孤高のミグラトリー 〜正体不明の謎スキル《リーディング》で高レベルスキルを手に入れた狩人の少年は、意思を持つ変形武器と共に世界を巡る〜

びゃくし

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第百三十八話 落札者

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 このオークションは荒れる。

 予言にも似たニールの確信の籠もった発言は実際にその通りになりつつあった。
 会場のそこかしこで札が挙がり始める。

 予期せぬエリクシルの登場に静まり返っていた熱狂が戻りつつあった。

「金貨一万枚!!」

「金貨二万枚」

「金貨二万五千枚っ!!」

「金貨三万出すぞっ!」

 額の上がり方が尋常じゃない!?

 スタートの金貨三千枚を飛び越えていきなり飛びでた金貨一万枚にも驚いたが、矢継早に告げられる途方もない金額に開いた口が塞がらない。

「おぉ~! 皆さんありがとうございますぅ~~! この調子でどんどんいっちゃいましょ~~!!」

 こぞって札を挙げる観客たちを煽るメイメイさん。

 しかし、熱狂に支配された観客たちにその声は届いていない。
 競うように、負けないように、欲望のままに。
 札を挙げ落札を求める声は止みそうもない。

「オレの予算はかき集めてもせいぜい金貨二万枚だ。……こんな時のために必死で溜め込んだはずだった。ハッ、情けないな。母さんを癒やせる可能性が目の前にあるのに手も足も出ないなんて……」

「ニール……」

 一度に宣言される額の幅は少なくなったが、札はまだ挙がり続けている。
 その光景を悔しそうに眺めるニール。

 俺も神の試練の際に報酬として手に入ったお金はあるものの、全財産を集めても金貨千枚にも満たない。
 焼け石に水だ。
 手助けできるほどの額は……ない。

 ……なにもできない。

「……イクスム」

「エクレアお嬢様……ですがっ! ……わかりました」

「?」

 エクレアとイクスムさんの不思議なやりとり。
 その意味はイクスムさんが難しい顔をしながら発言した内容にあった。

「……御当主様より万が一の時のための予算を預かっております」

「え?」

「エクレアお嬢様とクライ様の分合わせて金貨五万枚、あります」

「……」

「はぁ? いや、それは……」

 エクレアの射抜くような真っ直ぐな視線に咄嗟にこちらを見るニール。
 えっと……俺も知らなかったんだけど。

「イクスムさん、本当にそんなお金を母さんが?」

「はい、もしも金銭で解決できることがあるならと、万が一の時のために。勿論大半は御屋敷に保管してあります」

 そこが聞きたかったんじゃないんだけど……本当のことなのか。

「っ!?」

「ゼクシオ!? どうしたんだ?」

 突然背後に現れたのはニールの影の護衛ゼクシオさん。
 普段は気配を消し、視界にも一切入らないように細心の注意を払っているはずの人物。

 彼のことをまだ知らないエクレアやラウルイリナ、イクスムさんの視線に入らないように、姿を現しこっそりと接触してきていた。

「む?」

「……」

 それでも不意に現れた気配にイクスムさんとラウルイリナが反応する。

「その、あの人はニールの……そう、知り合いなんだ。だから怪しい人じゃない。だから――――」

「そうか、なにか事情があるんだな。……なら私は何も見ていない。そういうことにしよう」

「はぁ……お知り合いでも一応は警戒させていただきますよ。ただ先日の件もあります。……詮索はしません」

 余程俺が動揺しているように見えたのか二人はすぐに察してくれた。
 エクレアを襲った襲撃者“氷血壊”を追うときにニールがフージッタさんを呼んだところを見たあとも二人は特になにもいわずにいてくれた。

 それはきっと二人の信頼の証。
 いつか俺やニールが秘密を明かしてくれると信じてのこと。

 ニールが帝国の王子であることを俺から打ち明けるわけにはいかない。
 それでも……エクレアを含めて三人にもいつの日かニールが自らの秘密を明かすのはそう遠くないと俺は思った。

「どうした? なんでこんな人の多いところで」

 声を潜めつつゼクシオさんに真意を問うニール。

「我々ニール様の護衛の貯金を合わせれば金貨三万枚はいきます。ニール様、どうか我々もお力にならせて下さい」

「ゼクシオ、お前……」

「副隊長の許可はいただきました。勿論フージッタにも。ここには私が代表として来ているに過ぎません。ですがっ、皆心は同じです。エリクシル、レイシア様を癒せる可能性も十分にある秘薬。入手する機会はいまをおいて他にはありません」

 悩んでいる暇はなかった。
 いまなお札は挙がり続け、落札価格はすでに金貨五万枚に達している。

 ゼクシオさんは真っ直ぐにニールを見ていた。
 そこには言葉にださずとも通じ合えるなにかが確かに存在していた。

 一瞬、一拍のときを経て口を開くニール。

「……すまん」

「いえ、勿体ないお言葉です」

 密集したオークション会場。
 それも札が次々と挙がる度に歓声が湧くような状況で二人の間だけはときが止まっているような……そんな瞬間だった。

「エクレア」

「……」

「母さんのお金、借りてもいいかな?」

「……うん」

「イクスムさん」

 俺の視線を受けたイクスムさんはもはや諦めた様子だった。
 言っても止まらないなという顔。

「ニール、金貨五万枚……俺のお金ではないけど使ってくれないか」

「……だが……」

「いましかない。……ずっとお母さんの病を治すために旅してきたんだろ。エリクシルで本当に原因不明の病が治るのかはわからない。だけど――――。母さんには俺から謝っておく。だから……」

 想いが溢れて上手く言葉にできなかった。
 ニールに目の前に現れた千載一遇の機会に手を伸ばして欲しい。
 これまで助けてくれた分なにか力になりたい。
 そう心から願ったから。

 目を閉じなにかを決断したニール。
 次に開いた瞳は苦しくとも未来を見据える光を灯していた。

「ああ……頼む。落札できたら金は何年かかっても必ず返す。約束だ。……だからオレに力を貸してくれ」

 



「金貨六万っ!! これ以上は出せねぇ!」

「金貨六万六百枚」

「金貨六万七百枚よ!」

 オークション会場の熱気はいまだ衰えを知らない。
 だが、対照的にニールは冷静にことを運ぼうとしていた。

「オレの二万枚、ゼクシオたちの三万枚、クライとエクレアの五万枚。合わせて金貨十万枚、か」

「すまない、私はそれほど貯金が……」

「ラウルイリナ、いいんだ。これはオレの我儘に皆を付き合わせてる。それだけのことなんだ。……気持ちだけで嬉しいよ」

 一人力になれないことを悔やむラウルイリナに優しく微笑み声をかけるニール。

「金貨七万っ! 頼むこれで終わりにしてくれ!!」

「金貨七万千枚ぃ!」

「七万二千だ! 七万二千出すぞ! わしにエリクシルをくれぇ!」

「会場が盛り上がってくれてわたしも嬉しいですっ! 出来ればもっともーっと札を挙げて下さいねーー!!」

(酷なことを平気でいう女だなメイメイは。自分では商売に向かないようなことをいっておいてしっかり値を釣り上げようと観客を扇動している)

 ミストレアが胡散くさいものを見るような口調なのも会場全体を見ていると妙に納得できてしまう。
 最早観客たちは熱狂の坩堝。
 誰もこの勢いは止められない、そんな雰囲気すら漂っている。
 ……これがすべて舞台上で笑顔を振りまいているメイメイさんの思惑通りならちょっと彼女の印象が変わるな。

「こうなったら一気に落札価格を釣り上げて他の参加者をふるい落とすしかない」

「そう上手くいくでしょうか?」

「だが、やるしかない。このまま何もせずに見守っていたら、ずるずると金貨十万枚まで到達しちまう。それはこれ以上資金を用意できないオレたちには不利だ。ここで勝負に出るしかない」

 ニールの提案は理に適っているように思えた。
 落札価格の上がり幅はスタートから考えればそれほどでもない。
 ここで金貨一万枚以上の差をつけて宣言すればあるいは……。

「……タイミングはニールに任せる」

「……ん」

「ニール様」

「ああ、お前たちの力、借りさせてもらう」

 落札価格の推移を見守ること数秒、いや数分だったか。
 時間の感覚がわからなくなるほど緊張していた。
 周りは騒がしいのに唾を静かに飲む音さえ聞こえるような、そんな感覚。

「ふざけんなぁ! 金貨八万だぁっ!! これ以上はホントに出せねぇぞ! これで終わってくれぇ!!」

 怒声混じりの宣言。
 その終わり際を狙ってニールの冷徹なそれでいて会場中に響く声が、挙げられた札と同時に発せられる。

「金貨十万枚」

 熱気が消えていた。

 札を掲げるニールに闘技場の大観衆の注目が集まる。
 だが、ニールは動じていなかった。

 あくまで冷静に淡々とそれが当たり前であるかのように。
 余裕を偽り、かつ偽りの姿だと悟らせない態度で堂々と。

「…………」

 大観衆の答えは沈黙だった。

 口を紡ぎ、頭の中でニールの告げた金貨十万枚という金額を反芻していた。
 札を挙げていた手が止まる。
 それどころか一気に釣り上げった金額に札を下げる者すら現れる。
 あの熱狂がウソのように静まり返っていた。

「おおっとぉ! ここでそちらの狼獣人の男性から金貨十万枚! 十万枚のご提示がありました!!」

 メイメイさんの声だけが動きを止めた観客に浴びせられる。

「あれあれ~! 他に札を挙げる方はいらっしゃいませんか~! 金貨十万枚以上をお持ちの方はいらっしゃらない? 森林王国の秘蔵の一品ですよ~! 皆さんここで落札しないで後悔しませんか~?」

 不安を煽るメイメイさんの声。
 だが、もう俺たちは祈るしかない。

 ここで決まってくれ。

 ニールにエリクシルを。

 家族を癒やせるかもしれない薬を。

 沈黙と共にひたすらに祈る時間が過ぎる。
 誰も札を……挙げない。

「では! 金貨十万枚で――――」

 メイメイさんのオークションを終わらせるための宣言。
 落札者を告げる台詞は最後まで紡がれなかった。

 途中で言葉を止めてしまったメイメイさんの視線の先に答えはある。

「!?」

「金貨二十万枚でお願いします」

 そこには札を掲げた一人の男性が座っていた。

 きっと会場中が終わりを悟った瞬間を狙いすました不意の一撃。
 俺たちの用意できる資金の倍の金額を提示した人物。
 俺よりは年上だが、ニールとは同世代くらいの男性。

(若い。ニールと同じくらいか? だが、格好から見てもやたら仕立てのいい服を着ている。護衛? もいるな。貴族か?)

「「「おぉ~~~~!!!」」」

 遅れて動きを止めていた観客が今日一番の歓声を上げる。

 活気と熱狂を取り戻した会場はそのあと何度か落札しようと新たに金額を提示する者が現れたものの、金貨二十万枚を提示した男性がそれを尽く一蹴した。

「では! 本日のサプライズでご用意いたしましたエリクシルは金貨二十五万枚で落札です! 皆さん落札者であるセリノヴァール公爵家のご子息に溢れんばかりの拍手を! 本日は我がサンクトス商会のオークションにご参加いただきまして誠にありがとうございます! またお会いできる日を楽しみに待ってまーす! みんなそれまで元気にしててねー!!」

「「「メイメイちゃ~ん! ありがと~!!」」」

 拍手喝采の内に終わりを迎えたオークション。

 和やかなムードに包まれる中、苦笑している落札者の男性と目が合った。

 彼はこちらを見て挑発的に笑っていた。
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