【書籍発売中!】神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!

一ノ蔵(いちのくら)

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第一章

第六十九話 ロレンツォの疑心


 ――――コンコン。

 ん?誰だ?

「はい、どうぞ」

 私もミディアンナミディが談笑していれば、扉をノックする音が響いた。それにミディアンナが返事をすれば、開かれる扉。

「失礼するよ、ミディアンナ」
「叔父様!」
 そこにいたのは、辺境伯本人。
 まさか手紙の返事ではなく、本人が直接やってくるとは。

「元気そうだな、ミディ」
「はい!皆様のおかげですわ」

 花が綻ぶように笑みを浮かべるミディに、ロレンツォ様も満足そうに頷いた。
 因みに、ミディはミディアンナの相性だ。彼女から、ミディと呼んで欲しいとお願いされた。勿論承諾したが、私は変わらずミオ様である。

「礼拝堂を利用したいということだけど、突然どうしたんだい?」
「実は…」
 と、ジョウに言われたことを話すミディ。
 それを聞いたロレンツォ様が、驚いた表情でこちらを向き一言。

「うちに、女神様を降臨させる気かい?」
「降臨?」
「そうだ」

 降臨なんて大袈裟な…と首を傾げる私に対して、ジョウはなんてことない風を装い、飄々と答えた。

「マジ?少しだけ、お言葉を頂戴するとかじゃにゃくて?」

 ジョウ、君は会話云々しか言わなかったじゃマイカ!私がずいずいっと顔で迫りながら確認すれば、ジョウは、前脚で私の顔を押し返した。

「ぷきゅ!…地味に痛いんですけど」
「なにが『ぷきゅ!』だ。加護保持者が二人もいるんだぞ?なにも起こらない方が、不思議なんだ。それくらい、簡単に想像出来るだろう?」
「それにゃら、にゃにも起きない方向でお願いします」
「はぁ…兎に角、光の精霊が契約を望んでいるんだ。ミディには、精霊に関するスキルがあるはずだ。吾輩は、それを明確にしたいだけ」

 ジョウの四の五の言わずに、さっさと礼拝堂に案内しろと言う圧が、私を襲う。

「ロレンツォ様。礼拝堂を貸していただけますか?」
「教会だと、邪魔な神官共に彼女を奪われかねんからな」

 私のお願いに被せるように、ジョウが追加で情報を吐く。それを聞いたロレンツォ様が、驚きの表情を見せる。

「教会に?……ミディが、それほど希少なスキルを授かっている可能性があると?」
「そうだ。今の教会は、前猊下の愚行で、信徒の信頼が地に落ちている。それを挽回出来る存在がいれば、教会に囲いたくなるだろう?……まぁ、吾輩に縁ある者だ。吾輩の目が黒いうちは、そのような愚行は許さぬがな」

 歯を剥き出しにして軽く唸るジョウに、ロレンツォ様の顔色が悪くなる

「えぇ?ウルシア様が言ってたじゃん。そんにゃ愚行をしにゃい人を上に据えさせるって!」
「永遠に中身が変わらぬ人間がいるか?いるならば、それは人間ではない」
「言いたいことは分かるけど…」

 人は人生を生きるうえで、様々な経験をして成長をする。それは良い意味と悪い意味の両方で。
 だけど、今すぐではない。ジョウは、少し警戒しすぎじゃないかな?

「分かった。そこまで言うなら、礼拝堂を貸そう。だが、なにが起こるかを見届けさせてもらうよ?」
「かまわん」

 ラノベで読んだ【神の祝福】は親が一緒だったけど、大体が五歳で行われる神の祝福だ。子供に親が付き添うのは、当然か。
 だから、可愛い姪の神の祝福を見届けたい気持ちも分かる。
 
 父親であるサミュエルさんは、今は仕事が忙しく、最近はミディの定期診察でも見かけない。
 時々顔を見せているそうだが、私とは鉢合わないんだよね。
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