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九日目―生活魔法の可能性
「これを貸してあげよう」
ギルマスは執務机に移動し、引き出しから生活魔法のススメと羊皮紙を1枚取り出した。
俺はそれらを受け取ると、彼に本のページで、希望があるかを聞いた。
「ありがとうございます…どこを転写《コピー》したいですか?」
「選べるのかい?」
「勿論」
この世界に手品があるのか知らないが、自分で選んだページが写生されれば、仕込みはないし、疑う余地もない。
見せるだけでなく、納得しやすい方法を魅せる。それも、説得の仕方である。
「では、ここをお願いするよ」
そう彼が示したページは、あの趣味が全開のページであった。
♢ ギルマス Side
ルイ君は、「どのページを転写《コピー》するか?」と聞いてきた。私がそれに答えれば、彼は頷いて、魔力を練り始める。
「分かりました……転写」
彼がコードを唱えると、彼自身の他にも、周囲の魔素が、彼の手に、少しずつ吸収されていくのが分かる。
(10歳とは思えない見事な魔力操作だな。それ以外は、特に特別な技能がいるわけではなさそうだ)
私がそんな考えをしている間に、転写は終わったらしい。
ルイ君の魔力操作は、5歳で記憶が蘇った後、努力を積み重ねてきた彼を、容易に想像出来る腕前だった。
魔力操作や魔素の取り入れ方は、同年代では群を抜いている。彼に、その自覚があるのか、怪しいところではあるが。
「これは、見事に写生が出来ている。魔力操作が得意な者であれば、出来そうな操作だね」
彼から転写した羊皮紙を受け取った私は、それを眺めながら言った。
「えぇ。ある程度の魔力操作が出来る方で、考えが柔軟な方は、すぐにイメージが浮かぶでしょう」
「湖面に波状に広がるイメージで、魔力を浸透させる。極力魔力を消費しないように、魔素も利用していたね。無属性ならではの利用法だ」
「はい。丁寧な仕事は、信頼を勝ち取るに値しますからね」
「そうだね。しかし、考えが柔軟な方か。耳が痛いね」
眉を歪め、頭をポリポリと掻くギルマスは、苦笑いだ。どうやら心当たりのある人物は、頭が固いらしい。
「だが、ルイ君のいうことは最もだ。薬草の採取もだが、あの丁寧さは、ルイ君の努力の賜物だろう?初っ端から、あぁではなかった筈。彼も、練習や柔軟さの訓練をすれば、身につけられる技術だろう」
「訓練?」
「あぁ…魔法は、言葉の理解、想像力やイメージの固定化、魔力操作の基礎から成り立つ。出来ないなら、訓練。これは、どんな事に対しても、基本だ。そうだろう?」
「……そうですね」
私がそういえば、なぜか頰を引きつらせているルイ君がいた。
「それにしても、あの新鮮な薬草はどうやったんだい?冒険者ギルドとしては、『冒険者の手の内を明かせ』などという質問は憚られるが、聞かずにはいられないよ」
あの場では、敢えて質問しなかったけれど。あの場にいた皆は、知りたくてうずうずしていた。ギルマスである私が見張っているから、誰も声を上げなかっただけ。
「アイテムボックスにも、時間停止や軽減の効果があるものがありますよね?」
「あぁ。存在はするが、どれも国宝級で、手に入れることは不可の……まさか」
私の想像は間違っていたみたいだ。だが、即座に入った修正に、突っ込まずにはいられない。
「あぁ、変な勘違いをしないでください。俺は空間に干渉したわけではなく、素材の鮮度に干渉しただけです」
「……いやいや、大いに凄いことなんだよ!?」
ルイ君は、さも当然のように軽く言うが、彼が貰った報酬が、その貴重さを現している。それを理解しているんだろうね!?
「確かにあの買取価格は、仰天でしたけど」
良かった。一応の自覚はあるみたいだ。私はホっと胸を撫で下ろす。
♢
(なんか、無自覚と思われていたみたいで遺憾だが……まぁ、いいか。そういう風に思われる行動をしたのは、間違いないし)
「アイテムボックスはなくても、鮮度に干渉出来るなら、アイテムボックスはいらな」「いやいや、絶対必要でしょう!?この間の奇異な目は嫌ですよ。あれは、ウルディンに悪いことをしました」
私の意見に突っ込んできたギルマス。やはりアイテムボックスは、いつの時代も我々を魅了して離さないらしい。
「…ははっ!?気にすることはない。ウルディンが怪我で収入が途絶えていた所に、臨時収入で小銀貨8枚だ。嫁さんも、元冒険者だが、ご機嫌だったらしいよ?」
「それなら良かったです」
ギルマスから聞いたウルディンの近況に、俺も胸を撫で下ろす。奥様が恐妻っぽかったから、少し気にしていた。報酬で機嫌が取れたなら、万々歳である。
「それで、アイテムボックスが必要ということだけど、なにか思いついたのかな?」
ギルマスの言葉に、バレンはぎょっとした顔をギルマスに向けた。
そんな簡単に魔法言葉が分かれば、苦労はしない。彼の瞳は、そう物語っていた。
古代遺跡の発掘や、言葉の解読に、道具の解析。それに携わる職人の、いや、先人たちの苦労を知る瞳であった。
「【収納】という言葉があります。魔法言葉は『収納』です」
だが俺は、鞄から出した適当なメモ用紙に、文字を書き殴った。記憶にある言葉だが、こちらでどう作用するか。今のところ、この魔法言葉の実験はしていない。
「これはまず、異次元に空間を想像してくれ」
「分かりにくいよ、ルイ君」
「……例えば、バレンの店の物置が満杯で、置き場所に困ることになる」
「うんうん」
俺の裾を引いて、苦情を宣うバレンの為に、俺は説明の仕方を変えることにした。
彼は凄く真剣に聞いているが……モノにする気か?これは、俺が生活魔法Lv.∞だから出来る話だぞ?多分。
「前の記憶の場所では、『貸し倉庫』という商売があったんだ。倉庫の広さで月に払う賃貸料が変わる。その貸し倉庫を、街外れに借りるのを想像してみろ」
「それが、別空間になるんだね」
「別空間は、分かりにくいんだろ?いっそ、このゼントの外れでいい。想像というより、勝手に自分の倉庫を建てたと思い込め」
「分かった!」
目を瞑ったまま、真剣に俺の言葉を実行しようとしている。バレンの魔力が緻密に練られるというのが分かってしまった。
それほど、彼の周囲の魔素が濃い。
「収納!」
「「………」」
あれほど緻密に練られた魔力が、あっという間に霧散……しなかった。
俺が書き殴ったメモに瞬時に、【標的】を付けた。自分でしようとしていた実験を、バレンが成功させようとしている。
「これを、自分の空間に放り込め!」
【標的】を付けたメモを、バレンの手に握らせ、【追跡】を起動する。
俺の頭には、放り込まれる前の場所。つまり脳内の地図上では、この部屋で点滅していたが……バレンが紙をどこかに放り込めば、紙の【標的】の印が消えたのだ。
「………俺の追跡機能が、消えた。あり得ない。この世界上でも、魔力が尽きない限り、逃げるのは無理だ。これは、成功か?」
「………」
俺の愕然とした表情より、呟きが気になるのだろう。
聞きたそうにそわそわしていたギルマスだが、バレンの所業にもびっくりしているのだろう。彼は、なんとも言えない複雑な表情を浮かべていた。
♢
「………なるほどね。ルイ君だけの能力というわけでもなさそうだが、容易に使えるわけでも無さそうだ。後は改良だけど、これも今のままでは駄目だったのかい?」
随分時間が経って再開された話は、バレン抜きで進められている。
彼はメモを取り出そうとして……失敗した。俺がメモが消えたことを確認した嬉しさで、集中力が切れたのだ。
彼の集中力で緻密に練られた魔力は……後はお察しである。
「駄目なわけではないですけど、記憶の中の文字の意味と、こちらの意味では、少し違和感を感じたり、勿体ないなぁ…と思う構成の文字がありましたから。改良出来ないか、試したんです。あの魔法の訓練場での結果も、改良した生活魔法の結果です」
「アレが、生活魔法ね……」
「はい!実験は成功でした」
結果は一目瞭然。
攻撃魔法もかくや…という威力を出したのだ。アレと強調したギルマスは、俺の反応に疲れたのか、眉間を揉み揉みと揉み解す。
バレンは、失敗によるショックでほけーっとボケているように見えるが、彼の目に宿る力が、脳が高速に動いている証だ。
きっと、色々と分析しているんだろうな。職業病だな、職人というものは。
ギルマスは執務机に移動し、引き出しから生活魔法のススメと羊皮紙を1枚取り出した。
俺はそれらを受け取ると、彼に本のページで、希望があるかを聞いた。
「ありがとうございます…どこを転写《コピー》したいですか?」
「選べるのかい?」
「勿論」
この世界に手品があるのか知らないが、自分で選んだページが写生されれば、仕込みはないし、疑う余地もない。
見せるだけでなく、納得しやすい方法を魅せる。それも、説得の仕方である。
「では、ここをお願いするよ」
そう彼が示したページは、あの趣味が全開のページであった。
♢ ギルマス Side
ルイ君は、「どのページを転写《コピー》するか?」と聞いてきた。私がそれに答えれば、彼は頷いて、魔力を練り始める。
「分かりました……転写」
彼がコードを唱えると、彼自身の他にも、周囲の魔素が、彼の手に、少しずつ吸収されていくのが分かる。
(10歳とは思えない見事な魔力操作だな。それ以外は、特に特別な技能がいるわけではなさそうだ)
私がそんな考えをしている間に、転写は終わったらしい。
ルイ君の魔力操作は、5歳で記憶が蘇った後、努力を積み重ねてきた彼を、容易に想像出来る腕前だった。
魔力操作や魔素の取り入れ方は、同年代では群を抜いている。彼に、その自覚があるのか、怪しいところではあるが。
「これは、見事に写生が出来ている。魔力操作が得意な者であれば、出来そうな操作だね」
彼から転写した羊皮紙を受け取った私は、それを眺めながら言った。
「えぇ。ある程度の魔力操作が出来る方で、考えが柔軟な方は、すぐにイメージが浮かぶでしょう」
「湖面に波状に広がるイメージで、魔力を浸透させる。極力魔力を消費しないように、魔素も利用していたね。無属性ならではの利用法だ」
「はい。丁寧な仕事は、信頼を勝ち取るに値しますからね」
「そうだね。しかし、考えが柔軟な方か。耳が痛いね」
眉を歪め、頭をポリポリと掻くギルマスは、苦笑いだ。どうやら心当たりのある人物は、頭が固いらしい。
「だが、ルイ君のいうことは最もだ。薬草の採取もだが、あの丁寧さは、ルイ君の努力の賜物だろう?初っ端から、あぁではなかった筈。彼も、練習や柔軟さの訓練をすれば、身につけられる技術だろう」
「訓練?」
「あぁ…魔法は、言葉の理解、想像力やイメージの固定化、魔力操作の基礎から成り立つ。出来ないなら、訓練。これは、どんな事に対しても、基本だ。そうだろう?」
「……そうですね」
私がそういえば、なぜか頰を引きつらせているルイ君がいた。
「それにしても、あの新鮮な薬草はどうやったんだい?冒険者ギルドとしては、『冒険者の手の内を明かせ』などという質問は憚られるが、聞かずにはいられないよ」
あの場では、敢えて質問しなかったけれど。あの場にいた皆は、知りたくてうずうずしていた。ギルマスである私が見張っているから、誰も声を上げなかっただけ。
「アイテムボックスにも、時間停止や軽減の効果があるものがありますよね?」
「あぁ。存在はするが、どれも国宝級で、手に入れることは不可の……まさか」
私の想像は間違っていたみたいだ。だが、即座に入った修正に、突っ込まずにはいられない。
「あぁ、変な勘違いをしないでください。俺は空間に干渉したわけではなく、素材の鮮度に干渉しただけです」
「……いやいや、大いに凄いことなんだよ!?」
ルイ君は、さも当然のように軽く言うが、彼が貰った報酬が、その貴重さを現している。それを理解しているんだろうね!?
「確かにあの買取価格は、仰天でしたけど」
良かった。一応の自覚はあるみたいだ。私はホっと胸を撫で下ろす。
♢
(なんか、無自覚と思われていたみたいで遺憾だが……まぁ、いいか。そういう風に思われる行動をしたのは、間違いないし)
「アイテムボックスはなくても、鮮度に干渉出来るなら、アイテムボックスはいらな」「いやいや、絶対必要でしょう!?この間の奇異な目は嫌ですよ。あれは、ウルディンに悪いことをしました」
私の意見に突っ込んできたギルマス。やはりアイテムボックスは、いつの時代も我々を魅了して離さないらしい。
「…ははっ!?気にすることはない。ウルディンが怪我で収入が途絶えていた所に、臨時収入で小銀貨8枚だ。嫁さんも、元冒険者だが、ご機嫌だったらしいよ?」
「それなら良かったです」
ギルマスから聞いたウルディンの近況に、俺も胸を撫で下ろす。奥様が恐妻っぽかったから、少し気にしていた。報酬で機嫌が取れたなら、万々歳である。
「それで、アイテムボックスが必要ということだけど、なにか思いついたのかな?」
ギルマスの言葉に、バレンはぎょっとした顔をギルマスに向けた。
そんな簡単に魔法言葉が分かれば、苦労はしない。彼の瞳は、そう物語っていた。
古代遺跡の発掘や、言葉の解読に、道具の解析。それに携わる職人の、いや、先人たちの苦労を知る瞳であった。
「【収納】という言葉があります。魔法言葉は『収納』です」
だが俺は、鞄から出した適当なメモ用紙に、文字を書き殴った。記憶にある言葉だが、こちらでどう作用するか。今のところ、この魔法言葉の実験はしていない。
「これはまず、異次元に空間を想像してくれ」
「分かりにくいよ、ルイ君」
「……例えば、バレンの店の物置が満杯で、置き場所に困ることになる」
「うんうん」
俺の裾を引いて、苦情を宣うバレンの為に、俺は説明の仕方を変えることにした。
彼は凄く真剣に聞いているが……モノにする気か?これは、俺が生活魔法Lv.∞だから出来る話だぞ?多分。
「前の記憶の場所では、『貸し倉庫』という商売があったんだ。倉庫の広さで月に払う賃貸料が変わる。その貸し倉庫を、街外れに借りるのを想像してみろ」
「それが、別空間になるんだね」
「別空間は、分かりにくいんだろ?いっそ、このゼントの外れでいい。想像というより、勝手に自分の倉庫を建てたと思い込め」
「分かった!」
目を瞑ったまま、真剣に俺の言葉を実行しようとしている。バレンの魔力が緻密に練られるというのが分かってしまった。
それほど、彼の周囲の魔素が濃い。
「収納!」
「「………」」
あれほど緻密に練られた魔力が、あっという間に霧散……しなかった。
俺が書き殴ったメモに瞬時に、【標的】を付けた。自分でしようとしていた実験を、バレンが成功させようとしている。
「これを、自分の空間に放り込め!」
【標的】を付けたメモを、バレンの手に握らせ、【追跡】を起動する。
俺の頭には、放り込まれる前の場所。つまり脳内の地図上では、この部屋で点滅していたが……バレンが紙をどこかに放り込めば、紙の【標的】の印が消えたのだ。
「………俺の追跡機能が、消えた。あり得ない。この世界上でも、魔力が尽きない限り、逃げるのは無理だ。これは、成功か?」
「………」
俺の愕然とした表情より、呟きが気になるのだろう。
聞きたそうにそわそわしていたギルマスだが、バレンの所業にもびっくりしているのだろう。彼は、なんとも言えない複雑な表情を浮かべていた。
♢
「………なるほどね。ルイ君だけの能力というわけでもなさそうだが、容易に使えるわけでも無さそうだ。後は改良だけど、これも今のままでは駄目だったのかい?」
随分時間が経って再開された話は、バレン抜きで進められている。
彼はメモを取り出そうとして……失敗した。俺がメモが消えたことを確認した嬉しさで、集中力が切れたのだ。
彼の集中力で緻密に練られた魔力は……後はお察しである。
「駄目なわけではないですけど、記憶の中の文字の意味と、こちらの意味では、少し違和感を感じたり、勿体ないなぁ…と思う構成の文字がありましたから。改良出来ないか、試したんです。あの魔法の訓練場での結果も、改良した生活魔法の結果です」
「アレが、生活魔法ね……」
「はい!実験は成功でした」
結果は一目瞭然。
攻撃魔法もかくや…という威力を出したのだ。アレと強調したギルマスは、俺の反応に疲れたのか、眉間を揉み揉みと揉み解す。
バレンは、失敗によるショックでほけーっとボケているように見えるが、彼の目に宿る力が、脳が高速に動いている証だ。
きっと、色々と分析しているんだろうな。職業病だな、職人というものは。
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