双子の世界見聞録〜転生したら生まれた集落で忌子呼ばわりされたからとりま双子の妹と一緒に世界を回ることにした話〜

瑠璃川翡翠

文字の大きさ
141 / 186
肆章 氷雪の国・スノーメイル

四話、私も負けたくないから

しおりを挟む
「精霊探し…か。それは手伝ってやれないな」


「いえ、気持ちだけで嬉しいです。精霊と心を通じ合わせるのは、私が自分でやらないといけないので…」


「氷の精霊、セルシウスか…噂には聞いた事がある。高貴で気高いそれこそ氷の様な固く美しい意志を持つと。それであれば、ライハを契約者に選ぶ事は無いか」


ヴィクトールさんは相変わらず兄さんと仲悪いみたい。でも、精霊の噂とか出るんだ…少し驚いた。


「だが、何か焦っている様にも見える。何かあったのか?」


「…え」


「ライハはお前をよく見ているが、繊細な変化には気付かない様だからな。親しき者の些細な変化に気が付く事も紳士の嗜みだ。俺で良ければ話を聞こう」


…本当に昔からヴィクトールさんは兄さんでも気が付かないくらいの些細な変化にも気が付くよね…怖いと言うか、凄いと言うか…


「…兄さん、ノームと契約したんです」


「ノームは確か…地の精霊だったな。成程、ライハは三体の精霊と契約しているのか」


「何て言えば良いか、分からないんですけど…兄さんがノームと契約した事は、凄く嬉しいんです。でも…置いて行かれた気がして…」


俯く私をヴィクトールさんは何を言う訳でも無く、私の言葉の続きを待ってくれている。私もちゃんと頭で言葉を組み立てながら口を開く。


「それに何より…今のまま氷の神力を使っていたら、ウンディーネとシルフへの負担が凄く大きいから…セルシウスが私と契約してくれるかは分かりません…でも、私は会ってみたい。私達に力を貸してくれている全ての精霊に会って御礼を言いたいんです」


「そうか…相変わらず、フウカは優しいな」


「そう…でしょうか」


ヴィクトールさんは優しく笑って頷くと、私の頭を撫で始めた。凄く穏やかな表情してる…兄さんと居る時は見た事ないくらいの。


「それに強くなった。攻撃魔法の事もそうだ。それに、ロゼルさんが居なくなっても、お前達はきちんと道を進んだ。到底出来る事じゃないからな。今日まで、沢山の出来事があった事は一部だが知っている。だがそれに負けずにフウカは此処に来て、自分の意思を貫こうとしている。強くなったよ。本当に…ロゼルさんに早く見せたいくらいだ」


「何度もヴィクトールさんの魔術に助けられました。ヴィクトールさんのお陰で…」


「フウカの努力があってこそだ。また俺も魔術を見てやる。ロゼルさんが居ない分、神力も見る事になるが…其処は期待しないでくれ。勘違いされる事が多いが、俺は御使じゃないしな」


「分かってます」


私に釣られてヴィクトールさんも顔を綻ばせた。やっぱり落ち着くし、もっともっと強くならなきゃ…兄さんに守られてばかりじゃダメだって、改めて思ったからね…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。 彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。 ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

処理中です...