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偽りの兄妹愛
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「ね? お兄ちゃん! 私も一緒にお茶していい?」
と妹のエルはうれしそうに返事もきかずにオレの左隣りの席に座ってきた。
「あ、いや、なんで王都にいるんだ? エルは」
「えっとなんか、王都に行くと楽しいかなって思ったんだよ。それに……私が一番逢いたい人に会えるような予感がしたんだよね」
「だれだよ? そいつ」
「さぁね? 誰でしょう? ……気になるの? お兄ちゃん」
「ま、いいけどさ……」
……まちがいない。妹のエルは建国姫イリスで聖女ということは、ほぼ疑いようもないだろう……。そうでなければ、こんなにピンポイントで勇者レンであったオレの居場所を当てることなど不可能なのだから。
聖女の勇者を探す能力を無意識につかっていること、本人はどういう認識なのだろうか。
「……あれ? あれあれ? お兄ちゃん……嫉妬してないね? なんで? ……おかしいなぁ」
と不思議がるエル。
「なにがおかしいんだよ」
「いつもならね……これいうとお兄ちゃんのどす黒い感情が感じられるのだけど。今日のお兄ちゃん、なんでそんな余裕なの? ひょっとして……気づいちゃった?」
「オレが何に気づいたっていうんだ」
「私が一番逢いたいひとはね……私と名前がひとつだけ文字がちがうの!」
「エリルか?」
「ふーん……そうきたか……わかっているくせに……」
「まさかオレか」
オレの名前はアルで、妹の名前はエルだ。
「……そう……ストレートにいわれると……照れちゃうじゃないっ」
「え?」
「ん……。なんか今日のお兄ちゃんはおかしいな。いつもなら、こう……もっと甘酸っぱい感じで、顔真っ赤にして、私に怒るクセに……」
「じゃ、いつものように……。おい、エル! いくらもてないオレだからってお兄ちゃんをからかうな!」
「……なんか調子くるうんだよね。感情を感じない……なんでそんな冷静なの?」
「それは……。なあ一つ聞いていいか?」
「なに?」
「もしオレが勇者レンでお前が建国姫イリスだったら……どうする?」
「えええええぇぇええ……。ちょっとちょっと、妹に愛の告白ぅ?」
「ちがう……真面目に答えろ!」
「……どう真面目に応えるのよ? ……お兄ちゃん……妹を娶るのは世界で最も深い罪だよ? ……その覚悟があるなら……私は気持ちに応えてあげるよっ」
「オレとお前が、本当は双子でも兄妹でもないとしたら……どうする?」
「……いやだよっ。今日のお兄ちゃん怖い! なんでそんな事言うの?」
「それは……」
「……あのね……言いにくいんだけど……今日は行きたいところがあったの」
「どこだよ? それなんか関係あるの?」
「イリスとレンの館っていう見世物小屋が王都のここにあってね……そこにいきたいなって思っていたの……できればお兄ちゃんと……」
「あ、ああ。なんだ、それ?」
「カップルでいくところなんだけど……女の子がイリス姫、男の子が勇者レンになって楽しむ、仮装見世物小屋なんだけど……楽しそうだなって」
ストレートな質問は妹のエルを気をわるくしたようだった。その埋め合わせをするためにオレは妹のエルと嫁のエリルと一緒にエルが行きたいという、その見世物小屋にいくことに結局なってしまうのである。
と妹のエルはうれしそうに返事もきかずにオレの左隣りの席に座ってきた。
「あ、いや、なんで王都にいるんだ? エルは」
「えっとなんか、王都に行くと楽しいかなって思ったんだよ。それに……私が一番逢いたい人に会えるような予感がしたんだよね」
「だれだよ? そいつ」
「さぁね? 誰でしょう? ……気になるの? お兄ちゃん」
「ま、いいけどさ……」
……まちがいない。妹のエルは建国姫イリスで聖女ということは、ほぼ疑いようもないだろう……。そうでなければ、こんなにピンポイントで勇者レンであったオレの居場所を当てることなど不可能なのだから。
聖女の勇者を探す能力を無意識につかっていること、本人はどういう認識なのだろうか。
「……あれ? あれあれ? お兄ちゃん……嫉妬してないね? なんで? ……おかしいなぁ」
と不思議がるエル。
「なにがおかしいんだよ」
「いつもならね……これいうとお兄ちゃんのどす黒い感情が感じられるのだけど。今日のお兄ちゃん、なんでそんな余裕なの? ひょっとして……気づいちゃった?」
「オレが何に気づいたっていうんだ」
「私が一番逢いたいひとはね……私と名前がひとつだけ文字がちがうの!」
「エリルか?」
「ふーん……そうきたか……わかっているくせに……」
「まさかオレか」
オレの名前はアルで、妹の名前はエルだ。
「……そう……ストレートにいわれると……照れちゃうじゃないっ」
「え?」
「ん……。なんか今日のお兄ちゃんはおかしいな。いつもなら、こう……もっと甘酸っぱい感じで、顔真っ赤にして、私に怒るクセに……」
「じゃ、いつものように……。おい、エル! いくらもてないオレだからってお兄ちゃんをからかうな!」
「……なんか調子くるうんだよね。感情を感じない……なんでそんな冷静なの?」
「それは……。なあ一つ聞いていいか?」
「なに?」
「もしオレが勇者レンでお前が建国姫イリスだったら……どうする?」
「えええええぇぇええ……。ちょっとちょっと、妹に愛の告白ぅ?」
「ちがう……真面目に答えろ!」
「……どう真面目に応えるのよ? ……お兄ちゃん……妹を娶るのは世界で最も深い罪だよ? ……その覚悟があるなら……私は気持ちに応えてあげるよっ」
「オレとお前が、本当は双子でも兄妹でもないとしたら……どうする?」
「……いやだよっ。今日のお兄ちゃん怖い! なんでそんな事言うの?」
「それは……」
「……あのね……言いにくいんだけど……今日は行きたいところがあったの」
「どこだよ? それなんか関係あるの?」
「イリスとレンの館っていう見世物小屋が王都のここにあってね……そこにいきたいなって思っていたの……できればお兄ちゃんと……」
「あ、ああ。なんだ、それ?」
「カップルでいくところなんだけど……女の子がイリス姫、男の子が勇者レンになって楽しむ、仮装見世物小屋なんだけど……楽しそうだなって」
ストレートな質問は妹のエルを気をわるくしたようだった。その埋め合わせをするためにオレは妹のエルと嫁のエリルと一緒にエルが行きたいという、その見世物小屋にいくことに結局なってしまうのである。
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