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Nature
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千歳と紗奈がダンテと共にアメリカに来て1週間が経った。千歳と紗奈はダンテに連れられトリックスター国立公園と、同じく世界遺産であるロフティ・キャニオンを巡った。
ダンテ夫妻や紗奈と共に世界遺産を見てまわるのはとても楽しかった、しかしこの1週間のあいだに龍脈の修行を一切していないため千歳は焦燥感に駆られる。
そんな千歳を見てダンテが声をかける。
「チトセ、どうだった?世界遺産、2ヶ所ほどしか連れて行けてないが。」
「そりゃ楽しかったしすごかったよ、大自然に圧倒されたけど感動したし。それになんかエネルギーをもらってるような感覚もしたし・・・」
千歳の言葉に満足気な笑みを浮かべ、ダンテは千歳を誘い外に出る。外に出るとダンテが青い炎を身体に纏い始め、そしてそれに倣うように千歳も黒い影を纏うとダンテは頷き『ついてきて。』と言って飛翔する。
ーーーーー
ーーー
ー
「さて、ここで龍脈の修行を始めよう、ここなら人も寄り付かない。」
2人が降り立ったのは見渡す限りの荒野で周りに人はいない、建物も無く高い岩が所々にそびえ立っている。
「さっそくだがチトセ、君は既に龍脈を習得している。」
「・・・え?」
突然のダンテの言葉に千歳は思わず間の抜けた声をあげて驚いている。
「君が戦いの時に身体に纏っている黒い影、それが龍脈だったんだ。その様子だと、やはり気付いていなかったか。」
「まったく知らなかった・・・」
そもそも『龍脈』というのがキャプテン・ドラゴンという作品の中だけのものだと思っていた、そんな自分がその龍脈を既に習得していたとは思いもよらなかった事だ。
「そしてチトセ、君はアメリカに来た時に『なぜアメリカなのか?』と私に聞いたね。その答えのヒントはこの1週間の中にあり、そして今朝、君の口からも出ているんだよ。」
ダンテにそう言われ千歳は考える、アメリカに来てしたことといえば世界遺産を巡って自然を満喫したことくらいだ。そして今朝の自分とダンテの会話、千歳の中に朧気ながらもひとつの答えが浮かぶ。
「・・・龍脈は自然のエネルギー?」
「Correct!君が言った『自然からエネルギーをもらってるような感覚』、それが龍脈のBaseなんだ。短い期間で龍脈がどういったものなのかを理解するにはアメリカの広大な自然に触れるのが1番だと思ってね・・・」
そう言ってダンテは周りを見渡すと1番近くにある大きな赤い岩に歩み寄る、そして自身の龍脈である青い炎をその岩に注ぎはじめた。
「ダンテ?いったい何を・・・」
「ん?修行の準備さ。」
そしてダンテが岩から手を離すと一体の岩の巨人が岩肌から姿を現す。岩の巨人は青い炎を纏っており、ダンテの龍脈の力が流れていることがわかる。ゴーレムは千歳の姿を見ると唸り声をあげ、青白い目を光らせながら千歳に向かって歩き出した。
「さぁ、まずはこの"ゴーレム"を倒すんだ、チトセ!」
「いやいやいや、いきなり過ぎるでしょ!」
明らかに自身の倍以上の体長があるゴーレムが敵意を持った様子で自分に向かって歩いてくる状況に千歳は慌てふためくが、それでも千歳は黒い影を纏い武器も持たずゴーレムに戦いを挑む。
ーーーーー
ーーー
ー
ゴーレムとの戦いが始まってから数時間が経ち、千歳はかなり疲弊していた。黒い影の龍脈を纏いナガトと戦った時のように千尋の格闘術を模倣してゴーレムにダメージを与えていたが、ゴーレムは千歳の攻撃を受けてできた傷を周りの岩石を吸収して修復していた。
しかも修復した箇所は鉱石のように硬くなり千歳がダメージを与えれば与えるほどゴーレムは堅固になっていく。やがて千歳の攻撃はゴーレムに効かなくなり、千歳は防戦一方になっていった。
そして千歳はゴーレムとの戦いの最中で体力を使い果たし倒れた、目が覚めるとゴーレムはおらずダンテが目の前に立っていた。千歳は起き上がり自分が生きていることに安堵のため息をつく、ゴーレムが自身に向けていた敵意はもはや殺意と相違ないものであったと千歳は思い出しゾッとした。
(マジで死ぬかと思った・・・)
「やぁ、具合はどうだい?」
ダンテは千歳にペットボトルの水を手渡しながら声をかける、千歳は礼を言いながら受け取るとキャップを開けて一気飲みした。
「あぁ、今はなんとも、ダンテがゴーレムをなんとかしてくれたんだろう?助かったよ。」
「・・・憶えてないのか?」
ダンテは不思議そうな表情で千歳に問いかける。
「気を失って倒れたところまでは、その後のことは全然憶えてないや。」
「・・・そうか。」
千歳の表情に嘘はない、しかし傍で見守っていたダンテは憶えている。ゴーレムを倒したのは千歳だ。
ゴーレムとの戦いの最中、確かに千歳は一度倒れた。ゴーレムは倒れている千歳に近づくと拳を振り上げ、千歳に向けて振り下ろした。するとダンテが助太刀に入るよりも先に千歳の身体から溢れ出した黒い影がゴーレムの拳を止めた。
そして黒い影は龍の姿へと形を変えるとゴーレムをあっという間に倒し、千歳の身体の中へと戻っていった。ダンテが千歳の様子を見ると気を失い寝息をたてている、ダンテは龍脈を使いゴーレムの残骸となった岩を元の場所へと戻し、千歳の目が覚めるのを待っていた。それから数十分ほどで千歳は目を覚ましたが本人は自分がゴーレムを倒したことを知らない、その事からダンテにひとつの考えが浮かぶ。
(もしかしてチトセの龍脈は本人の意思とは関係なく彼を守っているのか?だとすればまずチトセは自身の龍脈と向き合うことからはじめなければ!)
ダンテ夫妻や紗奈と共に世界遺産を見てまわるのはとても楽しかった、しかしこの1週間のあいだに龍脈の修行を一切していないため千歳は焦燥感に駆られる。
そんな千歳を見てダンテが声をかける。
「チトセ、どうだった?世界遺産、2ヶ所ほどしか連れて行けてないが。」
「そりゃ楽しかったしすごかったよ、大自然に圧倒されたけど感動したし。それになんかエネルギーをもらってるような感覚もしたし・・・」
千歳の言葉に満足気な笑みを浮かべ、ダンテは千歳を誘い外に出る。外に出るとダンテが青い炎を身体に纏い始め、そしてそれに倣うように千歳も黒い影を纏うとダンテは頷き『ついてきて。』と言って飛翔する。
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「さて、ここで龍脈の修行を始めよう、ここなら人も寄り付かない。」
2人が降り立ったのは見渡す限りの荒野で周りに人はいない、建物も無く高い岩が所々にそびえ立っている。
「さっそくだがチトセ、君は既に龍脈を習得している。」
「・・・え?」
突然のダンテの言葉に千歳は思わず間の抜けた声をあげて驚いている。
「君が戦いの時に身体に纏っている黒い影、それが龍脈だったんだ。その様子だと、やはり気付いていなかったか。」
「まったく知らなかった・・・」
そもそも『龍脈』というのがキャプテン・ドラゴンという作品の中だけのものだと思っていた、そんな自分がその龍脈を既に習得していたとは思いもよらなかった事だ。
「そしてチトセ、君はアメリカに来た時に『なぜアメリカなのか?』と私に聞いたね。その答えのヒントはこの1週間の中にあり、そして今朝、君の口からも出ているんだよ。」
ダンテにそう言われ千歳は考える、アメリカに来てしたことといえば世界遺産を巡って自然を満喫したことくらいだ。そして今朝の自分とダンテの会話、千歳の中に朧気ながらもひとつの答えが浮かぶ。
「・・・龍脈は自然のエネルギー?」
「Correct!君が言った『自然からエネルギーをもらってるような感覚』、それが龍脈のBaseなんだ。短い期間で龍脈がどういったものなのかを理解するにはアメリカの広大な自然に触れるのが1番だと思ってね・・・」
そう言ってダンテは周りを見渡すと1番近くにある大きな赤い岩に歩み寄る、そして自身の龍脈である青い炎をその岩に注ぎはじめた。
「ダンテ?いったい何を・・・」
「ん?修行の準備さ。」
そしてダンテが岩から手を離すと一体の岩の巨人が岩肌から姿を現す。岩の巨人は青い炎を纏っており、ダンテの龍脈の力が流れていることがわかる。ゴーレムは千歳の姿を見ると唸り声をあげ、青白い目を光らせながら千歳に向かって歩き出した。
「さぁ、まずはこの"ゴーレム"を倒すんだ、チトセ!」
「いやいやいや、いきなり過ぎるでしょ!」
明らかに自身の倍以上の体長があるゴーレムが敵意を持った様子で自分に向かって歩いてくる状況に千歳は慌てふためくが、それでも千歳は黒い影を纏い武器も持たずゴーレムに戦いを挑む。
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ゴーレムとの戦いが始まってから数時間が経ち、千歳はかなり疲弊していた。黒い影の龍脈を纏いナガトと戦った時のように千尋の格闘術を模倣してゴーレムにダメージを与えていたが、ゴーレムは千歳の攻撃を受けてできた傷を周りの岩石を吸収して修復していた。
しかも修復した箇所は鉱石のように硬くなり千歳がダメージを与えれば与えるほどゴーレムは堅固になっていく。やがて千歳の攻撃はゴーレムに効かなくなり、千歳は防戦一方になっていった。
そして千歳はゴーレムとの戦いの最中で体力を使い果たし倒れた、目が覚めるとゴーレムはおらずダンテが目の前に立っていた。千歳は起き上がり自分が生きていることに安堵のため息をつく、ゴーレムが自身に向けていた敵意はもはや殺意と相違ないものであったと千歳は思い出しゾッとした。
(マジで死ぬかと思った・・・)
「やぁ、具合はどうだい?」
ダンテは千歳にペットボトルの水を手渡しながら声をかける、千歳は礼を言いながら受け取るとキャップを開けて一気飲みした。
「あぁ、今はなんとも、ダンテがゴーレムをなんとかしてくれたんだろう?助かったよ。」
「・・・憶えてないのか?」
ダンテは不思議そうな表情で千歳に問いかける。
「気を失って倒れたところまでは、その後のことは全然憶えてないや。」
「・・・そうか。」
千歳の表情に嘘はない、しかし傍で見守っていたダンテは憶えている。ゴーレムを倒したのは千歳だ。
ゴーレムとの戦いの最中、確かに千歳は一度倒れた。ゴーレムは倒れている千歳に近づくと拳を振り上げ、千歳に向けて振り下ろした。するとダンテが助太刀に入るよりも先に千歳の身体から溢れ出した黒い影がゴーレムの拳を止めた。
そして黒い影は龍の姿へと形を変えるとゴーレムをあっという間に倒し、千歳の身体の中へと戻っていった。ダンテが千歳の様子を見ると気を失い寝息をたてている、ダンテは龍脈を使いゴーレムの残骸となった岩を元の場所へと戻し、千歳の目が覚めるのを待っていた。それから数十分ほどで千歳は目を覚ましたが本人は自分がゴーレムを倒したことを知らない、その事からダンテにひとつの考えが浮かぶ。
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