双子の世界見聞録〜転生したら生まれた集落で忌子呼ばわりされたからとりま双子の妹と一緒に世界を回ることにした話〜

瑠璃川翡翠

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参章 芸術の国・アーティオン

三十八話、私もやれば出来るからね

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「…ッ!!」


「さっきまでの威勢は何処へ行ったのかな?フウカ」


「速いし…!重い…!」


デュースの短剣を避けながら、神力と魔術で応戦してるんだけど、デュースの速さに私の反射神経と詠唱が追いつかないから、少し不味いかもしれない。


「ウンディーネ、行くよ…荒海あらうみ!」


「水…!?」


大きな波がデュースさんを押し流す。盾を持ったギルドの人達も一緒に。でも、だからと言って戦況が有利になった訳じゃない…どうすれば良いかな…ん?


「ノーム?」


ノームが私に話しかけて来た。兄さんからの伝言らしいけど…


「…そう、分かった。ありがとう、ノーム」


兄さんの伝言を達成するべく、押し流されたデュースさん達が戻って来るのを無視して、地面に杖を刺して、魔力を集中させた。


「おや、ただ水で流しただけにしては随分な余裕じゃないか。フウカ」


「…兄さんは…居た…後は繋げて…」


「無視かい?なら、有り難く捕まえさせて貰うよ!」


「転移!」


視界の端で、驚いた様に目を見開いたデュースさんが写ったけど、私の目の前はすぐに景色が変わって、知らない男の人が立っていた。教会内が所々焦げてる。派手にやったね…


「…お前は」


「風華。此処からは私が相手するよ」


「女を痛ぶる趣味はないんだがな」


大きな槍…速いけどデュースさん程じゃない。それに、足場がこの人はあんまり移動しないから…成程ね、確かにこれは私と兄さん、逆の方が良いかも。


「私も大切な人を攻撃して来た人に手加減はしない主義。って言う事だから…さっさと倒れて欲しいな」


「風か…!」


デュースさんの時は、彼方此方に移動されたから使えなかったけど、この人になら向かい風は効くね。身軽で素早いデュースさんには風や水はあんまりだったけど、速くても一回一回の武器を振った時の隙を使えば、この人に私の魔術は絶対に脅威になる筈!


「シルフ、ウンディーネ…頼んだよ」


暴風の中、あまり身動きが取れていないその人に向かって狙いを定める。ウンディーネの水をシルフが凍える程の風で冷やして、氷を作り出す。それを風の中に投げ入れれば、少しやり方はアレだけど、ちゃんとした攻撃になるから!


「…成程な。確かに見誤っていたか」


「…!!」


イーブルギルドの人が、氷を破壊する為か、それとも今まで本当に手を抜いていたのか分からないけど、槍を大きく回して、風と氷を薙ぎ払った。その槍の切先を、わから私の目の前に突き付ける。


「諦めろ。大人には敵わないぞ」


「其方こそ。子どもだからと舐めないで」


ハッとした様に、その人は足元に目をやった。風を取り払われた時、咄嗟にウンディーネが私を水の膜で守ってくれて、それが槍で壊されて足元が水浸しになっている。その水は、丁度この男の人の足首までの量で、本当に私にとって、最高の仕掛けだから。


「貴方の負け」


「氷が…!何故!?」


男の人の周りだけ、水を凍らせて槍と足ごと地面に固定した。水を氷に変化させる魔術は得意だからね。詠唱無しでいける。外は大丈夫かな…兄さん…
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