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勇者と姫の幽霊屋敷
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イリスとレンの館という名前で営業している、カップル専用の見世物小屋は、歓楽街の中では比較的治安の良い場所に立っているという。
……若い男女のペアが大勢並んでいるから、目立つな。楽しい場所なんだろうが、正直オレはちょっと気が重かった。
「あ、あったあった! これだよ! お兄ちゃん。ほら! はやくぅってば」
とエルははしゃいでいる。
エリルも一緒だ。
「アルさん、このお店は結構有名なんですよ? 王都に来たら体験する価値あり、とよくいわれているんです」
……オレは聞いたことないけどな……。そうか、オレがモテナイからですか。
受付のお姉さんに聞かれる。
「あのぉ、2人じゃないとぉ、この店は、入れないんですがぁ?」
エルとエリルがオレを見る……これは、ちょっとした修羅場じゃね?
「どーしても? だめ?」
「この館は二人の愛を確かめるっていう……のが売りなんで……二人でおねがいしたいです……」
……うぅう。どうすれば……。とそのときエリルが助け船を出してくれた。
「アルさん、わたしは王都にはよく来ますからまたの機会でよいですよ?」
そういうわけには……。そうだ!!
「すいません。女性ふたりでというわけには……」
「はい! それは大丈夫ですよ?」
すると小声でおねえさんが、ささやく。
「お兄さん、いいんですか?」
「なにが?」
「宝箱2つを開けたもの、ミミックに食べられるッてことわざ知ってます?」
……あ、ぁあ。そうですよね……。うーん、ここは!
「エリルすまない! 妹は滅多に王都にはこれないと思うんだ」
「……アルさん。大丈夫ですよ。そのかわりと言ってはなんですけど」
「何でしょうか?」
「私のお願いを後でひとつだけ聞いてもらえますか?」
「……ごめん。本当に助かる! かしこまりました!」
「約束ですよ?」
「はい」
「……わたしはアルさんに幸せになってもらいたい……それだけなんです」
「ありがとう。願いごとは何でも叶えるから! オレもエリルには幸せになってもらいたいよ」
「うん……ありがと」
「どうも、勇者と姫のカッコウになって、まわる幽霊屋敷みたいなものだから、すぐ終わるとおもう。外でまっていて貰えると助かる!ホントごめんね」
オレはいい嫁をもらったよな……まったく、本当は兄妹じゃないっぽいし、浮気の一種になってしまうかもしれないのに赦してもらえて。
……だが、オレは気づくべきだった。エリルの心がどれだけ、妹のエルの存在によって揺さぶられているかを。いや、こうなるとわかっていたからこそ、妹から離れるために旅に出た側面はある。でも反則だろ、こんな状況は。
妹が建国姫イリスと呼ばれる聖女で、オレが勇者レンだなんて知らなかったのだ。聖女の勇者探知能力でオレは一生妹から逃げることができないとは完全に想定範囲外だ。
「ありがとうエリルさん。楽しんできます! 久しぶりのお兄ちゃんだ」
エルは楽しそうだ。
まぁ、ハネムーンで旅行に行って、ずっと寂しい思いをさせているし、このぐらいの埋め合わせは必要だよな?
……若い男女のペアが大勢並んでいるから、目立つな。楽しい場所なんだろうが、正直オレはちょっと気が重かった。
「あ、あったあった! これだよ! お兄ちゃん。ほら! はやくぅってば」
とエルははしゃいでいる。
エリルも一緒だ。
「アルさん、このお店は結構有名なんですよ? 王都に来たら体験する価値あり、とよくいわれているんです」
……オレは聞いたことないけどな……。そうか、オレがモテナイからですか。
受付のお姉さんに聞かれる。
「あのぉ、2人じゃないとぉ、この店は、入れないんですがぁ?」
エルとエリルがオレを見る……これは、ちょっとした修羅場じゃね?
「どーしても? だめ?」
「この館は二人の愛を確かめるっていう……のが売りなんで……二人でおねがいしたいです……」
……うぅう。どうすれば……。とそのときエリルが助け船を出してくれた。
「アルさん、わたしは王都にはよく来ますからまたの機会でよいですよ?」
そういうわけには……。そうだ!!
「すいません。女性ふたりでというわけには……」
「はい! それは大丈夫ですよ?」
すると小声でおねえさんが、ささやく。
「お兄さん、いいんですか?」
「なにが?」
「宝箱2つを開けたもの、ミミックに食べられるッてことわざ知ってます?」
……あ、ぁあ。そうですよね……。うーん、ここは!
「エリルすまない! 妹は滅多に王都にはこれないと思うんだ」
「……アルさん。大丈夫ですよ。そのかわりと言ってはなんですけど」
「何でしょうか?」
「私のお願いを後でひとつだけ聞いてもらえますか?」
「……ごめん。本当に助かる! かしこまりました!」
「約束ですよ?」
「はい」
「……わたしはアルさんに幸せになってもらいたい……それだけなんです」
「ありがとう。願いごとは何でも叶えるから! オレもエリルには幸せになってもらいたいよ」
「うん……ありがと」
「どうも、勇者と姫のカッコウになって、まわる幽霊屋敷みたいなものだから、すぐ終わるとおもう。外でまっていて貰えると助かる!ホントごめんね」
オレはいい嫁をもらったよな……まったく、本当は兄妹じゃないっぽいし、浮気の一種になってしまうかもしれないのに赦してもらえて。
……だが、オレは気づくべきだった。エリルの心がどれだけ、妹のエルの存在によって揺さぶられているかを。いや、こうなるとわかっていたからこそ、妹から離れるために旅に出た側面はある。でも反則だろ、こんな状況は。
妹が建国姫イリスと呼ばれる聖女で、オレが勇者レンだなんて知らなかったのだ。聖女の勇者探知能力でオレは一生妹から逃げることができないとは完全に想定範囲外だ。
「ありがとうエリルさん。楽しんできます! 久しぶりのお兄ちゃんだ」
エルは楽しそうだ。
まぁ、ハネムーンで旅行に行って、ずっと寂しい思いをさせているし、このぐらいの埋め合わせは必要だよな?
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