双子の世界見聞録〜転生したら生まれた集落で忌子呼ばわりされたからとりま双子の妹と一緒に世界を回ることにした話〜

瑠璃川翡翠

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弐章 蒸気の国・エンジーム

十五話、治安回復って何するの?

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「ごめんって風華」


「煩い」


「ごめんってえええ!!!」


兄さんが現在進行形で私に泣き付いている理由は、私が魔力不足の所為で倒れた後、えっと…アデルバードのギルド、ベレッツァに運ばれたんだけど、私が寝てる横で兄さんとアデルバードが煩いの何の…少し怒ったらこうなった。


「フウカ、体調は万全か?」


「万全とまではいかないけど、問題無く動けるよ。それで、聞きたい事があるんだけど」


「何なりと」


何かこの人、動作が一々うやうやしいと言うか…慣れないなあ…


「フィアスボアの群れが襲ってきた時、此処まで侵食して来たって言ってたよね。あれはどう言う意味なの?」


「流石に鋭いな。最近、これまで魔獣が現れた事例の無い場所に、凶暴化した魔獣が次々と出現している。我々の最近の依頼はその突然現れた魔獣の討伐でいっぱいさ」


「理由は分かんのか?」


兄さんの問いにアデルバードは首を緩く横に振った。分かんないんだ…


「本当に突然でね。特に外部のギルド…主にイーブルギルドが活発化したのとは同時期だが…」


「イーブルギルド?何だそれ」


「違法な依頼や闇オークションなど…犯罪に手を染めているギルドの総称だ。人攫いや密猟…殺人なども平気で熟す連中だよ。実に醜いからあまり関わりたく無いのだけれど」


イーブルギルド…あのガルムもどきにも何か関係してるのかな…其処はジャックの意見が無いと何も言えないけど…


「その所為で治安も悪くなって、旅人や観光客も減って、この国は活気が無くなってね…ん、そうだ。ライハとフウカは報酬さえ払えば、個人的な依頼も受けてくれるのかい?」


「ん?嗚呼。報酬は基本何でもいいしな。金でも宿紹介でも街案内でも」


「なら、私直々依頼しようではないか!!フウカ、ライハ!街の治安回復に君達の力を貸し給え!!報酬はそうだな…宿では金が掛かるだろう。依頼完遂までは、このギルドのゲストルームで過ごすと良い。勿論食事付きだ。ついでに街の案内も込みでどうだい?」


治安回復…かなり難しいよね。それ。凶暴化した魔獣の事も調べなきゃだし、イーブルギルドの事もあるから、そう簡単には決められないかも…


「良し任せとけ!!」


「交渉成立だな」


「…」


勝手に決められた…まあ、報酬は魅力的だったし、確かに節約はしないとだから…でも、何で私に一言も相談なく引き受けたかなこのダメ兄は。


「ごめんて風華!!んな睨むな兄ちゃんの心が悲鳴上げてる!!」


「煩い」


「俺さっきからそれしか言われてなくね?泣いて良いか?」


いきなりスンッてした兄さんは放置しておいて取り敢えず、私達は一旦宿に帰って荷物とか持って来ないと。でも…治安回復って…前途多難な気しかしない…
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