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第1章 異世界生活、開始!!!!
龍新のライフプラン!!
しおりを挟むそれから少し天照の“お話”があったが、しばらくすると“お話”は止まり、天照が大きく溜息を吐く。
すると周りの重くなっていた空気が一気に軽くなり、天照の表情も穏やかなものになる
《しかしお主に与えた役目はしっかり果たしている様だな!感心感心♪
それにしても立派な樹になったな~?見事な桜だの!これほどのものは妾が住んでいる高天原にもなかなかないぞ?》(^ー^)
(あ、やっぱりこの木に関してはお咎めは無しなんですね…というか、あの岩の上に置いてあった謎の種ってやっぱり天照様が?)
《ん?岩の上?…あーあれのことか!そうじゃ!お主が使うか分からんかったが妾が置いといたのじゃよ~。それに、予想以上の出来栄えに驚く事はあれど咎める事は出来んよ~》(*'▽'*)
(やっぱりそうでしたか…確信はなかったのですがこれでスッキリしました)
《………こんな大きなものになるとは思わんかったが…》(´=ω=。)ボソッ…
(え!?天照さま!?今なんて言いました!!?) ∑(゚Д゚)
Σ(=o=;)ギク!!
天照は、聞こえないくらいの小さな声でそう呟くが…色々な感覚器官が鋭くなっている龍新の身体はそんな小さな声でも聞き取ることが出来たのだ。
《し、仕方ないであろう!山神から貰ったものだったのだ!ま、まぁ確かに大きさの事か
何か言っていた気がするが…妾のせいではないわ!!》(≧ヘ≦) ムスー
(あ、開き直った…)
《う、うるさい!開き直ったかと思えば全力で体を酷使して、挙げ句の果てに倒れたお主に言われとうない!!》
(え!?その話まだ続いてるんですか!?)
ワー!ワー!キュー!キュー!
西空の雲が灰色とオレンジ色のまだら模様に染まっている。まだ明るさを残す上空とは対照的に、闇色に染まりつつある崖の下の大森林、そして巨大樹はオレンジ色の夕陽に照らされ、巨大な影がどこまでも伸びていくそんな中、微笑ましい兄弟喧嘩の様な親子喧嘩の様な言い合い、その声は夕陽の空に消えていった(一つはキュー!という可愛い声だが)
《ハァ…まあ良い…そろそろまた戻らなければな。》
そう天照は言うと龍新に背を向け、太陽の方へと二、三歩進むとすぐに止まり、何かを思い出したかの様に龍新に振り向く
《おっと!そうじゃ!聞きたい事と伝えることがあったのじゃった!》
この神様…少し抜けてるところがあるな…
そう思ってしまった龍新は誰からも責められないだろう。目の前の神様を除いて…
《ムッ………まぁ良い…。まずは聞きたい事なのだがな?お主に任せた役目の中に、魔素の循環を改善する事も含まれておってな。お主がこの巨大樹を育てたことによってそれは解決されたのだ。
だがお主は魔法を使う時、自身の魔力の多さのみで無理矢理発動させている、先ほども言ったがそうなるといつか体を壊し、最悪死ぬ事もあるだろう…
それはお主が一番分かっているであろう?
だから妾としてはお主にはこれからもっと力をつけ、この樹を守護して欲しいのだが…
お主はこれからどうするつもりなのだ?》
夕陽が眩しく、天照の表情は見えないが
天照の声は先ほどのふわりとした柔らかな声ではなく、少し冷たく、しかし怖いとは思わない真剣な声で龍新に聞く
(そうですね……俺…いや、自分としては前に言った【のんびりと生活】をしたいと思ってます…しかし、やはりこの世界のことを勉強しなければ、色々不安も出てきますし…いろんなところに行ってみたいと思ってますのでゆっくり学んでいこうかと思ってます。それと、天照さまに任せてもらえる事でしたら、もちろん受けますが…?)
《ふむ、なるほどな。では少しの間独学で学び、街に行って魔法学校に通うと良いぞ!
学問に励むのならそこが一番であろう!》
(!? ちょ、ちょっと待ってください!確かにいろんなところに行きたいと言いましたが、まだ飛べませんし!そもそも今の姿はもろ人外ですよ!?狩られる未来しか見えないのですが!?)
龍新は街の門の前で、兵士達に囲まれリンチに会うところまで想像できてしまった…
そんな慌てる龍新に対して天照は、そんな事を気にしていたのかと言うように、ハッハッハ!っと、心底愉快そうに笑うと
《そんなこと分かっておる!お主こそ忘れたのか?姿形は魔法を使えば良かろう!元の姿の力よりかは弱くなるが、この世界の人の子からすれば超人的な力を持っておるから安心せい!それにお主は学園生活なんてほとんどしておらんかっただろ?》(^ー^)
(そ、それは……確かにそうですが…)
そう、龍新は長い入院生活で学校はおろか家にさえ帰えれてなかったのだ…だからこそ、天照のその提案は嬉しかったのだが…
(お金がありませんし…)
《そんなことを心配しておるのか!そんなもんダンジョンに入ったり、モンスターを狩って売れば手に入るであろう?もちろん、生態系を崩さん程度でな!》( ̄∇+ ̄)キラーン
《あ!それと魔素の事で、褒美としてお主にやろう!飾るもよし!使うもよしじゃ!》
そう言うと、天照は何重にも着ている着物の間から、一尺程度の黒い鞘に収まった小太刀を取り出し、龍新に見せる。
だが…ただの小太刀ではないと龍新の感が言っているのだ…そんな大層な物を龍新に贈り物感覚で渡すと言う…
やっぱりこの神様むちゃくちゃだ…
と、今更ながら龍新はそう思ってしまった…
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