裏妻

ハチママ

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裏妻

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ナオ「帰りが遅くなっちゃった…
夕飯は何にしようかなぁ」

♡私は食材を調達しようと
職場と自宅の間の駅にある
商店街を歩いていた

ナオ「あっそうだった…あの人は夜勤だった。
じゃあ、私だけだから惣菜を買って帰ろっと…」

♡私と夫と二人暮し
私もパートしてるし夫は夜勤も多い…すれ違い生活してる感じだ


ナオ「あら?!あれは田中さんの奥さんかな?」


♡同じ団地に住む、ご近所さんを見かけた

声をかけようとしたが、なにやら急ぎ足で商店街の外れの小道に入って行く

その様子がいつもの彼女とは違うので気になって彼女を追うように入って行った

ナオ「彼女…ここに入ったよね…」

♡そこには『裏妻』と書かれた看板が、のどかな商店街に相応しくない怪しげな色で輝いていた


【第一話  NTR倶楽部①】


♪カランカラン

♡恐る恐る扉を開ける

店員「こちらにどうぞ」

♡スーツをビシッと着こなした落ち着いた雰囲気の男性が奥に招いてくれた

店員「登録希望の方ですか?」
紅茶を差し出しながら彼は言う

ナオ「いいえ…ここに田中さんの奥さんが入って行ったので…」

店員「ああ、藤田さんの奥さんね」

ナオ「いいえ、田中さんですけど」

店員「これは失礼しました。彼女は、ここでは藤田を名乗ってます」

♡店員の男性の言葉に戸惑(とまど)っていると彼は穏やかな声で説明を始めた

店員「ここは『寝とり寝盗られ』を体験できる場所なんですよ。藤田さんは週2で働いてくれてます♪」

♡え?!何を言ってるの??寝取り寝盗られを体験??

店員「あはは、あからさまに軽蔑(けいべつ)の眼差ししましたね。
まあ無理もありまさせんよね。 
お金を出して、わざわざそんなことするんですからね」

♡顔に出すぐらいに嫌悪(けんお)してたのだなぁ…私は、感情や表情に出すことがあまりないのに

ナオ「あの…お店の名前が『裏妻』になってましたが働いてる人は皆さん人妻なんですか?」

店員「ええ、それが採用時の条件なので」

ナオ「でも、それじゃ旦那さんを裏切るかたちになりませんか?」

店員「最近マンネリじゃありませんか?」

ナオ「えっ?!何を急に…」

♡ドキッとした
最近は物足りなさを感じていたからだ

店員「ここにいる奥さん達は、女性として扱ってもらいたい!女性としてもう一度輝きたいって思ってるんです」

ナオ「それはわかりますが…わざわざ寝盗られる体験などしなくても…」

店員「藤田さんね、最近すっごく明るくなったんですよ。旦那さんとの営みも復活して女として潤ってるそうです」

ナオ「えっ?!」

♡私は…一瞬、羨ましいと思ってしまった
女として潤い、自信を取り戻したいと思ってしまった
それに気づいたのか店員の男性は

店員「そうですよ。彼女は、自信と優しさを取り戻したんです!素敵ですよね!!」

ナオ「…そうですね。自信を取り戻す…かぁ」

店員「どうです?一度体験してみませんか?なにも毎回カラダの関係を持たなくてもいいんです。お喋りするだけでいいと言う、お客様もいますし」

ナオ「えっ?!そうなんですか!?お喋りするだけなら…やってみてもいいかも…」

店員「今からご来店なさる山田さんの旦那さんなら、貴女にピッタリかもしれません。今から少し体験しませんか?」

ナオ「山田さんの旦那さん…?」

店員「あっすみません。ここでは、お客様のことも○○さんの旦那さんって呼ぶんです。なにせ寝取り寝盗られ倶楽部、通称NTR倶楽部ですから」

店員「もちろん、ここだけの名ですよ。貴女にも素敵な苗字をつけなくちゃ♪貴女は…そうだなぁ『坂本さん』でどうです?」

♡今日から私は金田さんから坂本さんの奥さんになった。ここでは

[完]










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