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第四十六話 魔剣柄の真価
しおりを挟む「まず初めにこの魔法具の用途と使用法から。使い方は非常に簡単です。この柄を握り魔力を流すだけです」
「「「おおぉ~~~~」」」
「このように魔力は刃となり柄の先端から放出されます。ええ、しかし私の魔力では大した刃は生成できませんが……」
アレイサーさんが目の前に掲げた魔剣柄から放出される魔力の刃。
ラーツィアの生成したのが大剣の刃ならアレイサーさんの刃はナイフ程度だが、それを見た観衆たちが感嘆の声をあげる。
「さらに、この魔法具は籠めた魔力の量によって切れ味が大幅に変化します。修練を積めば刃の形状そのものも変化させることが可能でしょう。それこそ、剣の形から遠ざけることも可能かもしれない」
「ついでに言っておくがコイツは流す魔力の質によって生成する刃の質が変化する」
「ええ、複数の属性魔力を操れるステリラ女史に試していただいたところ、火、水、土、風など主要な属性の刃を生成することが出来ました」
「火の魔力なら火の刃、水の魔力なら水の刃を生成できる。それも使い方次第で出力が変化するし、場合によっては魔法に似た使い方も出来るかもな。……要するに使い手次第で強くもなり、弱くもなる魔法具だってことだ」
口調が荒々しいなステリラちゃんは。
それにしても、二人共流石色んな品物の鑑定をしてきただけある。
ミクラ婆さんの分析よりもずっと詳しいな。
「そんなにスゴイ武器だったんですね!」
「うむ、ツィアが怪我しないかと心配だったが、実際の効果はミクラ殿に聞いたものよりかなり有用そうな魔法具だったな」
師匠は『小声で高く売れればいいんだが……』なんて言ってたけど、オレにはちゃんと聞こえてる。
……師匠もなんだかんだ態度に出さないだけでヴィルジニーが心配なんだな。
ヤバッ、睨まれた。
「では金貨五百枚からスタートしたいと思います! 皆さんこぞって参加をお願いしまーす!!」
え?
ジーエックスが元気よく発した言葉に驚く。
オークションの基本落札金額は主に出品の手続きをしてくれたヴィルジニーに一任してたんだけど……そんなに高くしたのか?
ミクラ婆さんの見立て通りの金額じゃないか。
「……どうせ売却するなら高く売れた方がいいでしょ? ……売れなかったら貴方が使えばいいし」
「そう、か。……色々考えてくれたんだな。悪かった」
確かにあまりにも安いなら売る意味はない。
ここはミクラ婆さんの見立てを信じて強気な価格設定でいくのは間違ってないな。
オレがヴィルジニーの気遣いに感謝していると、オークション会場の至るところから落札するための札があがり、金額が叫ばれる。
「金貨五百五十枚っ!!」
「金貨五百八十枚」
「六百枚!!」
「金貨六百五十っ!!」
あっと言う間に金貨六百五十枚!?
会場中が瞬く間に熱狂に支配され、青天井で金額が釣り上がっていく。
おいおい、金貨五百枚はいくってミクラ婆さん最低金額を言ったのか!?
「金貨六百五十五枚!」
「金貨六百六十!」
「金貨六百七十枚っ!!」
「六百七十五枚っ!!」
まだ上がるのか!?
勢いこそ落ちているものの、落札の声は止まない。
「ぐふふ、金貨七百枚っふ!!」
おい、お前も参加するのかよ!
自分じゃ使わねぇだろ!
フライドポテトを貪っていた小太りの男。
オークションのどんな品にも手を挙げなかったのになんでこんな時だけ?
しかも、そんなに金持ってんのかよ!
……ただの賑やかしじゃないよな。
嘘だったら後で払えないと辞退の違約金を払わないといけなくなるぞ。
大丈夫なのか?
会場を静けさが包む。
あれだけ騒がしかった観客たちが固唾を飲んで行く先を見守っている。
へ?
これで落札?
コイツが落札するのかよ!
オレが予想外の結末に驚くその時、会場の一番先頭でストロベリーブロンドの髪の女が叫ぶ。
「金貨千枚だすぞ!!」
会場中の注目が一点に集まる透き通る声。
「この魔法具は私にこそ相応しい!!」
頭頂部で一纏めに編み込んだ金髪は赤みがかり明るく鮮やかな色合い。
立ち姿は衆目に晒されてもまったく動じておらずどこか品の良さすら感じさせる。
「はわ、はわわわわ~~~~」
「な……ぜ、あの御方が……」
ど、どうしたんだ二人共?
ラーツィアも師匠もあり得ないものを見たようなリアクション。
次いでラーツィアの口から漏れ出た言葉にオレは驚愕することになる。
「ベル姉、様……」
え……アレってラーツィアのお姉さんなの!?
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