30 / 42
エルフの里~リイルーン~
25:アトリエ ハイドアウトのジグミン&ミノモン ☆
しおりを挟む******
翌日、早速アイさんへ相談を持ちかけに行った私。
ルティは多分また吊し上げられてしまうと容易に想像できる為、泣く泣くお留守番。今日はラトさんと久しぶりに鍛錬に励むとか。
アイさんからは思った通り、良い反応を頂けて、ついでにシルバーさんも参戦することになった。
「――…というわけでして。お二人にこの『水着』の素材に使えそうなものを教えて頂きたいのと…あ、水着デザインの参考資料はこれなんですが、できれば作って頂けるところも紹介して頂けたらと」
私は空間魔法に入れっぱなしですっかり忘れていた、ファッション雑誌を参考資料として差し出した。
「や~ん♡アイ、この本すごぉ~い!その『ミズギ』って言うものも、セクスィなものからKawaiiものまであるし、それに洋服、ドレス、夜着、そして下着よぉ!あぁインスピレーションが掻き立てられるわぁ!!」
すごい……姉さんが言うと、セクシーが、なぜか総合結婚情報誌に聞こえる。確かに特集ページにドレスも載っていたけどね!どんだけ!?
「アオイちゃん、本当にこんな貴重な本を譲ってもらっちゃって良かったの?とても貴重なものでしょうし、元の世界の思い出の本ではないの?」
「いいんです。正直、今日まで存在を忘れていたくらいの雑誌ですし、私が持つよりも、美のスペシャリストであるお二人の方が絶対に有効活用できると思いますので」
実は機内での暇つぶしの為に購入した雑誌。ほぼ読まずに寝落ちしていたので、特に思い入れもない雑誌なんです……とは言えない。
「やっだぁ~そんなこと言われちゃったら、良い物作るしかないじゃない?ねぇアイ」
「そうね。でも、私思いついてしまったのだけど、今回はアレが役に立つと思うのよねぇ~うふふ……」
「アレ、とは……?」
***
<アトリエ ハイドアウト>
その名の通り、隠れ家的な工房のようだ。連れて来られなければ全くわからないと思う。
私の目の前には、スイカくらいの大きさのクモっぽい虫さんが入っているという白い筒状の袋、と言うか巣……え、職人さんは?
「アオイちゃん紹介するわね。彼はここであらゆる生地を専門に作っているオニグモと地蜘蛛のハーフのジグミン。
こちらの彼女はかなり珍しい異種族ハーフで、繊細だけど、かなり丈夫な糸の作り手のミノムシとダーウィンズ・バーク・スパイダーのハーフのミノモンよ」
クモ!?あと、ダーウィンズ…え、なんて?あっミノムシ以外はクモなんですね……なるほど。ミノムシとクモの恋愛が成立することにも密かに驚きだ
そして名前が……イメージ的にはジグミンが女子っぽくない?ミノモンは男子的…というかオジサマっぽいというか?
あと、ジグミンは地蜘蛛の巣の中にいるから、顔見えないし(シャイなの?)
そしてミノモンは……えと、どこにいるの?
「アイさん、ジグミンさんはその……巣?の中にいらっしゃるんですよね?ミノモンさんは……?」
「あらやだぁ~ミノモンちゃんは父親譲りで擬態が得意だから、森の中だとわかりにくいのよねぇ。
ここよ、ここ!」
え?どこ?アイさんの指の先を辿る。
じーーーーーーー……うわっ本当にいた!!しかも案外そばにいたし!!背景に溶け込み過ぎてない?!
でもよく見たら、ちょっとオシャレに蓑を帽子のようにかぶってて、どんぐりちゃんみたい!
「すみません!近くにいたのに気づかなくて……って、そう言えばお二人とは会話はできるんですか?」
そもそも、クモって話さないよね?アイさん達はどうやって意思疎通を図っているのかな?それにしても私、一部の虫以外なら平気なタイプで良かった。じゃなければ倒れてるだろうな……
「この子達こう見えて結構おしゃべりなのよ~。念話を使ってお話しているのよ」
「そうよ、この子達もオシャレ大好きだから、いつも『次の流行は何がくるか』なんて話していると、ついつい話し込んじゃって朝になってたなんてザラなのよ~。ホント困っちゃうわぁ~友へ投げ~♡」
流行談義でオールナイト!!美への飽くなき探求心にリスペクト。
そして巴投げってTO萌え以外にも活用できたのか!?
「へぇ、念話って便利なんですね。みんな使えるものなんですか?私にもできるかなぁ」
「そうねぇ、基本的に人族以外の魔力が高い者ならたいていは使えるけど、人族は聞いたことないし、使えないのかもしれないわね。念話自体はそんなに魔力消費もないのだけれど」
そっかぁ便利でいいなとは思ったけど、誰でも使えたら無言ばっかりになっちゃうか
「残念ですが、ジグミンさんとミノモンさんへの通訳はお二人にお任せしていいですか?」
「もちろんよ。まずはこの子たちが作っている素材をアオイちゃんに確認してもらいたいの。全く同じではないと思うけれど、特徴を聞いた感じではイケそうかなって思ったのよね」
さすがアイさん!伸縮性があって、身体にぴったりフィットする素材ってだけで気づいちゃうなんて。
そして誘導されながら、ジグミンさんとミノモンさんの作業所へ連れて来られた。
アトリエの裏手にある、透明度の高い川には、まるで京都の友禅流しみたいに、色とりどりの反物のような生地が浮かんでいた。
「す、ご……い」
クモさんの作る生地ってなんだろう?なんて、ちょっとなめていた自分を恥じたい。これはもう芸術の域だ。アイさんやシルバーさんが薦めるのも頷ける。
ワノ国での着物技術を参考に、エルフの里仕様にも作れないか試行錯誤している最中と言っていたけど、見た感じでは十分完成形では?という出来栄えだった。
「そうでしょ?かなりKawaiiわよねぇ!でも、これだと絹のような肌滑りとか、柔らかさに欠けていて、ふわっとなびかせるとか、透け感を出すには、まだまだなのよねぇ。
でも『ミズギ』は透け感はむしろいらなくて、ふわっとさせるよりはぴったりフィットさせたいのでしょ?どうかしらね?」
見本生地を渡され触ってみる。……これ……いけるんじゃない!?
「これ……これだと思います!これで作れると思います!!すごい伸び縮みもあって良さそう~」
「あらぁやっぱり?さすが私よね!ふふ。じゃあ早速今日中に試作品を作ってみましょう!試作品だから一番作りやすそうなデザインで作るわね。サイズはわかっているし、夕方には届けてあげられるわよ。うふふ」
え?今日の今日で作れるの?あ、あの…生地なるべく多めで!お腹出ないやつを希望です!
「ありがとうございます!楽しみにして待っていますとジグミンさんとミノモンさんにもお伝えください」
「ええ、二人もこの生地の使いどころに悩んでいたから嬉しいって言ってるわよ!全ての脚を使えばすぐできるから、ルーティエの分も一緒に作るそうよ。楽しみにしていてね」
それは助かる!彼にはタオルを巻いてもらう?とか、着古したハーフパンツを代用してもらう?とか悩んでいたんだよね。そもそも着古しってあるのかすら謎だけど。
「はい、宜しくお願いします!」
プロ集団の中に素人は邪魔になる。デザインはサプライズにしたいからと言われ、私だけ先に帰ることに。ちょうど里内を見回り中のコーディエさんに送ってもらったので、迷わず安心だ。
普通には話すんだけど、他の人達が更に話すせいか、一番寡黙な方という印象。それでも「父」という貫禄や包容力を感じる素敵なオジサマである。
***
夕方に差し掛かる頃、予定より早くアイさんシルバーさんが試作一号を届けに来てくれた。
いつもならそのまま『試着よ、試着~』と言われそうなものなのに、なぜか二人は箱を渡すなり、『後日、感想を教えてね~』と言って帰って行った。やだ、なんで?怖い!
一応作って用意しておいたプリンだけは渡すことができたけど、『直前まで見ちゃダメよ』と言われ逆に気になる。
「ただいま……あ、アオイ!思ったよりも早かったのですね」
そうこうしている間に、ルティもちょうど帰って来た。良かった、開けずに済んだよ。
「おかえり、ルティ。お疲れ様!」
ルティもいつもより汗を掻いていたけれど、当然<汗臭い状態>なんて彼には存在しない。なんならシャワー浴びた後くらいの爽やかさを醸しているので羨ましい。
御年400歳、加齢臭はいくつからですか?
「そうですね、久しぶりに手合わせもしましたので。ユーロピアで少し引き籠った分、やはり少し勘が鈍っていたみたいです。兄上に指摘されて、指導して頂きました」
「そうなんだねぇ……あの期間でも勘が鈍ってしまうなら、やっぱり私は戦いに向かないね」
「いいのですよ。その為に私がいるのですから。ところで、その箱はなんですか?」
「あっこの箱は水着が出来上がったからって、さっきアイさん達が届けてくれたの。ルティの分もあるし、どうせシャワーを浴びる予定なら……あの…えーっと、着替えて一緒に、入る?」
「~~っっ!?すぐにお湯を張ってきますっ!」
***
ルティにお湯を張ってもらったので、とりあえず身体だけ先に洗わせてもらって、着替えたら呼ぶことに。そして、目の前の箱をついにオープン!!
「……スク水はそもそも雑誌に載ってないか……これは、、、一応ビキニかな……?」
<恋人たちの水着特集>が確かあった気がするけど……数ある中からこれをチョイスか。
ホルターネックでフロントツイストビキニでもビスチェタイプでお腹は見えない。下は、サイドが太めの紐で結ぶタイプ。上下とも柄はなく、シンプルなライトグレー。
ビキニとはいってもしっかり布地は多めに取ってくれている方だし、下はパジャマの短パンとそんなに足の見え方が変わらない感じかな?
そもそも生地も貴重なものだもんね。タダで作ってもらって文句は言っちゃいかんよね、うん。
とは言っても、前世では一度も着たことなかったから『若い内に一度くらい着てみたら良かったなぁ』と、確かに憧れたりもしたけどさ!!でもまさかすぐに出来上がるとは思わず、覚悟もしていなかったわけで……
あぁどうしよう、今更『延期してもいい?』って……言えるわけないよね。ルティもめちゃくちゃテンション上がっていたし。
「ハァァ……覚悟を決めるか、私っ!着てみたかったんだから夢が叶ったんでしょ?それに見せるのはルティだけだし、そう思えば大丈夫!似合ってなくても平気だ!!」
***
「ルティ?お待たせ。もういいよー」
顔だけ脱衣所からひょっこり出してルティを呼ぶ。彼は先に着替え、リビングで寛いでいるかと思いきや、90度の姿勢で目を閉じて正座していた。面接会場か何かですか?『次の方~』みたいな。
「あ、準備できたのですね?すみません、少々精神統一をしておりました。これで多少は衝撃を緩和できるといいのですが……」
衝撃緩和とは?意味不明なことを言って、こちらへ向かってくる彼。お風呂は修行の場ではなくて、リラックスする場なんだけど
「あ、ルティも水着似合うね!すごくカッコいい」
スタイルは言うまでもなくだが、細く思えた身体は案外がっしりとしていて、着やせするタイプみたいだ。水着は黒から徐々にライトグレーにグラデーション状になっているハーフ丈で、色白の彼によく似合っていた。
「そうですか?ありがとうございます。アオイの水着姿も見せてくだ……」
ちょっと恥ずかしいけど、二人だけだしね。どうかな?……
あれ?両手で顔を覆って天井向いてる。しかも何かブツブツ唱えてない?
「ルティ、これ私には似合わなかった?私はもっと下も布地があった方がいいと思ったんだけど、貴重な布みたいでね。それに試作品だって言うから……」
全てを言い終わる前に、肩をガシッ!っと掴まれる。なにごと!?
「アオイっ!!!こ、こここここれは、本当にアオイの世界では、当たり前に着ていたものなのですか?美しいものは見せる主義のエルフですら、こん、こんなほとんど下着のようなものっ」
「そっか……やっぱり下品に見えるのか。じゃあ、やっぱりこれはもう着ないように……」
「最高です!!」
えーー!?180度意見が変わってない?『こんなものを』みたいに言ってなかった?いいの?
「全然、全く、これっぽっちも問題ありません。アオイの良さが前面に、もう前面にも後面にも、これでもか!というほど出ておりますし、せっかく作ってもらったのでしょう?
アオイが着なければ母上達も悲しみますよ。ほら、足元も滑るといけませんからね、私がエスコート致しましょう」
前面と後面に出る良さってなに?あと、お風呂場までエスコートはいらないと思う。たった数歩で着くし。
でもそうだよね、アイさんとシルバーさん、ジグモンさん、ミノモンさん、みんなが一生懸命作ってくれたんだもんね。
「うん。ルティが似合うって言ってくれるならいいや。ふふ、前世では着たことがなくて、実はちょっと憧れてたんだぁ」
「それを聞いて安心致しました。前世であろうと、アオイが他の男性の前でこんな姿をもし晒していたのなら、私も正気を保てたかどうかわかりませんからね。では、私が初めての男となるわけですね?」
若干台詞が不穏な上に、初めてのって言い方が……まぁ間違えてはいないんだけどさ。って言うか、今更、学生の頃は水泳の授業で着てました……とは怖くて言えない。
***
浴槽に入ったら思ったよりも深くて、私は彼の膝の上に座って入っている。こうするとなぜか高さがちょうどいい
「ふぅ~~お風呂とはとてもいいものですね。まるで……天国のようです……」
「ふふ。そう、極楽、極楽って、天国みたいなこと言うもん。間違ってはいないね」
「胸辺りまでぬるめのお湯を張って、1時間くらい半身浴なんかもしていたなぁ」
「なんと!ぬるめであれば、1時間も一緒にお風呂に入れたのですか?次はそう致しましょう」
「え、次?一緒に入るのって今回だけじゃないの?水着も洗い替えとかないし……」
「え、どういうことです?まさか、たった一回きりの話だったなんて……これから私は何を楽しみに長い人生を生きて行けばよいのか……もはや希望が見出せません。……すみません、たかだかお風呂を作ったくらいで厚かましいお願いでしたよね」
えぇ……なんか最近、彼のやり口がどんどん遠慮なしにというか、むしろ姑息になってきたように思うんだけど気のせい?水着なんていくらかかってもいいから何着か買いましょう!みたいになりそうだな
「う~ん。でも一人でゆっくり入りたい時もあるから、そういう時に一人で入らせてくれるならいいよ」
「はい、それで十分です!ありがとうございます!!」
そう言って、後ろから抱き締めたまま、肩の辺りに頭をぐりぐりしてくるルティ。喜んでいるならいいか。
さて、そろそろ逆上せそうだから先に出てもいい?と彼に声を掛け、お風呂を上がった。
彼は随分お風呂を気に入ったようで、私が着替え終わっても入ったままだった。
ようやく出てきたと思ったら『お風呂とは、入る前の覚悟と、入ってからの忍耐、精神力が試される場所でもありますよね……』とよくわからないことを呟きつつも、どこかスッキリとした感じに見えたし、サウナじゃないけど彼なりに「整った」のかもしれない。
このルティも大絶賛だった水着は、里内でもすぐに話題を呼び、爆発的大ヒットとなった。
ジグモンさんとミノモンさんのアトリエも連日大忙しで、嬉しい悲鳴をあげているとか。こちらがお世話になったのに、むしろお礼をしたいと言い、別のデザインの水着セットを5着もプレゼントされた。
合計6着の水着がある……一週間の内、一人で入れるのは一回と言うことなのだろうか……。
50
あなたにおすすめの小説
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。
秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。
「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」
第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。
着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。
「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。
行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。
「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」
「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」
氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。
一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。
慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。
しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。
「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」
これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる