23 / 89
第23話 心のトゲ
しおりを挟む白来館女学院の高等部1年Sクラスでは、ウエノ美術館にジャン=フランソワ・ミレーの絵画が展示される事を受けて従来の校外学習を急遽変更してミレーの観賞会となった。
今日から展示が始まるらしく女学院の生徒達が行くのは明後日となる。
警備関係の調整で、初日には間に合わなかったようだ。
「楽しみですわね。ミレーの『オフィーリア』を見るのはロンドンのテート・ブリテン美術館で見た以来ですわ」
お淑やかにそう話す黄嶋家の令嬢、黄嶋琴音は、お付きの前沢園恵に嬉しそうに話している。
黄嶋家は、芸術面でも特に絵画に惹かれており、黄嶋美術館を持っているほど絵画に目がない一族だ。
「そうですね。お嬢様がテート・ブリテン美術館を訪れた時、帰りたくないと我が儘を言われたのは記憶に残っております」
「園恵、その事は言わない約束でしょう。全く、園恵は、いつのその事を言って私を辱めるのですから、嫌いになりますよ」
前沢園恵は、いつものことのように笑みを浮かべて話す。
「琴音お嬢様、私が居なくなったらお困りになるのは琴音お嬢様ですよ。例えば……」
「わ、わかったわ。好きにしなさい」
小さい頃から一緒にいるこの2人には、隠し事はできないようだ。
そんなSクラスの中で最後部の席に座っているのは白鴎院百合子だった。
百合子はクラスのそんな風景を見て微笑ましく思っていた。
「皆さん、お付きの方とは仲良しですわね」
「そうですね、お嬢様」
百合子の問いに答えたのは遊佐和真里。
百合子のお付きの女性だ。
「百合子様はミレーの『オフィーリア』は、初めてですよね」
「ええ、パリで「落穂拾い」は見た事があります。『オフィーリア』は写真でしか見た事がないですよ」
「これは楽しみですね」
「ええ、日本で見られるのですから今から楽しみです。それと黄嶋家が所有していらっしゃるモネの作品もいつか拝見してみたいです」
百合子がそう話しているのが聞こえたのか、黄嶋琴音が百合子の前に立ちゆっくりと頭を下げた。
「百合子様、ご機嫌麗しゅうございます。私のような者が白鴎院百合子様にお声がけするのは失礼と存じましたが、当家所有のモネの作品について見てみたいとおっしゃられておりましたので、失礼を存じてお誘いに参りました」
「まあ、琴音様、そんな堅苦しい物言いされなくて大丈夫ですわ。確かに機会があればモネの作品を見てみたいですわ。お誘いを受けてもよろしくて?」
「はい、今日は記念となる日となりましたわ。百合子様とお話ができた日ですし、ミレーを見られると知った日でもあります。私、今日という日を一生忘れませんわ」
「私こそ、琴音様とお話できて嬉しいですわ。できましたらミレーの作品もご一緒に拝見したいと思ってます」
「まあ、更に良い事がありました。私の幸運は今日という日に全部使ってしまったようです。こちらこそ、ご一緒させてくださいませ」
名家同士の令嬢は、些細な事で家との対立が起こる可能性を秘めているので、基本的には同じクラスの生徒でも話す相手はお付きの者だけだった。
琴音が思い切って百合子に話しかけた事は、他の名家にとって驚きのことでもあったが、百合子はどこか嬉しそうだった。
◆
クレープ屋さんの横にあるテラスで俺達はまさかの再会を果たした。
「あの~~東藤先輩、下の名前は和輝と言うのですよね。どのような漢字なんですか?」
沙希に質問され、慌てる俺。
ニタニタと笑みを浮かべるメイ。
「え~~と、昭和の和にかがやくという漢字で和輝だ」
『同じだ……』
沙希は小さな声で呟いたが、俺にはしっかりと聞こえている。
これ以上、情報を与えたらいけない気がする。
「メイ、そろそろ行こうか」
俺は立ち上がってメイを促す。
しかし、メイは座ったままだ。
「まだ、いいネ。もう少しみんなと話したいネ。仲良くなる秘訣は会話なのヨ」
こいつ、後で覚えてろ……
「その、東藤先輩は帰国子女なんですよね。どこの国から来られたのですか?」
どこの国と言われても世界中のあちこちに居たから返答のしようがない。
「それはネ。私とグーグは世界中を渡り歩いてたネ。一か所に定住する事は殆ど無かったヨ。特に長かったのは合衆国ネ。免許をとる為、3ヶ月は居たよ」
「東藤君って凄いんだネ。それってお父さんの仕事か何か?」
鴨志田さんは悪気もなくそう聞く。
「違うネ。私とグーグは親はいないネ。保護してくれた女性と仕事をしてたネ」
「メイ、それ以上は……」
俺はメイだけに殺気を当てた。
既に多くの情報を沙希に渡してしまっている。
勘の良い子ならおかしいと気づくはずだ。
「お~~怖い、わかったヨ。もう何も言わないネ」
「メイ、もう行くぞ。鴨志田さんノートありがとう。それから皆さん、また」
俺はメイを動きづらい手で捕まえてその場を去る。
店から離れた場所で俺はメイと話した。
「メイ、どういうつもりだ?」
「グーグ、何を怒ってる。全部本当の事ネ」
「だから、なぜ沙希に……」
「今の言葉で予想が確信に変わったネ。神宮司沙希、一応同姓同名の可能性も考慮したけどあの沙希はグーグの実の妹の沙希なのネ」
「ああ、そうだ。会うつもりも会話する予定も無かった。ただ、遠くから見守るだけで良かった」
「良くないよ。実の妹が目の前にいるネ、なのにどうして名乗りを上げない。メイは会いたくてもそれができない。グーグはバカだ。世界中どこ探してもいないほどのバカなのネ」
メイは怒りながら涙を流していた。
メイの環境もわかってた。
だから、沙希に会う事はメイを悲しませる事に比例する。
でも、そんな考えは建前だ。
怖いんだ。
ただ、怖い……
「メイ、俺は怖いんだよ……」
「うん、それはわかるネ。メイも同じだから……」
裏の世界で人を殺し続けた俺とメイ。
光り輝く表の世界は眩しくて息が詰まりそうだ。
この世界で生きる事は俺とメイにとって苦痛でしかない。
何気ない日常が胸を抉る。
無邪気な生徒の会話は刃物のように俺達を斬り裂く。
逃げて闇の世界で密かに生きる事がどんなに楽な事か。
そういう風にしか、生きてこれなかったのだから……
俺はメイを胸に抑え落ち着くのを待っている事しか出来なかった。
◆
和輝とメイが帰って行ったクレープ屋さんの横のテラスでは、尋常じゃない様子だった和輝の事で話し合っていた。
「なんかおかしかったよね。東藤先輩」
瑠美は突撃型のタイプだが、空気が読めないわけではない。
寧ろ、みんなの空気を読んで行動しているところがある。
それは、カズキの事を知りたかった沙希の為でもあった。
「鴨志田先輩、東藤先輩ってどんな人なんですか?」
沙希は胸に刺さったトゲが取れない、モヤモヤした気持ちを感じていた。
確信などは全く無い。
生きている可能性の方が低いのだ。
父はもう諦めている。
母は心労がたたって入退院を繰り返しており、近年は、ずっと自分の病院に入院している。
「東藤君は、私も良くは知らないんだぁ。同じ美化委員なんだけど無口であまり喋らないの。だけど仕事は真面目に一生懸命するんだよ」
「仲の良い友達とか知りませんか?」
「クラスで話した事のあるのは多分、私だけだよ。いつも1人で本を読んでいるの」
「沙希、なんでそんなに東藤先輩の事を知りたいの?私はてっきり助けてもらったから好意を持ってるのかな、って思ったけど、そんな感じとちょっと違うよね」
沙希は、自分で納得させるかのように小さく頷いて話し始めた。
「電車の中で助けてもらった時から感じてるの。名前は今日初めて知ったけど、とても暖かくて居心地がいいのよ」
「それって好きなんじゃ……」
「瑠美、ちょっと違うの。うまく言葉にできないんだけど、ふう~~、お兄ちゃんに似てるの!」
「それって行方不明になったお兄さんってこと?」
「12年前、ベトナムのホーチミン市のプーミー港湾地区に停泊中だった豪華客船シー・サマー号がテロリスト集団に襲われた事件があったの。私の祖父母と兄が乗ってたわ。私とお母さんも行く予定だったんだけど出発前に風邪を拗らせてしまったのよ。結局、お母さんと私は日本に残ったわ。でも、それが、あの事件に遭ってしまって……」
沙希は涙ぐんでいた。
今まで誰にも言えなかった事だ。
心の奥底から記憶と感情が押し寄せてくる。
「沙希、辛いのなら話さなくていいから」
「そうよ。沙希ちゃん」
「いいえ、聞いて下さい。お願いします………」
沙希は大きく深呼吸をして心を落ち着かせた。
「それで、ホーチミン市のプーミーで停泊中の豪華客船に押し入ったテロ組織『血塗られた鷹は、客船に乗泊していた乗客の約半数を殺し、そこにいた子供達6名を拉致したのよ」
「「えっ!」」
「その話は聞いた事があるわ。でも拉致されたなんて事実はなかったはずよ」
「その船にたまたま乗っていた白鴎院家の御子息が一緒に拉致されたから情報規制がかかったの。いまだ生死もわからない状態なのよ……」
「そんな……」
「お兄ちゃんはその船に乗っていてテロ組織に拉致された。お祖父ちゃんもお祖母さんも銃撃されて殺された。生き残った人の証言からお兄ちゃんが拉致されたとわかったの。そのお兄ちゃんの名前が和輝。昭和の和にかがやくと書いて和輝なの。あのお兄ちゃんみたいって思ってた東藤さんと同じ名前なのよ」
「「…………」」
あまりにも衝撃な告白で瑠美も鴨志田結衣も言葉にならなかった。
さっきの沙希を前にした東藤和輝の違和感が『スーー』っと嵌まっていく様子をみんなが感じていた。
「東藤君って不思議な男の子なんだ。どこか影があってみんなとわざと距離を置いてる。まるで仲良くなっちゃいけないって心で縛ってる感じなんだ。だから、沙希ちゃんの話を聞いて、もしかしたらそうかもって考えてしまう。でも、東藤君がそうだとしても自分からは絶対言わない気がする」
「沙希、さっきみんなと連絡先を交換したよね。あのメイって子なら話してくれるかもよ。それに東藤先輩が電車の中で泣いた話し、それと今日の様子からすると東藤さんが沙希のお兄さんなら東藤さんは先の事妹だって気付いてるって事でしょう。もし、違うなら残念だけど諦めるしかないと思う。でも、少しでも可能性があるのなら、沙希が失った12年間を取り戻して……」
「鴨志田先輩、瑠美……」
「そうだね、私、お兄ちゃんが居なかった12年間を取り戻したい!」
「うん、協力するわ」
「私もね」
先が見えない状態で動こうとする神宮司沙希。
(親友と先輩が背中を押してくれたから動き出せるよ。お兄ちゃん、待っててね……)
沙希は心の中で刺さったトゲがゆっくり溶け出していくのを感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる