異世界龍生《俺はのんびり静かに暮らしたいだけなのに!》

信濃

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第1章 異世界生活、開始!!!!

とんでもない贈り物…

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《ほれ!どうした?いらんのか?》


今、龍新の前には…

小太刀の鞘の部分を片手でワシッ!っと掴み、
龍新に突き付けるように前に出し、満遍の笑みで受け取るのを待っている天照がいた…


(あ、あの~……失礼ですが…それただの小太刀じゃありませんよね?)(⌒-⌒; )

《うむ!そうじゃな!天目一箇神 あめのまひとつのかみ…あ~製鉄と鍛冶の神と言えば分かるかの?その神におどs…ゴホン!頼んで作って貰ったものじゃ!》
( •̀∀•́ ) ✧ドヤッ

(…今何か不穏な事を聞いたようn《気のせいじゃ^^》…ア、ハイ)


龍新は気のせいだと思う事にした…その神様の無事を祈ると共に…
そして作ったのが鍛冶の神ということは、やはりこの小太刀はとんでもない代物だということが分かった


(しかし、いくら褒美の物と言われましても…神様が作ったのならば、それは所謂いわゆる神器というものですよね?そんな大層な代物…俺は受け取れませんし、そもそも飾る場所も仕舞っておく場所もありません!…というか思ったんですが、神様が個人に贈り物なんかをしても良いんですか?)(;´・ω・)ウーン…

《使う使わないはお主次第じゃな~、仕舞う場所は妾に考えがある。…それに其方に任せた事は、本来であれば我ら神がやるべき事なのだ。それを個人に任せている時点で、今更何も言えんだろう…これはその事の礼も含めているのだ》

(な、なるほど………では、有り難く頂きます!)


龍新は少しの間考えると、逆に受け取らなければ失礼だと思い、天照の提案に乗る事にした

天照は、うむ!と満足そうに頷くと
空中に置くように、ゆっくりと鞘から手を離す。
龍新は慌てるが、小太刀は天照が離した場所でふわりと浮いていた。するとそこから、ゆっくりと光り輝きながら龍新に近づいていき、その光は龍新の胸に溶けるように入っていった。光は暖かく、体の中の不安定だった何かが、落ち着いていくような感覚であった。


(えっと……これは…?というか体の中に入って行ったんですけど!?)

《お主の中にある魔力と同化させたのじゃ!溢れ出ていた魔力が抑えられたのが分かったじゃろ?これで魔力が暴走する可能性は無くなったぞ!…まぁその分、龍脈と魔素が扱い難くなるが…そこはお主の努力次第じゃな!》(。-∀-) ニヒ

(なるほど…って、ん?待ってください…?それって…自分の魔力の調整もろくに出来ていない今の段階だと…)

《うむ!魔法はあまり使えなくなるな!だが安心せい!お主は二度ほど強大な魔法を使っておるから、すぐに慣れると思うぞ?…もう一度言うがお主の努力次第じゃな!》( ๑>ω•́ )ﻭ✧

(やっぱりそうですよね~…まぁ二回とも暴走気味で危なかったですからね…)


龍新は、遥か下に見える泉…いや、今は水量が増し、この樹の根が水底を掘ったのか水深も深くなっている様で、今は水底は見えず、夕暮れに近いからか水の色は深い紺色であった、水面はオレンジ色の輝きを点在させながら静かに揺れている湖となった“元”泉と、
龍新が今いる世界樹の枝の部分を見て、やらかした二つの出来事を思い出し…
龍新はそこでふと思った


今、自分は何処にいるのだろうか


と…

確かに、目が覚めてどんな事になっているのかは、ざっくりと整理はしたが深くは考えていなかった…
龍新はまた、下を見て、自分のいる場所を見て、また下を見てと、何回も見返し…


世界樹の枝の上に乗っている事を改めて認識した…


さて、龍新自身は高い場所は全く問題ないのだが…
問題はどう降りるかだ…翼はあるが、まだ飛べる段階ではない。では樹の幹にしがみ付きながら下に降りる?そもそもこの幼体ではしっかりとしがみ付けづに落ちる未来しか見えない…では相当高いが、この身体の頑丈さを活かして下の湖に飛び降りる?勘が言っている…それは死ぬと!!


…詰んだのでは?


《?……どうした?何やら全てが終わったような顔をしておるが…?》(・・;)


神様は……ここに居た!


(あ、あの~…ここからどうやって降りればいいんでしょうか…?)(;・∀・)えーっと…

《ん?その翼を使えば良かろう??》(。・ω・。)?

(まだ飛ぶ練習してなくて…飛べないんですよ…)

《…あー…なるほどのう…》


(《……………………》)ヒュー…


一柱と一匹の間に風が流れ、しばらくの沈黙に支配される…


《ま、まぁこの樹の上でも飛ぶ練習も魔力の調整の練習も出来るであろう?食料も葉の部分に果実が生っておるし!大丈夫じゃ!!》

(え!?それは丸投げですか!?何か策とかは…)

《…龍新よ、神は直接的に施しはしないのだ!》

(今更ですか!?今ここでそれ使います!?)
( ゚д゚)えー!?

《妾のやしろもないこの世界では妾に実体はないのだぞ!?そもそも妾は神である故に簡単に干渉出来んのだ!》(   ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

(な、なるほど…確かにそうですね…すみません、取り乱しました…)

《分かってくれたか…手助けしたい気持ちは山々なのだがな…》

《最後に伝えたい事なのだが、東の方角にちと気になる気配を感じたのでな。飛べるようになった時に一度見に行ってくれんか?》

(東ですね!分かりました!!体を動かすのは好きですし、早く飛び回りたいですし、すぐ飛べるようにしっかり練習します!!
…あ!社の方は少し掛かってしまいますがしっかり作らせてもらいますよ!!)
(`・ω・´)キリッ

《…フフッ、お主はやはり変わっておるのぉ》


龍新の  任せてください!と言わんばかりの顔に天照は、手に持っていた扇子で口元を隠し、目を閉じ、小さく笑うとそう言った。
龍新は何に笑われたのか疑問に思うが、天照は目を開けると、くるりと回り龍新に背を向ける。

いつの間にか辺りは暗くなってきており、太陽は地平線の向こうに落ちるところであった。
あと少しすれば太陽は地平線の向こうに消え、暗闇を白く、穏やかな光で照らす月と、前世ではあまり見れなかった満天の星空が見えるだろう

天照は落ちていく太陽に向かって歩を進める。
そして、太陽が落ちる瞬間。天照は少し龍新の方に振り向く…


《しばらくはこちらには来れんが、見守っておるぞ》


天照がそう言うと、大量の桜の花びらが風に吹かれ、一柱と一匹を包み込むと、空へと舞い上がっていった。龍新の目の前にいた天照の姿は、すでに消えていた…
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