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エルフの里~リイルーン~
26:アルバイトがしたいっ! ★
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何やかんやとエルフの里でも忙しくしていたけれど、私は自分では全く収入を得ていない。
ルティとお付き合いを始めてから、更に彼の過保護と糖度が増したこともあり、気付けばぬるま湯のヒモ生活である。
このままではいけない……今度こそ絶対、絶対、働く!彼はきっと反対するだろうけど、私だっていつまでも丸め込まれっぱなしじゃないんだからね!
日本の三大義務である、「教育」・「労働」・「納税」を前世で果たしてきた身としては、このヒモ生活はどうにも落ち着かない。
それらしいこと言いつつも、ぬるま湯にプカプカ浮かんでましたけどもね!
この先、この世界の学校にも、通ってみたいし、その為には先立つものが必要なわけで。入学費用くらいは払えるようにしておきたい。
元の世界の貯金をこっちのマネーに換金してもらったとは言え、人生長くなったのでキチンと蓄えておきたいところだしね
「ルティ、お願いがあります……」
「なんですか?アオイがお願いなんて珍しいですね。何でも言って下さい」
「ホント!?あのね、私、働きた…「ダメです」
「………」
「………」
まただ。このにっこりモードで却下の時は、絶対に言う事なんて聞いてくれない。
「何でも言って下さい」=「叶える」とは言ってないからなぁ……「いいですよ」くらい聞いてからにすれば良かったのか……さすが私、アホやな
「……なんで?もう結構エルフの里にいるけど、身体に異変もないどころか、絶好調だと思うんだけど」
「それは今までが『たまたま』そうだっただけかもしれないでしょう?
それに、間接的であってもアオイは『ミズギ』の売上アップに貢献もしておりますし、私の愛する『ぷりん』まで、知らない間にレシピを教えて繁盛店になっているじゃないですか。レシピ収入もあるのでしょう?」
あれは、アイさんとシルバーさんが、プリンのおいしさに感動して里中にふれまわったから!私だけじゃ作りきれなくてレシピ提供したら、翌日にはお店ができていたって話じゃない。
相変わらず、アイさんの行動力の早さが恐ろしいけど……
「それはそうだけど、私はちゃんと自分が働いたお金が欲しいの!目標の為にお金を稼いで、貯めてっていう生活がしたいの!!」
「ダメです。それなら私と一緒に薬草採取から始めましょう、ね?」
「~~~~っっ!もうっ!!そういうのじゃないの!!ルーのバカ!!わからずやっ!!ルーなんて嫌い!」
「き、嫌い……?ちょ、ちょっと落ち着きましょう、ね。ちゃんと話し合いましょう?そうしましょう。
そもそも、アオイはお金を何の目的の為に稼ぎたいのですか?生活費は一緒に暮らしているのですから、私が全面的に出しますし、アオイは自分ではほとんど物を買わないので不足するようなこともないと思うのですが……」
「それって、全部ルーが稼いだ、ルーのお金じゃん。私も前世のお金を換金してはもらったけど、これはあくまでも何かあった時の為に貯めていたお金がほとんどだから、そのままにしてあるの。
でも、今の私は何もしていない役立たずのままで、ルーのお陰で不自由のない暮らしではあるけれど、時々申し訳なくて泣けてきちゃうの!
ちゃんと、自分で稼いだお金でルーにプレゼント買ったり、好きな本を買ったり、お菓子買ったりとかしたいんだもん」
「アオイ……申し訳なく思う必要などないのに」
「それに私は籠の鳥にはなれないって言ったよね?確かに、初めは変化したばかりの身体がどうなるか心配もしていたから私も納得してたけど、もう何だかんだで半年位いるんだよ?
ルーのこと大好きだけど、私もこれは譲れないし、どうしてもダメならルーと一緒には…」
「待って!!待って下さい!!駄目じゃないですから、落ち着いて、ね?はい、涙を拭いて、鼻かみましょうね」
ルーにぽろぽろと溢れ出た涙を拭かれ、鼻までかまされる。チーーン!!ズビッ
感情が高ぶってしまって、一気にルーに不満をぶつけてしまった。ルーはこんなにも優しいのに、可愛い恋人でいられなくて申し訳ない気持ちになり、また泣けてくる。
走り出してしまった感情は簡単には落ち着かず、しゃくり上げている私を、彼は優しく抱き締めて、落ち着くまで背中をさすってくれた。
***
「ル、ルゥー…、可愛くなくて、ごめ、ごめんねぇ。嫌いって言ってごべんねぇ……ズズッ」
「ほらほら、もういいですから。嫌いは……死ぬほどショックでしたけど、もうわかりましたから泣かないで、ね?私の方こそ約束を違えるところでしたね。アオイは悪くないですよ。
ハァ、心配なことに変わりはないのですが、働く件はわかりました。ただし、選ぶ際は一緒に行きますからね?中には怪しい依頼なんかもある場合がありますから。
ですから、どうか私と別れるなんて言わないで下さい。もう一度『ルティ』と呼んで?」
「別れるって、誰と誰……?『一緒には寝てあげない』って言おう、とはした、けど……ズビッ」
「は?『一緒にはいられない』ではなかったのですか?」
「気が変わっちゃった?働くのはやっぱりダメって言う?ルティ……」
泣きはらした目のまま、上目遣いで訴えてみる。そもそも身長差があるから上目遣いにしかならないけど。でも泣き顔不細工だろうし、効果なんてないだろうなぁ……
「…………」
あれ?驚愕の顔をしたまま、どんどん顔が真っ赤になっていってるけど……
「ア、アオイが…」
「私が?」
「アオイが……あざと可愛いっ!!小悪魔度が更に上がってしまいました!!!そうなってしまったら私なんてとても太刀打ちできないですよ。これ以上、私を翻弄させてどうしたいのですか?これじゃあ余計に心配になってしまうじゃないですか!!!」
「大丈夫だから!私だっていつもルティに翻弄させられているんだから、お互い様でしょ?ルティが見守ってくれてるってわかるから、私も安心して働けるんだからね。それに……結婚するならそういう人とが理想だなぁ」
明らかに「結婚」の部分に反応を示すルティ……パタパタしていた耳が急に止まり、耳がピクってなったのを私は見逃しはしない……
「そうですよ。私がいつでもアオイを見守っておりますからね!アオイは安心して働いてくれて良いですよ。おや?……今気がついたのですが、どうやら丁度アオイの理想と私が当てはまるようですね。もうこのまま結婚してしまえば良いのでは?」
「すぐそうやって調子づくんだから……でも、そういう所も含めてルティが大好きだよ!」
「アオイ……私はいつだって本気ですよ?私もアオイが大好きです。愛してます」
私の感情の爆発と偶然うまく発動したあざとさが功を奏し、オカンで保護者な恋人からアルバイト許可をなんとか得ることに成功した。
善は急げ及び、ルティの気が変わる前にという事で、『明日でもよくないですか?』と言う彼をスルーしつつ、一緒にユーロピアのギルドへ転移した。
****<冒険者ギルド ユーロピア支部>****
「ルー!見てみて!!前に見た『書籍整理』の依頼書が残ってるよ!私、本好きだから、これやりたい!」
「うーん……ここまで残っているというのも、何か理由があるのではないですか?まずは受付で確認してみましょう」
確かにあれからだいぶ過ぎているのに、いまだに残っているのは気になるところ。確認は大事だよね。
「すみません。この書籍整理の依頼なんですけど……」
「こんにちは、ユーロピア支部へようこそ。あ……そちらの依頼、、、ですか?」
今日の受付は…見た感じ30代中頃?の気の弱そうな雰囲気のフロントさん。名前まで受付にピッタリすぎない?
そして、なんだか歯切れが悪い物言いがやけに気になるんですけど?
「はい。検討してまして……でも、確か以前にも見た記憶があって、何か書いてある以上に難しい作業とかがあるのでしょか?」
「あ、いえいえ。実はもうすでに4人ほど派遣しているのですが……受けた者が言うには特に怒られたわけでも、機嫌を損ねた様子もなかったのに、一日目の終了時に『もう明日から来なくていいです』と断られたそうなんです。」
「それは中々……ですね」
「ええ、こちらも一応書籍整理以外に難題でもあるのでは?と思い確認は取ったのですが、依頼者からも、受けた者からも特にそういったことはないと言われてはおりますので……もしかすると気難しい依頼者なのかもしれないです。
依頼主様からも『いい加減まともな者を派遣してくれ』と怒られる始末ですし、ハァァ……」
「フロントさんも間に挟まれて、ご苦労なさっているんですね。わかります、中間管理職って辛い立ち位置ですよね。まだまだお若いのにご立派ですよ」
「……へ?あ、あの、あなたの方が随分年下かと思うのですが……」
あっしまった!今は若いんだった!やっちゃったよ。
「すみません。彼女の友人に同じく中間管理職で苦労なさっている方がおりまして、いつもその友人の苦労話を聞いていた為に、友人とあなたが重なったのだと思います、ね?アオイ」
「そそそそそ、そうです。まさにそれです!もうほんっと苦労していて、大変だなって。でも私みたいな者に言われてもって感じですよねぇ。ははは…」
ルティ!ナイスアシスト!!
「でも、そうですね。アオイ様のような、お若いのに気遣いができる方であれば、もしかすると依頼主様もご満足頂けるかもしれないですね。宜しければ推薦状をお書きますよ?」
「え、本当ですか?ちょっと怖いかなと思ったんですけど、怒ったりする方ではないって言ってましたし、私は本が好きだから、書籍整理も苦になりません。ぜひお願いしたいです!ね、ルティいいでしょ?」
「……まぁ少し気にはなりますが、書籍整理以外の作業はないようですし?でも、一日目で依頼解除されても落ち込まないようにして下さいね。やると決めたからにはしっかり頑張って下さい……無理は禁物ですが」
「うん。私頑張ってみるね!」
応援と心配が入り混じってるけど、理解しようとしてくれてありがとう
「ではカード受付をしますので身分証をお願い致します」
「あ、はい。これです」
「おや?……タチバナ様、これはご家族の誰かのものと間違えておりませんか?年齢が全く違いますよ。これでは受理致しかねます」
「え……?いえ、それで…」
「あ、アオイそれはあなたのお母さんの弟のお嫁さんの妹の旦那さんの従姉妹の形見のカードではないですか?」
「え???」
それは、もはや他人ではないのだろうか?って言うか、もう一度説明しろと言われてもわからない。
「申し訳ございません。彼女は今日が初めてなもので不慣れでして……まだ登録していなかったのですね。このまま新規受付をして頂いても宜しいでしょうか?」
「あぁ、、、はい。お母さんの旦那さんの、、従姉妹?あれ?まぁいいか…」
フロントさんの頭に大量の???を乗せたまま、納得したようなしていないような…。大丈夫です、私も全く飲み込めていませんので。
ダーン国でも経験済だったので、眩し過ぎ対策で初めから目は閉じておく。
『終わりましたよ』の声掛けで目を開け、新しく作られたカードを渡された。あ、今回はルティとパーティじゃなくなってるから白になってるー。
そのどこか遠くの親戚とも呼べない人と同性同名なんだけど、それはまぁいいとして……な、な、ななななな!!18歳になってるっ!!
「ル、ルルルルルルティ!!ちょっと、私18歳になっ…もがっ!!」
急にルティが口に手を被せてきて、舌噛むかと思ったよ!何するのさっ
「アオイ、初めてのギルドだからって大声出してはいけませんよ?18歳で間違いない、ですよね?」
あ、ヤバイ!このままじゃ不審者だ……もう高速で赤べこの如くコクコク頷いておこう。
ワタシハ18サイデス。。。
若干、胡乱げな視線を送られつつも、フロントさんに紹介状を書いてもらい、お店までの案内図も受け取って、そそくさとお店に向かうことに
***
「ねぇルティ……私って本当に生まれ変わったんだね。あのギルドの登録板みたいなやつは間違いないんでしょ?前はちゃんと50歳って出たし。
見た目だけじゃないんだ……50歳として残っているのは記憶だけの部分になるってことかな?なんて複雑。。。」
「やはりあの日に『生まれ変わった』と言ったことは間違いではなかったということですね。18歳サイズで生まれたのだと思っておきましょう」
いやぁ……このサイズは産めないよねぇ、冗談だろうけど。
「まぁいいか。あの日から生まれ変わったと思って生活してきたし、これが真実になったってわかっただけ……と割り切るようにすればいいんだね」
「絶対バレてはいけないこともないですが、一応、門外不出の妙薬を使用し若返っておりますので、わざわざ以前の事情を話す必要もないかと。それに【異世界転生者】や【言語理解】などの余分なワードは今回から表示されなくなりましたね。気を遣って頂けたのでしょうか?」
「あー…以前、心の中で文句言ったからかなぁ。。。神様、あの時はごめんなさい。隠してくれてありがとうございます!」
今更ですが【神いいねb】連打させて頂きます!それはもう、ケン〇ロウばりに!
あたたたたーーっ!!おあたぁ!!【アオイ神拳百裂いいねb押し!!】
「アオイはもう、押している……」
「アオイ、一人で何をしているのですか?店までの案内図を見せて下さい。私が店の前まではついていきますからね」
あべしっ!これも過保護だとは思うけど、道に不慣れなのは確かなので、ここは素直に甘えておく。
「はい、案内図。お店の名前は<ブクマー>だって本っぽい名前だねぇ。やっぱり相当な本好きなんだろうなぁ。一冊一冊丁寧に扱わないとね!」
「ブクマー……?ブクマー……。あぁ、アオイに本が欲しいと言われて買いに入った書店ですね!あそこの店主は中々話のわかる方でしたし、確かにかなりの本好きである様子でしたよ」
え?あの、よくわからないシリーズの本をおススメした書店?!なんか一気にテンション落ちたかも……いやいや、本を購入するんじゃなくてお仕事だもんね!
「そうなんだね。ルティがおススメするなら安心かな」
「あ、彼も同じエルフ族の者で美形ではありますが、アオイは浮気なんてしないですよね?信じておりますからね?彼はアオイとの初めての口づけ記念となったきっかけの人物ではありますので、感謝はしておりますが、敵認定となれば容赦は致しませんよ?」
いや、だからいつも冗談なのかなんなのか不穏なんだよ!エルフジョークだって言って!!
「ルーは信じてるって言いながら、信じていないんでしょ?何かショックだなぁ。
ルーの私への信用度ってそんなものだったんだね。私がルーを好きって言ってるのも信じてくれてないってことなの?」
「うっ……そん、、、なことはないです。全然、これっぽっちも!!しかし、アオイは怒ると『ルティ』から『ルー』呼びに変わりますよね?
どちらも好きだったのに、最近は『ルー』=アオイの機嫌を損ねているとわかるので怖いです……」
「あれ?私そんなつもりなかったんだけど、そうなってる?でも、怒るのも、泣くのも、そうやって感情が動くのはルティが大好きだって証拠でもあるでしょ?
でも、考えてみたら、ルティとはケンカからのスタートだったね。ふふふ」
「その言い方ですと、その時からすでに私に感情が動いていたことになりますよね?」
「う~ん……あの時は怒りだったけど、後々にはあの物言いにも理解できたし、私も煽ってしまったしねぇ。あれ以降は良い人だなって思ってはいたよ。でも絶対に好きになっちゃいけない人って思っていたかな」
「ア、アオイ……」
「あっここじゃない?ブクマ―って書いてある!じゃあ、夕方にまたこの場所で待ち合わせね!行ってきま~す」
「デレからの急激なスン!!」
あのままだと、道端でハグをしかねなかったので、ルティ的スンモードを発動して躱しておく。
ちょっと涙目だったけど、帰ってからフォローはしようと思う。
期待半分、不安半分で私、初めてのソロでのお仕事頑張ります!!
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