトップを手に取り、フローゼは呆然と見詰める。
白い玉、と言っても、真っ白ではない。生成りのような白だ。これが骨であり、長い時間が流れれば、こんな色にもなるだろう。
年季の入った物だとは思っていたが、ディラルトが話した魔骨なら、気が遠くなるような年月をすごしてきた代物、ということになる。
「わしには、何も感じられないが」
感じ取っていれば、娘のライカがレンデルから託された時点で調べている。しかし、単なるペンダントだと思い、ネイロスは何もしなかった。
「ぼくも……。ライカに渡されて手にしたけれど、まるでわからなかった。じゃあ、まだフローゼに渡さずにいたら、ぼくの部屋を狙ってこの家そのものが襲われていたかも知れないってことか」
「単純に考えれば、そうなるかな」
今まで何もなかったのは、魔物が他の場所にある魔骨を狙っていたから。で、次にフローゼの番が来たのだ。
「ディラルトはどうなんだ? 俺達より魔法の腕が上なら、そういうのも感じられるってことか?」
たかだか五、六年の経験しかないアートレイドには、フローゼのペンダントが特殊なものだと言われても、全然それらしい気配は感じられない。
獣なら気配に敏感になりそうなものだが、何も言わないところを見るとシェイナにもわからないようだ。姿だけが獣では意味がない、ということか。
尋ねられたディラルトは、小さくうなずく。
「ああ。さっきまではわからなかったけれど、フローゼが服の下から出してくれたおかげで、弱い波動みたいなものを感じられるようになった。オレはこれまでいくつか見て来たけれど、大きさや部位によっても力の強さは違うんだ。ただ、波動が弱いと言っても、術者の力を五倍十倍にする力は十分にある」
強い魔法使いは、気配を感じ取る力も強い、ということらしい。たとえ弱い力であっても、ディラルトが感じるのであれば、フローゼの持つ物は魔骨でできている、ということになる。
「魔性がどういう方法であれ、魔骨がフローゼの手にあることを知った。だから、手下の魔物を使って奪おうとしている。他に思い当たる件がないなら、これが一番強い動機になりえるんじゃないかな」
「む……」
どう考えても、魔物に襲われる理由が見当たらない。ディラルトにこれではないかと言われれば、ネイロス達も「そうではない」と強く言い切れるだけの根拠がなかった。
竜の骨については、どこまで信憑性があるかわからない。しかし、頭から否定するだけの証拠もないのだ。
それは、ディラルトに対しても同じ。
彼がフローゼのペンダントを目当てにこんな話をでっち上げていたとしても、その嘘を見抜くだけの根拠がこちらにはなかった。
もっとも、彼がこんな小さなペンダントのために、作り話をするとも思えない。
明らかに高価な宝石ならともかく、こんな……形見の品に失礼だが「きれい」とはちょっと言いにくいものをほしがるだろうか、と。
「私、どうしたらいいの。これが魔骨でも何でも構わないけど、魔骨の力なんていらないわ。このペンダントは大切な物だし、魔物に取られたくない」
顔も覚えていない両親。その人達とフローゼを結ぶ、唯一の物だ。
本当に魔骨なら、術者の力を増幅させて強い魔法を使えるようだが、フローゼはそんなことを望んではいない。
「そうだろうね。だけど、昨日のような魔物に、話が通じるとは思えないし……」
ここにいる魔法使い達は、魔物にとって単なる邪魔者でしかない。邪魔者は排除するだけ。とても話を聞くような相手には思えなかった。
「二度来たということは、フローゼが魔骨を持っている、と断定している。そう考えていいだろう。次に来た時にまた追い返せたとしても、それがきみの手元にある限り、魔物は何度でも来るだろうね」
「またあんなのが……」
昨日や一昨日は、何とかけが人を出さずに済んだ。
しかし、回数を繰り返すうちに魔物の数が増えたりしたら。さらに強い魔物が現れたら。
実際、昨日は一昨日よりも強い魔物が、一気に数を増やして現れた。
いくらディラルトの力が強いと言っても、彼にだって限界はあるだろう。彼を含め、ここにいる全員に最悪なことだって起こりうる。
「魔骨を持っていたら、誰でも魔力が増幅するんだろ。黒幕の魔性が魔骨を集めて平和的に活用するとは絶対思えないし、渡したら人間の世界がめちゃくちゃにされるんじゃないのか?」
アートレイドは形見らしい物はないが、かろうじて両親の顔を覚えている。それで十分だと思っていた。
しかし、フローゼはその記憶すらないのだ。そんな彼女にとって大切な、両親の形見が魔物に取られていいはずがない。
まして、それが悪いことに使われるのなら、なおさらだ。
「ああ、可能性は否定できないよ。ここまで話してしまったから言うけれど、オレの探している物は、魔骨でできた物。ある筋から依頼されていてね」
「ええっ? まさか、ディラルトが黒幕の魔性なのっ」
フローゼの的外れな言葉に、ディラルトは苦笑するしかなかった。
「そうきたか。オレ、魔性に見えたりするのかな……」
「フローゼ、それはありえないよ」
アートレイドが否定する。
「うん。彼が魔性なら、ぼく達にわからないはずがない。気配がまるで違うからね。もしディラルトがそうで、気配を隠しているだけなら、とても太刀打ちできる相手じゃないよ」
ユーリオンにも言われ、一度は引いてしまったフローゼも謝った。
「ごめんなさい。そうよね。魔骨を集めている魔性なら、私がペンダントを出した時点ですぐに奪えば済む話だわ。魔物をけしかけて自分で消すなんて回りくどいこと、魔性がしないわよね」
強奪役の魔物は、一度失敗している。だから、彼自身が家に入り込み、魔骨を確実に見付け出すためにこんな方法を取った……と言えなくはない。
だが、目的の物がこうして目の前に現れたのだから、ここでディラルトが遠慮する必要はなくなる。
あれこれと昔の竜や魔骨の話などしていないでフローゼからペンダントを奪い、さっさと去ればいいだけだ。
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「だけど、ディラルトは魔骨の力を利用しようと思ってる訳じゃないだろ?」
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全てをさらけ出すことはできないが、ディラルトは魔骨の力を弱める方法を知っていると言う。これまでも、その方法で力を弱めたり消したりして来たのだ、と。
「……どうして、ディラルトにその依頼が来たんだ?」
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魔物を一気に消した場面を目の前で見ているので、彼の力を知っている。やはり、相当の実力者ということなのだろう。
「ディラルトが力を弱めたり消したりできるなら、フローゼのペンダントも今ここでそうすれば済む話じゃないのか?」
魔物、もしくは魔物を操っている魔性は、魔骨の「力」を欲している。
だったら、その力を消してしまえば、フローゼのペンダントを狙う理由はなくなるはずだ。
「そうしたいんだけどね。今回の場合、魔物に目を付けられているだろ。奴らはこれが魔骨かどうかなんて、わかっていない。恐らく、黒幕からどこそこにあるこれを奪って来い、と命令されて動いているだけなんだ。つまり、黒幕がこのペンダントは力がないからもういい、と言ってくれない限り、魔物は命令を遂行するために何度でもここへ来る」
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