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~おまけ小話~
アルファポリス限定<感謝>SP小話:やはりインポッシブル!
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「チャオ~!アオイちゃん、女子会するわよ、女子会!!」
相変わらず、バターン!と突然家のドアが開き、こちらが『え!何事!?』と理解が追い付く前に話が始まるパターンでアイさんの登場。
「母上、鍵を掛けている意味がないではないですか!いい加減ドアが壊れてしまいます。大体、今日もアオイは私の相手をしなければならないので無理ですよ」
私の今日のスケジュールは『ルティの相手』だけだったのか。でもそれは一日中ベッタリしなければ隙間時間はできるのでは?と思うのですが、いかがか?……うん、ダメか。
「ようするに、あなたの相手をするしか今日は予定がないってことでしょ?たまにはアオイちゃんにも息抜きが必要よ。あと、女子会は男子禁制だから絶対来ないでね。じゃ、夕方までお借りしま~す」
「アイさん!?まさかのたわら担ぎ!!私、自分で歩けます……アイさーーん!!」
「あっ!母上!!アオイを返し……アオイーーーー!!!」
あー…これはまた帰ったらベッタリ症候群が出るんだろうなぁ。しなびれていないといいけど。
いつかのように、また拉致られた私。いつも思うんだけど、思い立ったが吉日タイプなのかな?事前に約束とか、何時にここね、みたいなやり取りがほぼない。
そうしてバビューン!と連れて来られたのは、小さなバラ園かと思うようなガゼボ。そこにはシルバーさんもすでに座っていて……ん?もう一つカップがあるけど。ミノモン!?え?ミノモンって紅茶飲めるんだ……。
私とアイさんが座ると、早速女子会が始まった。
「今日はお招き頂きまして、ありがとうございます。アイさん、このガゼボもバラ園もすごく素敵ですね」
「そう、良かったわ!この辺りをあなた達の結婚式の会場にしようかしらって考えているのよ。もちろんこんな小さなものじゃないわよ?拡大するつもりだから安心してね♡」
『ゴホッ!!』私は盛大に吹き出し掛けたけど、器官に詰まらすだけに留めた。しかし、今『結婚式』って言ってなかった?いや、ですから私達ようやくお付き合いを始めたところでして……って聞いてます?
「アイ、バラは何色を多く使うの?やっぱりラズベリーピンクかしら」
「そうねぇ、ルーティエの色がないと本人も納得しないでしょうしね」
「そうなるとドレスもそれに合わせた方がいいわよね?ミノモンはどう思う?」
㋯「…………」
「そうねぇ、確かに。うん、うん、そうね」
㋯「…………」
「うっそ!やだぁ~あなた達いつの間に~照れちゃってkawaii~!!」
うん。女子会って言ってたけど、中身は結婚式の打ち合わせか何かになってない?それからミノモンは念話オンリーだから、すっごく楽しい内容らしいけど、音を発しない以上はさすがのスーパー翻訳機もわからないわけでしてね、ええ。
私はとりあえず微笑みだけ浮かべながら、とてもお上品な紅茶を啜っておこう。うん、美味。
「あ、アオイちゃんは念話できないのだったわね。うっかりしていたわ、ごめんなさい。ミノモンはね『男性は自分の色を纏って貰いたがる習性があるよね~』『ジグミンも私に自分の糸だけで作ったものをよく渡してくるの』って言ってて」
「え、お二人は付き合っていたんですか!?職場恋愛ですね、素敵~」
㋯「…………」
「あら、そうなの?なんか『私達そういう関係じゃないです。彼のことは好きだし、尊敬しているけど好みじゃないし』って」
「そ、そうなんですか……好みじゃないんじゃ仕方ないですね」
ミノモンは案外魔性のメスなのかもしれない。「職場恋愛、素敵」と言った私の言葉はとりあえず忘れて下さい。
「そ・れ・よ・り・も!アオイちゃんは?息子のどこに惹かれたのかしら~?」
「やだぁ~アイったら、まだアレの用意してないじゃなぁい。せっかちさんなんだから……で?どうなの?」
「ふぇ!?わ、私ですか」
まさかの矛先がこちらに向くとは……。
「そうね。じゃあ、そろそろティータイムを終了して、アルコールタイムとしましょうか!」
「え、そろそろって?いや、まだ明るい……」
「そうよぉ!やっぱりほろ酔いくらいが饒舌になるものよ~。飲んで飲んで飲みまくるわよぉ!」
㋯「………」(飲むぞぉ!)
ミノモンはお酒も嗜めるのかーい!!
◇◇◇◇
「ただいまぁ~!ルーティエ、アオイちゃんを受け取ってちょうだい」
「受け取るとは……え?アオイにお酒を飲ませたのですか!?」
「え~全っ然!お酒なんてこれ~ぽっちしか飲んでませんけろ~?」
「結局、飲んでいるじゃないですか!一体どれほど飲ませたのです?」
「こう見えて、エールジョッキ一杯程度なのよねぇ。アルコールにここまで弱いと思わなかったのよ。まぁお陰で色々聞き出せたけどね、うふふ」
『じゃ、あとは宜しくねぇ~』と無責任にも母上はそのまま帰って行った。全く、こちらはアオイ不足で帰ったら膝上ポジションで愛でようと思っていたのに……じっと座っていられるかも怪しいですね。
「アオイ、女子会は楽しかったですか?」
「ん~?うん、最初はびっくりしたけろ。ルティの話いっーぱい聞かれちゃったー」
「私の話?どんな話です?」
自分の話をされていたのでは聞き出さないわけにはいきませんよね。私はアオイを横抱きで膝に乗せ、続きを促した。早くしないと彼女は寝落ちしてしまう。
『え~っと、カッコいいでしょ、強いでしょ……』とどうやら私の良いと思うところを聞かれた様子。多少理解はしていても、やはり彼女の口から直接言われるのは嬉しい。『それで?他には?』と続きを促す。
「……ちょっと執着が強いでしょ、カッコいいでしょ、ちょっと嫉妬心も強いでしょ、カッコいいでしょ、私より器用でちょっとムカつくでしょ、カッコいいでしょ、ちょっと束縛……」
「お待ち下さい!!」
なんですか?その『好き、嫌い、好き、嫌い』と花占いのように、テンポ良く褒めているのか貶しているのか……いえ、回数は同じでも、褒めているワードは『カッコいい』一つのみなので、ようするに嫌われているのでしょうか?
「ア、アオイ?そんなに不満が溜まっていたのですか?もう心は傾けて頂けないのでしょうか?」
ようやく心を頂けたことで、自分でもかつてない程のテンションで毎日生活している自覚はあります。執着・嫉妬・束縛……これも……くっ、自覚があります!器用さだけでも、どうにか話し合いで解決できないでしょうか?
「不満?う~ん……。不満じゃないとも言わないけろ、今のところ言うほろ気にしてないよ。だってそれがルティな気がするし。そうじゃないルティは別人っぽく思うかも?へへ」
「アオイ……それが私だと言われてあっさり『そうですか』と受け入れるのもどうかと思いますが、ひとまず嫌われていないのでしたら良しとします」
酔っぱらいの戯言ともとれなくはないが、アオイは酔った時に本音も出やすいとも思うし……とりあえず言われたことは胸に刻んでおきましょう。治せるかどうかは残念ながら自信がありませんが、当面の努力目標とします。
結局、そのまま私の腕の中で『スゥスゥ』と気持ち良さそうに眠ってしまったアオイを眺めつつ、一人反省会を行った。
――翌朝
「なんか今日のルティはちょっとよそよそしいけど、どうしたの?いつもなら絶対に隣にぴったり座るのに」
「いえ、今日はこちらのアングルからアオイを愛でようかと思いまして」
同じソファに座れば当然ぴったりくっつきたくなってしまうので、一応、ダイニングテーブル側の椅子へ座り、束縛部分の緩和を図ってみました。
「そうなんだ……でも隣にいなきゃいないで、やっぱり落ち着かないもの……って、うわぁ!!」
「そうですよね!私も全く同じことを思っておりました。やはり私達は二人一緒にいなければなりませんよね!」
アオイ本人が求めてくれるのであれば離れている必要性は全くないので、すぐにぴったりポジションへ戻る。
「アオイ、本当に申し訳ございません」
「??なにが?急に来たことならもういいよ」
いいえ、そうではありません。執着・嫉妬・束縛を失くすというミッションは、やはり私にはインポッシブルなようなので、慣れて頂く方向でお願い致します。
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