ぼくらの国防大作戦

坂ノ内 佐吉

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第二章

Chapter.6 国境を越えて

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 国境を越えて

 ハノイに戻ると、四人は、ベトナム軍事歴史博物館、ホアロー収容所を訪ね、その後は、バスでニンビンへ移動しタムコックを手漕ぎボートで巡った。列車でフエに移動。王宮と、フォンニャケバン国立公園を観光。 
 その後、リゾート地に行きたい智成の提案で、ダナンに移動した。
 
 13日目
 ダナンから日帰りで訪れた、ホイアンで四人は食事をしていた。
 フォーを食べながら、智成が言う。
「いや~、ベトナム、想像以上に最高だわ! 見どころ多いし、物価も安いから、お財布あんまり気にしなくて済むし、バックパッカースタイルには最適だね」
「ほんと、来て良かったよね。ご飯も美味しいし! 幸来紗の語学力のおかげですごく、リーズナブルに旅ができてるよ。君たちも感謝したまえ」美智は、上から目線で言う。
「美智さん、幸来紗さん。マジで感謝。こんな内容の濃い旅ができるなんて初めは思ってなったもん」 
 智成が冗談半分に頭を下げる。
「ほんとうに、ありがとう」周人も礼を言う。
 智成と美智の楽観的で明るい性格もあり、四人の相性は悪くなく楽しい旅の日々を送り、今まで感じたことのない充実感で満ちていた。
「日坂くん、美智さんなんて、さん付けじゃなくてさ、もっとフランクにさ、みっちーでいいよ」と美智が言うと、
「じゃあ、俺のことも、智くんでいいよ!」
 アルコールも入り、二人はすっかり打ち解け合って、楽しそうに話している。
 周人と幸来紗は、口数は少ないながらも、二人の会話を聞いて楽しそうに笑っていた。
 
 ダナンから、列車でホーチミンに行き、ホーチミンでは、戦争証跡博物館とクチトンネルを訪ねた。
 ベトナムの旅は、国土をほぼ縦断して、次にカンボジアのプノンペンまで、バスを使って、陸路で行くことになった。
 
 17日目
 カンボジアの首都、プノンペンでは、キリングフィールドとトゥールスレン虐殺博物館に。ネガティブ観光地ばかりだと重いので、間にトレッキングなどのアクティビティツアーに参加するなどして、バランスを取りながらの行動が定着していた。
 プノンペンから、アンコールワットの最寄の町、シェムリアップまではトレンサップ川を上流に上るボートで行くことにした。
「ジャングルの中、ボートで移動してさ、なんか"地獄の黙示録”みたいじゃない? 興奮するー! あの映画もカンボジアだったもんね」
 美智は映画が好きで、すぐに映画のワンシーンを引用したがる。
 周人は、川を眺めている幸来紗に訊いてみる。
「幸来紗さんは、何で負の遺産ばかり見たがるの?」
「何でって、そうだな…… 幸せを実感できるからかな」
「どうゆうこと?」周人は興味ありげに訊く。
「日本てさ、一応、先進国に分類されていて、生き方も自由で、何不自由ないと思うんだよね。なのにわがままな人が多すぎると思わない?」幸来紗は寂しげに問いかける。
「そうかもしれないね」
「もっと、今の日本に生まれたことに感謝するべきだと思うんだよね。私、長崎育ちでさ、長崎って原爆落とされた街だから悲惨な歴史に関心が強くなったんだと思う。だから、負の歴史に興味があって。歴史でこれだけ悲惨なことがあったって実感できると、この現代の日本に生まれた自分を幸せに感じることができるんだよね。それと、せっかく戦争のない平和な時代に生まれたんだから、その分頑張らなきゃって思う。……なんか話しすぎちゃったな」
 幸来紗の顔は赤くなる。
「なんか、その感覚分かる気がするよ。確かにわがままで、自己中な奴は多いと思う」周人は共感していた。
「ニュースなんかを見てると思うの。どこか外国で虐殺が起きているような時でも、芸能人のゴシップニュースの方が長い尺を使って放送してる。それだけゴシップの方が、みんな関心を持ってるってことだよね。そうゆうのって、なんか異常に感じるの。みんな、同じ人間なのに…… 将来は戦争での犠牲者を減らせるように何か力になれる活動がしたいな」
 少し照れた様子だが、真剣に話している幸来紗に、周人は深く共感し、また、そんな彼女に魅力を感じた。
「なんか、重たい場所ばっかり行って、嫌だったら言ってね。日坂くんも嫌じゃないかな?」
 幸来紗は、少しすまなそうに言う。
「僕は、ぜんぜんかまわないよ。むしろ興味があることだけど、ぼんやりとしか行きたいなーって感じで、行き方も分からないから、計画も立ててなかった。幸来紗さんがほとんど手配してくれたから感謝だよ。それに、日坂も嫌がってないよ。あいつ、単純で細かいこと気にしないから。次は、アンコールワットに行くからって興奮してるよ。知名度が高いところに行きたがるから」
「ならよかった。あの二人がいるから楽しいよね」
 幸来紗は、軽く微笑み、周人も「そうだね」と返す。

 シェムリアップでは、キリングフィールドと、旅のハイライト、アンコール遺跡群を回った。アンコール遺跡群のスケールの大きさに四人は驚愕し、自転車を借りて、4日間かけて細部まで巡った。
 シェムリアップの次は、旅の最終目的地、タイのバンコク。四人はバスで国境を越え陸路で向かった
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