超絶ゴミ恩恵『消毒液』で無双する

びゃくし

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第二十三話 件の酒場

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「ツィアです! 皆さん、アル様のお知り合いなんですね。よろしくお願いします!」

「アル、様?」

 ラーツィアの元気な挨拶に何か引っ掛かることがあったのか、レットが怪訝そうな表情をする。
 なんだ?
 ラーツィアはいつも通り可愛いじゃないか、何が不満なんだ?

「レオだ」

「レオ様とおっしゃるのですね。素敵なお名前です」

 ヤバい。
 隣で師匠が死んだ目で挨拶してる。
 虚空を見る虚ろな瞳。
 あれってオレの模擬戦終わりより死んでるよな?

「こんな辺境に素敵な出会いがあるなんて思っても見ませんでしたわ。よろしければこれからもレオ様、とお呼びしてもよろしいですか?」

「あ、ああ」

 いや、ライミーの猫撫で声って気持ち悪いな。
 あんなに普段から毒舌なのにどっから声出してんだよ。

 ヤバ、睨まれた。

 レットたちを加えたオレたち一行はなぜだか強引なライミーに押しきられて、冒険者ギルドに併設された酒場で食事をしている。
 ここってオレが追放された場所だよね。
 なんでわざわざここに連れてくるんだよ!

 ……どうしてこうなった?
 
「……ライミーが強引に誘ったりして悪かったな」

 フリーゲル、お前だけが癒やしだよ。

「いやまあ、いいさ。飯を食うぐらいなんともない。もう二年以上昔のことだからな」

「そうだな。二年、長いようで短いな」

「レットはあんなこと言ってたけど、どうしてまた帰って来たんだ?」

「……詳しくは言えないが冒険者ギルドの依頼のついでだ」

 そういってフリーゲルは波々とジュースの注がれたジョッキに傾ける。

 依頼ならこれ以上は詮索しない方がいいかもな。
 守秘義務もあるかも知れないし。

「ところでレオ様? 先程からアルコがレオ師匠と呼んでいますけど……それは一体どうしてでしょうか。この“ゴミ恩恵”はレオ様の弟子に相応しくないと思うのですが……」

 おい、ライミー。
 化けの皮が剥がれるの早すぎだろ!

「そうだ、師匠だとぉ? 誰の許可を取ってるんだ」

 オレの許可だよ!
 レットの奴酔ってるのか?
 いや酒なんて飲んでないよな。

「一応コイツは私の弟子だ。剣技を教える約束もしてるしな」

「剣技? お前がか?」

「なんだ悪いか?」

 え?
 なに?
 急に一触即発の空気流すの辞めてもらっていいですか?

「確かここの冒険者ギルドには訓練場があるよな。そこで少し揉んでやろうか?」

「いいだろう。私も少しは身体を動かさないと鈍るからな」

「いや、いいわけないから! なんでレオ師匠もやる気なんだよ!」

「……この辺りで私の実際の実力をお前にも見せておこうと思ってな。出会った時は私もかなり疲れていたからな。いまなら多少本気で戦える」

「そんな理由かよ! もう夜だぞ。模擬戦なんかできる明るさじゃないからな!」
 
「そうか……仕方ない、またの機会にしよう」

 師匠が不貞腐れてる。
 なに?
 そんなに模擬戦したかったの?

「ところでこいつらはお前の何なんだ? 冒険者ギルドにまで一緒に来ていたようだし、依頼人か? それにしてはやたらと距離が近いが……」

「いや、二人はオレのパーティーメンバーだが?」

「は?」

 え?
 なんかめっちゃショック受けた表情なんですけど。
 ラーツィアはともかく師匠の格好からもそれぐらい予想つくだろ。

「嘘だ……」

「嘘じゃないんだが……」

「そんな……」

 なんかレットが心ここにあらず状態になっちゃったんだけど、コレどうすればいいんだ?
 フリーゲルを見ればゆっくりと首を横に振る。
 なに、どうにもならないの?

 その後のオレたちはなんだかんだフリーゲルの奢りで酒場の料理を平らげ、フリーゲルはマジで優しい、酒場を後にすることにした。
 途中復活したレットがオレたちが同じ家に帰ると聞いて、多少ゴネていたけどフリーゲルが、フリーゲルはマジで優しい、取り押さえてくれて無事に帰ることができた。

 いやホント、マジで激動の一日だった。
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