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肆章 氷雪の国・スノーメイル
二十三話、緊急事態?
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「…綺麗…」
「だろ?流石に野郎と来るのは気が引けてな。フウカを連れて来られて良かったよ」
アルさんの案内で、少し山を越えた先にあるお花畑に来た。近くには沢山の雪だるまがあって、人が沢山来る場所なんだと思う。さっき彫刻がある広場に行った時も、やり方を教えて貰えたし、親切な人が多いね。前の街が少し肩身が狭かったから尚の事。
「雪の花はこの国でも限られた場所にしか咲かない珍しい花なんだと。だから人気が高くて、良く売れるらしい」
「本当に氷で出来てるみたいですね。触っても冷たくないのに」
「神秘的だよな。俺も本とか写真でしか見た事無かったから、実際見れて割と感動してる」
透き通るみたいな花弁に、青色の花粉が付いてる。その周りを綺麗な水色や白の蝶が飛んでて、絵本に出てくる一頁に見える。
「摘んで帰るか?ライハやヴィクトールにも見せてやれば良い」
「でも…」
「大丈夫だ。さっき広場に居た奴等も言ってたろ?折角なら持って帰ると良いって」
アルさんに背中を押されて、そっとお花が咲いてる場所へと屈んだ。目の前で見てみると、更に繊細さが目に見えて、野生のお花と言うよりかは、芸術作品って言われた方がピンと来る。
「…ありがとう。貰うね」
きっとこのお花は春告の竜が守ってる気がして、一言声を掛けてお花を一輪摘み取った。摘んだお花が枯れない様に、硝子ケースを作る容量で氷の中に閉じ込めた。
「へぇ…器用なもんだな」
「氷武の応用です。寒い所に咲く花なので、氷の中の方が良いかと思って」
「嗚呼、きっとこの花も喜んでるよ」
氷のケースに入ったお花をそっと鞄に入れ込むと、ふわりと吹いた風と一緒にノームらしい声が聞こえた。
「…?ノーム?」
「どうした?」
「いえ…ノームの声が聞こえた気がして…」
辺りをキョロキョロと見回すと、ノームの気配が私の方へと近付いて居るのが分かった。
「…どうしたの、ノーム」
地面に手を当てると、焦った様子のノームが言葉を紡ぐ。この慌て具合から察するに、かなりの緊急事態みたいだけど…
「え、兄さんとヴィクトールさんが?」
「彼奴等に何かあったのか?」
「…調査しに行った山から転落して兄さんは足を、ヴィクトールさんは左腕を怪我したみたいです。しかも其処は山奥で吹雪いているらしくて…」
私の言葉を聞いたアレキサンダーさんがグッと拳を握るのが分かった。急いで兄さん達を助けないと危ない。だって怪我の上に吹雪なんて…
「フウカ、俺は雷鳥使って飛んでく。必要ならフウカも連れて行けるが…」
「いえ、私はシルフに頼みますので大丈夫です」
「分かった。道案内は任せて良いか?」
私はアルさんに頷いて、シルフに頼んで空へと連れて行ってもらう。兄さん、ヴィクトールさん…無事で居てね。
「だろ?流石に野郎と来るのは気が引けてな。フウカを連れて来られて良かったよ」
アルさんの案内で、少し山を越えた先にあるお花畑に来た。近くには沢山の雪だるまがあって、人が沢山来る場所なんだと思う。さっき彫刻がある広場に行った時も、やり方を教えて貰えたし、親切な人が多いね。前の街が少し肩身が狭かったから尚の事。
「雪の花はこの国でも限られた場所にしか咲かない珍しい花なんだと。だから人気が高くて、良く売れるらしい」
「本当に氷で出来てるみたいですね。触っても冷たくないのに」
「神秘的だよな。俺も本とか写真でしか見た事無かったから、実際見れて割と感動してる」
透き通るみたいな花弁に、青色の花粉が付いてる。その周りを綺麗な水色や白の蝶が飛んでて、絵本に出てくる一頁に見える。
「摘んで帰るか?ライハやヴィクトールにも見せてやれば良い」
「でも…」
「大丈夫だ。さっき広場に居た奴等も言ってたろ?折角なら持って帰ると良いって」
アルさんに背中を押されて、そっとお花が咲いてる場所へと屈んだ。目の前で見てみると、更に繊細さが目に見えて、野生のお花と言うよりかは、芸術作品って言われた方がピンと来る。
「…ありがとう。貰うね」
きっとこのお花は春告の竜が守ってる気がして、一言声を掛けてお花を一輪摘み取った。摘んだお花が枯れない様に、硝子ケースを作る容量で氷の中に閉じ込めた。
「へぇ…器用なもんだな」
「氷武の応用です。寒い所に咲く花なので、氷の中の方が良いかと思って」
「嗚呼、きっとこの花も喜んでるよ」
氷のケースに入ったお花をそっと鞄に入れ込むと、ふわりと吹いた風と一緒にノームらしい声が聞こえた。
「…?ノーム?」
「どうした?」
「いえ…ノームの声が聞こえた気がして…」
辺りをキョロキョロと見回すと、ノームの気配が私の方へと近付いて居るのが分かった。
「…どうしたの、ノーム」
地面に手を当てると、焦った様子のノームが言葉を紡ぐ。この慌て具合から察するに、かなりの緊急事態みたいだけど…
「え、兄さんとヴィクトールさんが?」
「彼奴等に何かあったのか?」
「…調査しに行った山から転落して兄さんは足を、ヴィクトールさんは左腕を怪我したみたいです。しかも其処は山奥で吹雪いているらしくて…」
私の言葉を聞いたアレキサンダーさんがグッと拳を握るのが分かった。急いで兄さん達を助けないと危ない。だって怪我の上に吹雪なんて…
「フウカ、俺は雷鳥使って飛んでく。必要ならフウカも連れて行けるが…」
「いえ、私はシルフに頼みますので大丈夫です」
「分かった。道案内は任せて良いか?」
私はアルさんに頷いて、シルフに頼んで空へと連れて行ってもらう。兄さん、ヴィクトールさん…無事で居てね。
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