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第三章
第36話
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「遅くなってしまって申し訳ありません。」
「いえいえ、おじい様、こちらです。」
と言って、ルーチェは、イルデルをレンディスの寝室に連れていった。
「…直せますか?」
「最善を尽くします。」
と言って、イルデルは、治癒魔法を使い始めた。
ルーチェは、ただ見守っていたが、イルデルの様子が少し変わったことに気づき、立ち上がった。
「おじい様私も手伝います。私も、紫眼の持ち主なので。」
レンディスの顔色も良くなり、傷跡も薄くなり、出血も完全に止まった。
「大分良くなりましたが、右腕はまだ分かりません。傷跡がこんなにも残っているので…。」
「私はパパが生きていてくれたらそれでいいんです。パパがいなくなったら、この屋敷に私1人になってしまいますから…。本当に…、本当にありがとうございました。」
とルーチェは、イルデルに感謝した。
「おじい様、さっきから気になっていたのですが、なぜ私に敬語を使うのですか?」
と、ルーチェは、イルデルに訊いた。
「チュトラリー公爵家のご令嬢でもあり、後継者に当たる方だからです。」
「でも、おじい様が敬語で話されると、とても距離を感じてしまうのです。」
と、ルーチェが言うと、イルデルは、クスッと笑って
「本当にリュミエールにそっくりだ。」
と、イルデルが呟いた。
「お母様にですか…?」
「あぁ。その、性格、紫眼のせいで余計に似ているように見える。」
と、イルデルは、ルーチェをリュミエールと重ねるようにみた。
「…お母様は、どんな方でしたか?」
「薄い紫色の髪に、ルーチェにそっくりな紫眼。とても美しい容姿だった。そして、正義感が強く、誰にでも優しい、とても優秀な魔術師だったよ。」
「…そんなにも素晴らしい方を母親に持つことが出来るなんて私は恵まれていますね。」
と、ルーチェは頬を赤く染めて言った。
すると、イルデルは、真剣な表情で、
「延命魔法の反動は、大丈夫だったか?」
と、聞いてきた。ルーチェは、目を丸くして
「なぜそのことを?!」
と、言った。
「ルーチェの魔力の痕跡が残っていたからだよ。」
「吐血とか倒れたりはしましたが、生死をさまようようなことはありませんでした。」
と、言うとイルデルは、
「それでも辛かっただろう…。よく耐えたな。そんなことがあっても、全て1人で解決して…、本当に立派だよ。…でも、もっと周りを頼ってもいいんだよ。執事とか、レスさんとか…、ルーチェの味方はたくさんいるんだよ。」
ルーチェは、その言葉を聞いて泣いてしまった。
(今思えばたくさんの人が私に優しくしてくれた。レスにすら話さないなんてどうかしていたわ…。前世では誰からも見放され、最後に唯一手を差し伸べてくれたのはパパだけだった。だけど今はレスに、セリーナ、ランデル、シェリア、ミシェエール全員は言いきれないけど沢山の人がいた。仕事のことならフロー二ー伯爵に相談すればよかっただけの話。もっと人に頼っていいんだ…。)
「また来るよ。アルセントに来たくなったらいつでもおいで。」
「ありがとうございます。あの…、もしおじい様が良ければまた手紙を書いてもよろしいですか…?」
イルデルは、少し驚いた。そして、微笑んで
「もちろん。待ってるよ。」
「また会う時まで、お元気で…。」
その言葉を聞きイルデルは、馬を走らせた。
「いえいえ、おじい様、こちらです。」
と言って、ルーチェは、イルデルをレンディスの寝室に連れていった。
「…直せますか?」
「最善を尽くします。」
と言って、イルデルは、治癒魔法を使い始めた。
ルーチェは、ただ見守っていたが、イルデルの様子が少し変わったことに気づき、立ち上がった。
「おじい様私も手伝います。私も、紫眼の持ち主なので。」
レンディスの顔色も良くなり、傷跡も薄くなり、出血も完全に止まった。
「大分良くなりましたが、右腕はまだ分かりません。傷跡がこんなにも残っているので…。」
「私はパパが生きていてくれたらそれでいいんです。パパがいなくなったら、この屋敷に私1人になってしまいますから…。本当に…、本当にありがとうございました。」
とルーチェは、イルデルに感謝した。
「おじい様、さっきから気になっていたのですが、なぜ私に敬語を使うのですか?」
と、ルーチェは、イルデルに訊いた。
「チュトラリー公爵家のご令嬢でもあり、後継者に当たる方だからです。」
「でも、おじい様が敬語で話されると、とても距離を感じてしまうのです。」
と、ルーチェが言うと、イルデルは、クスッと笑って
「本当にリュミエールにそっくりだ。」
と、イルデルが呟いた。
「お母様にですか…?」
「あぁ。その、性格、紫眼のせいで余計に似ているように見える。」
と、イルデルは、ルーチェをリュミエールと重ねるようにみた。
「…お母様は、どんな方でしたか?」
「薄い紫色の髪に、ルーチェにそっくりな紫眼。とても美しい容姿だった。そして、正義感が強く、誰にでも優しい、とても優秀な魔術師だったよ。」
「…そんなにも素晴らしい方を母親に持つことが出来るなんて私は恵まれていますね。」
と、ルーチェは頬を赤く染めて言った。
すると、イルデルは、真剣な表情で、
「延命魔法の反動は、大丈夫だったか?」
と、聞いてきた。ルーチェは、目を丸くして
「なぜそのことを?!」
と、言った。
「ルーチェの魔力の痕跡が残っていたからだよ。」
「吐血とか倒れたりはしましたが、生死をさまようようなことはありませんでした。」
と、言うとイルデルは、
「それでも辛かっただろう…。よく耐えたな。そんなことがあっても、全て1人で解決して…、本当に立派だよ。…でも、もっと周りを頼ってもいいんだよ。執事とか、レスさんとか…、ルーチェの味方はたくさんいるんだよ。」
ルーチェは、その言葉を聞いて泣いてしまった。
(今思えばたくさんの人が私に優しくしてくれた。レスにすら話さないなんてどうかしていたわ…。前世では誰からも見放され、最後に唯一手を差し伸べてくれたのはパパだけだった。だけど今はレスに、セリーナ、ランデル、シェリア、ミシェエール全員は言いきれないけど沢山の人がいた。仕事のことならフロー二ー伯爵に相談すればよかっただけの話。もっと人に頼っていいんだ…。)
「また来るよ。アルセントに来たくなったらいつでもおいで。」
「ありがとうございます。あの…、もしおじい様が良ければまた手紙を書いてもよろしいですか…?」
イルデルは、少し驚いた。そして、微笑んで
「もちろん。待ってるよ。」
「また会う時まで、お元気で…。」
その言葉を聞きイルデルは、馬を走らせた。
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