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23話:大魔道士の忠告
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「あ、あ、あ、ありがとうございます……! 勿体なきお言葉……!」
コルンは壊れた玩具のように、何度も何度も頭を下げた。
憧れの伝説に褒められた衝撃で、腰が抜けているのだろう。その哀れで滑稽な姿を一瞥し、モルガナはふわりと虚空へ足を踏み出した。
カツン、カツン──。
見えざる階段がそこにあるかのように、硬質な足音が高らかに響く。優雅な降下。
そして、音もなく地面に降り立った瞬間――その場の空気が凍りついた。
先ほどまでの柔らかな称賛は霧散し、絶対零度の視線がリネットを射抜く。
「……貴様。あの動きはなんだ?」
地を這うような低い声。リネットは喉の奥でひゅっと息を呑んだ。
「貴様の動きは『狩人』の作法でありながら、その本質が全く異なっている」
「え……?」
唇から、間の抜けた声が漏れる。
「姿勢を低く保つ駆り方、気配の断ち方、そして私様へのアプローチ……。その全てが、森で獲物を追い詰める狩人の技術だ」
モルガナはリネットの周りをゆっくりと回遊しながら、解剖するように言葉を紡ぐ。
「だが、貴様のそのしなるような身体、反射的に飛び出す大胆な発想……。それらは慎重さを旨とする狩人には向いておらぬ」
言葉の刃が、的確にリネットの抱える「違和感」を抉り出していく。
「今の貴様は、全てにおいて中途半端な小娘に過ぎない」
「……っ」
矢継ぎ早に飛んでくる批評に、リネットは反論を封じられた。
図星だったからだ。
村では「狩り」として通用していた技術が、この世界では「歪」だと断じられている。
モルガナは足を止め、つまらなそうに鼻を鳴らした。
「そうさなぁ……。強いて型に嵌めるならば、『剣闘士(グラディエーター)』とでも言うべきか」
「……剣士や、戦士ではなく?」
リ・ポーションの効果で痛みこそ引いたが、泥のような倦怠感の中でリネットは問い返す。
剣闘士──その単語には、どこか野蛮で、見世物じみた響きがあった。
だが、モルガナは嘲るように口角を吊り上げる。
「たわけめ。規律ある戦士や、型を重んじる剣士などで、貴様のそのデタラメな剣術が輝くものか」
冷ややかな視線が、リネットの足元へと流れた。
「特に貴様……少々『足癖』が悪いようだからな」
(……ッ!?)
背筋に冷たいものが走る。
(この人……どこまで見えてるの……?)
戦闘中、一瞬だけ放とうとした蹴り。あるいは、スカートが翻るのも構わず跳躍した無作法さ。
その刹那の挙動から、リネットの本質――泥臭く、なりふり構わず勝利をもぎ取ろうとする性分――を見透かされた気がした。
冷酷な断言。
だがそれは、突き放すと同時に「お前の生きる道はそちらだ」と、道筋(ルート)を提示されているようでもあった。
モルガナは呆れたように肩をすくめる。
「オーウェンめ。何が『弟子ができた』だ……。素材の活かし方も教えられぬとは、これでは教育者として失敗と、そう断罪せねばなるまいな」
「……っ!!!」
師を愚弄された怒りが、胸の奥で爆ぜる。
だが、食ってかかろうとしたリネットは、ギリと奥歯を噛み締めてその言葉を飲み込んだ。
反論など、できるはずがない。
手も足も出ず、赤子のようにあしらわれた現実。何より、目の前の怪物は、まだ指先一つ分の実力さえ見せていないのだから。
圧倒的な敗北感に、握りしめた拳が震えた。
「一つだけ……」
心を砕かれ、膝をついたまま、リネットは声を絞り出す。
恐怖よりも、疑問が勝った。師の言葉を否定されたままでは終われない。
「オーウェンさんと、あなたの関係は……?」
問いを聞いた瞬間、モルガナの細めた瞳がギラリと怪しく光った。
温度のない笑みが、口元に浮かぶ。
「彼奴(きゃつ)は……私様にとって『因縁』と呼べる敵だ」
吐き捨てるように、忌々しげにモルガナは告げた。
「オーウェン。奴は純種のエルフだ。数千年を生きるがゆえに、その価値観、人間という種を観察する視座(しざ)が、もはや常軌を逸している」
モルガナは虚空を睨みつける。
「弟子として迎えた貴様のどこに奴が惹かれたのか……私様ですら想像の域を出ないが。奴の戯言(ざれごと)のみを鵜呑みにし、自分の頭で咀嚼せぬ貴様もまた、愚かである」
「……っ」
次々と浴びせられる礫(つぶて)のような言葉に、リネットのプライドはずたずたに引き裂かれた。
尊敬する師と、自分自身への全否定。
返す言葉もなく、ただ己の無力さを噛み締めて俯くしかない。
「……だが、まぁ」
不意に、声の色が変わった。
「才能において、見るべき所はある。……この私様に一発入れようとした、その『胆力』。あれだけは気に入った」
「……え?」
予期せぬ称賛に、リネットはバッと顔を上げる。
そこには冷徹な観察者の目ではなく、少しだけ楽しげな色を浮かべた男がいた。
彼は、膝を抱えて座り込んでいるリネットの鼻先へ、ビシッと人差し指を突きつける。
「故に忠告してやる。貴様が教えを乞うべきは『剣闘士(グラディエーター)』だ。決して狩人などではあらぬ」
(……剣闘士)
その言葉が、重く胸に沈殿する。
野蛮だと敬遠した響きが、今は不思議と、自分の中に欠けていたピースのように感じられた。
「今回の試験では……そうさな、十点やろう」
「じゅ、十点……?」
あまりの低さにリネットが瞬きをすると、モルガナは不敵に笑う。
「勘違いするな? この私様からの十点は、凡百の称賛よりも遥かに重いぞ」
そして、彼は宣告した。
「今後も定期的に、貴様を試してやる。……今は見逃してやるが」
モルガナの姿が、陽炎のように揺らぎ始める。
その輪郭が薄れていく中で、最後の一言だけが、呪いのようにリネットの耳にこびりついた。
「ゆめ忘れるな。私様の期待を裏切るようなら……その時は容赦などせん。その場で殺してやる」
「……ふん」
興味の失せた吐息が落ちる。
モルガナは、もはやリネットたちを路傍の石とでも思っているのか、無造作に背を向けた。
「私様は飽きた。興も削がれたことだし、根城へ戻って実験の再開でもするか……」
独り言のように呟き、宙に浮いたまま去ろうとする。
だが、数メートル進んだところで、彼は思い出したように振り返った。
「おい。そこのハーフエルフの少年」
「は、は、はいいっ!!?」
急に指名されたコルンが、ビクゥッ! と肩を跳ね上がらせて直立不動になる。
モルガナは、ゴミを見るような、しかしどこか呆れたような視線でリネットを顎でしゃくった。
「貴様のその、多少は役に立つ魔法で……そこの小娘の服を直してやれ」
「え?」
「そんな見るも無惨な格好で大通りを歩かれては、私様の街(ルミエーラ)の品位が下がる」
モルガナの冷ややかな指摘に、リネットはハッとして自分の体を見下ろした。
戦闘の興奮と痛みで、今の今まで忘れていた現実がそこにあった。
「あ……」
思考が停止する。
スカートには、太腿の付け根近くまで届く大きな裂け目が走っていた。
黒い煤(すす)汚れと共に覗くのは、健康的な白い素肌と――隠すべき純白の下着(パンツ)。
さらに、衝撃で留め具が弾け飛んだのか、胸元の生地が大きくはだけ、豊かな双丘の谷間が露わになっている。
風が吹けば、全てが見えてしまいそうな危うさだった。
「~~~~ッッ!!?」
瞬間、リネットの顔が一気に沸騰した。
耳まで真っ赤に染め上げ、慌てて手でスカートの裂け目と胸元を隠す。
(っ~! 自爆覚悟で『爆発』なんかしたから……服が耐えきれなくて……!!!)
脳裏に蘇る、先ほどの無謀な特攻。
首を絞められ、意識が飛びそうな中で放った奥の手『爆発する蹴り(バースト・レッグ)』。
あれは確かにモルガナの脇腹を捉えたが、同時にゼロ距離で発生した爆風が、リネット自身の衣服をも無慈悲に引き裂いていたのだ。
あれは、彼女なりの決死の抵抗の証だった。
けれど、その代償はあまりにも――。
(やらなきゃよかった~……!!)
羞恥心で涙目になりながら、リネットはその場にうずくまるように身を縮こまらせた。
コルンは壊れた玩具のように、何度も何度も頭を下げた。
憧れの伝説に褒められた衝撃で、腰が抜けているのだろう。その哀れで滑稽な姿を一瞥し、モルガナはふわりと虚空へ足を踏み出した。
カツン、カツン──。
見えざる階段がそこにあるかのように、硬質な足音が高らかに響く。優雅な降下。
そして、音もなく地面に降り立った瞬間――その場の空気が凍りついた。
先ほどまでの柔らかな称賛は霧散し、絶対零度の視線がリネットを射抜く。
「……貴様。あの動きはなんだ?」
地を這うような低い声。リネットは喉の奥でひゅっと息を呑んだ。
「貴様の動きは『狩人』の作法でありながら、その本質が全く異なっている」
「え……?」
唇から、間の抜けた声が漏れる。
「姿勢を低く保つ駆り方、気配の断ち方、そして私様へのアプローチ……。その全てが、森で獲物を追い詰める狩人の技術だ」
モルガナはリネットの周りをゆっくりと回遊しながら、解剖するように言葉を紡ぐ。
「だが、貴様のそのしなるような身体、反射的に飛び出す大胆な発想……。それらは慎重さを旨とする狩人には向いておらぬ」
言葉の刃が、的確にリネットの抱える「違和感」を抉り出していく。
「今の貴様は、全てにおいて中途半端な小娘に過ぎない」
「……っ」
矢継ぎ早に飛んでくる批評に、リネットは反論を封じられた。
図星だったからだ。
村では「狩り」として通用していた技術が、この世界では「歪」だと断じられている。
モルガナは足を止め、つまらなそうに鼻を鳴らした。
「そうさなぁ……。強いて型に嵌めるならば、『剣闘士(グラディエーター)』とでも言うべきか」
「……剣士や、戦士ではなく?」
リ・ポーションの効果で痛みこそ引いたが、泥のような倦怠感の中でリネットは問い返す。
剣闘士──その単語には、どこか野蛮で、見世物じみた響きがあった。
だが、モルガナは嘲るように口角を吊り上げる。
「たわけめ。規律ある戦士や、型を重んじる剣士などで、貴様のそのデタラメな剣術が輝くものか」
冷ややかな視線が、リネットの足元へと流れた。
「特に貴様……少々『足癖』が悪いようだからな」
(……ッ!?)
背筋に冷たいものが走る。
(この人……どこまで見えてるの……?)
戦闘中、一瞬だけ放とうとした蹴り。あるいは、スカートが翻るのも構わず跳躍した無作法さ。
その刹那の挙動から、リネットの本質――泥臭く、なりふり構わず勝利をもぎ取ろうとする性分――を見透かされた気がした。
冷酷な断言。
だがそれは、突き放すと同時に「お前の生きる道はそちらだ」と、道筋(ルート)を提示されているようでもあった。
モルガナは呆れたように肩をすくめる。
「オーウェンめ。何が『弟子ができた』だ……。素材の活かし方も教えられぬとは、これでは教育者として失敗と、そう断罪せねばなるまいな」
「……っ!!!」
師を愚弄された怒りが、胸の奥で爆ぜる。
だが、食ってかかろうとしたリネットは、ギリと奥歯を噛み締めてその言葉を飲み込んだ。
反論など、できるはずがない。
手も足も出ず、赤子のようにあしらわれた現実。何より、目の前の怪物は、まだ指先一つ分の実力さえ見せていないのだから。
圧倒的な敗北感に、握りしめた拳が震えた。
「一つだけ……」
心を砕かれ、膝をついたまま、リネットは声を絞り出す。
恐怖よりも、疑問が勝った。師の言葉を否定されたままでは終われない。
「オーウェンさんと、あなたの関係は……?」
問いを聞いた瞬間、モルガナの細めた瞳がギラリと怪しく光った。
温度のない笑みが、口元に浮かぶ。
「彼奴(きゃつ)は……私様にとって『因縁』と呼べる敵だ」
吐き捨てるように、忌々しげにモルガナは告げた。
「オーウェン。奴は純種のエルフだ。数千年を生きるがゆえに、その価値観、人間という種を観察する視座(しざ)が、もはや常軌を逸している」
モルガナは虚空を睨みつける。
「弟子として迎えた貴様のどこに奴が惹かれたのか……私様ですら想像の域を出ないが。奴の戯言(ざれごと)のみを鵜呑みにし、自分の頭で咀嚼せぬ貴様もまた、愚かである」
「……っ」
次々と浴びせられる礫(つぶて)のような言葉に、リネットのプライドはずたずたに引き裂かれた。
尊敬する師と、自分自身への全否定。
返す言葉もなく、ただ己の無力さを噛み締めて俯くしかない。
「……だが、まぁ」
不意に、声の色が変わった。
「才能において、見るべき所はある。……この私様に一発入れようとした、その『胆力』。あれだけは気に入った」
「……え?」
予期せぬ称賛に、リネットはバッと顔を上げる。
そこには冷徹な観察者の目ではなく、少しだけ楽しげな色を浮かべた男がいた。
彼は、膝を抱えて座り込んでいるリネットの鼻先へ、ビシッと人差し指を突きつける。
「故に忠告してやる。貴様が教えを乞うべきは『剣闘士(グラディエーター)』だ。決して狩人などではあらぬ」
(……剣闘士)
その言葉が、重く胸に沈殿する。
野蛮だと敬遠した響きが、今は不思議と、自分の中に欠けていたピースのように感じられた。
「今回の試験では……そうさな、十点やろう」
「じゅ、十点……?」
あまりの低さにリネットが瞬きをすると、モルガナは不敵に笑う。
「勘違いするな? この私様からの十点は、凡百の称賛よりも遥かに重いぞ」
そして、彼は宣告した。
「今後も定期的に、貴様を試してやる。……今は見逃してやるが」
モルガナの姿が、陽炎のように揺らぎ始める。
その輪郭が薄れていく中で、最後の一言だけが、呪いのようにリネットの耳にこびりついた。
「ゆめ忘れるな。私様の期待を裏切るようなら……その時は容赦などせん。その場で殺してやる」
「……ふん」
興味の失せた吐息が落ちる。
モルガナは、もはやリネットたちを路傍の石とでも思っているのか、無造作に背を向けた。
「私様は飽きた。興も削がれたことだし、根城へ戻って実験の再開でもするか……」
独り言のように呟き、宙に浮いたまま去ろうとする。
だが、数メートル進んだところで、彼は思い出したように振り返った。
「おい。そこのハーフエルフの少年」
「は、は、はいいっ!!?」
急に指名されたコルンが、ビクゥッ! と肩を跳ね上がらせて直立不動になる。
モルガナは、ゴミを見るような、しかしどこか呆れたような視線でリネットを顎でしゃくった。
「貴様のその、多少は役に立つ魔法で……そこの小娘の服を直してやれ」
「え?」
「そんな見るも無惨な格好で大通りを歩かれては、私様の街(ルミエーラ)の品位が下がる」
モルガナの冷ややかな指摘に、リネットはハッとして自分の体を見下ろした。
戦闘の興奮と痛みで、今の今まで忘れていた現実がそこにあった。
「あ……」
思考が停止する。
スカートには、太腿の付け根近くまで届く大きな裂け目が走っていた。
黒い煤(すす)汚れと共に覗くのは、健康的な白い素肌と――隠すべき純白の下着(パンツ)。
さらに、衝撃で留め具が弾け飛んだのか、胸元の生地が大きくはだけ、豊かな双丘の谷間が露わになっている。
風が吹けば、全てが見えてしまいそうな危うさだった。
「~~~~ッッ!!?」
瞬間、リネットの顔が一気に沸騰した。
耳まで真っ赤に染め上げ、慌てて手でスカートの裂け目と胸元を隠す。
(っ~! 自爆覚悟で『爆発』なんかしたから……服が耐えきれなくて……!!!)
脳裏に蘇る、先ほどの無謀な特攻。
首を絞められ、意識が飛びそうな中で放った奥の手『爆発する蹴り(バースト・レッグ)』。
あれは確かにモルガナの脇腹を捉えたが、同時にゼロ距離で発生した爆風が、リネット自身の衣服をも無慈悲に引き裂いていたのだ。
あれは、彼女なりの決死の抵抗の証だった。
けれど、その代償はあまりにも――。
(やらなきゃよかった~……!!)
羞恥心で涙目になりながら、リネットはその場にうずくまるように身を縮こまらせた。
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