43 / 103
十二日目―ルイの新たな実験?
それにしても、馬鹿貴族のせいで、碌に連絡が取れないのは不便だな。
テレパシーでもありゃ……そうだよ!生活魔法で作れるかもしれない!実験してみよう。だが、誰を相手にしようか。ん?
「……バレン、距離が近いんだけど?」
ふと視線を感じて横を見れば、バレンが顔を覗き込んでいた。お前、手紙書かなくていいのかよ?
「だって、ルイ君がそうやって考えに耽っている時って、魔法文字を考えている時でしょ?なにか、新しいのを思いついたの?」
瞳をきらきらと輝かせて聞いてくるバレンに、俺の行動パターンが把握されつつある。ストーカーではないのだが、最近一緒にい過ぎたせいか?
生活魔法事典が終わるまでの関係だったはずなのに、いつしか、秘密を知られる関係になってしまった。
「……そうだ、バレンに協力してもらおう」
「いいよ!なにをするの!?」
即答かよ。まぁ、知らん間柄ではないが、少しは警戒を持てよ。
「……はぁ。思念伝達っていう相手に届けたい言葉を心の中で強く呼びかけて、それが相手に届けば成功っていう実験」
「!!やる!僕、それやる!」
はいはいはい!と連打で叫びながら、挙手するバレンは、俺に寄りかからんばかりだ。
「はぁ……近いぞ、バレン」
俺が深いため息を吐きながら、声を低くして言えば、彼はしょぼんとしながら、素直に謝った。
「…ごめんね。少し興奮しちゃった」
こいつも、根は良い奴なんだ。引っ付き虫なきゃなぁ。
「くっくっくっ……」
俺たちの様子を見ていたギルマスは、笑い声を堪えているようだが、漏れてるし。なんなら、肩が震えてるし。
背中に流した三つ編みの髪が、小刻みに揺れてバレバレだ。
「ギルマス、笑っているのバレバレですからね」
「くくっ…だって、滅茶苦茶嫌そうに顔を歪めながらも、ルイ君は謝罪を受け入れてるし?バレン君も、おざなりに扱われても、素直に謝ってるし?……お互い似た者同士だなぁって……いいコンビだよ」
「はぁ?」
「へ?」
ギルマスの思わぬ意見に、お互いに顔を見合わせる俺たち。
彼がなん歳か知らないが、俺たちより歳上なのは定か。到底受け入れられる意見ではない……が、所変われば品変わる。
当事者と第三者では、見える景色が違うんだな。年長者の見解として覚えおこう。損はないだろう。
「バレン君。文の内容は、本当にこれでいいのかい?」
「はい。これで、お願いします」
含み笑いから復活したギルマスが、バレンに声をかけていた。
隠すことなく晒された手紙。そこには、電報のような短い文が添えられていた。
“例の件、解決の兆しあり。
至急、連絡乞う。 バレン”
「分かった。では、預かるね」
「はい。よろしくお願いします」
短い手紙だが、念の為、詳しく書くのを控えたのか?ギルマスが、権力を持つという知り合いを配送係に遣う辺り、二人の関係性は見えるが……俺たちは知らない人だからな。これが、賢明かもな。
そう考えていた俺は、実験の内容に思考を切り替える。
(距離は、一階と二階……いや、始めはこの部屋の扉越しだな。正当性を持たせる為、バレンが扉を出た後に、ギルマスに決めてもらった言葉を、実験に使用してみよう)
☆生活魔法(仮) New!
思念伝達……相手に届けたい言葉を心の中で強く呼びかける。それが相手に届けば成功。
テレパシーでもありゃ……そうだよ!生活魔法で作れるかもしれない!実験してみよう。だが、誰を相手にしようか。ん?
「……バレン、距離が近いんだけど?」
ふと視線を感じて横を見れば、バレンが顔を覗き込んでいた。お前、手紙書かなくていいのかよ?
「だって、ルイ君がそうやって考えに耽っている時って、魔法文字を考えている時でしょ?なにか、新しいのを思いついたの?」
瞳をきらきらと輝かせて聞いてくるバレンに、俺の行動パターンが把握されつつある。ストーカーではないのだが、最近一緒にい過ぎたせいか?
生活魔法事典が終わるまでの関係だったはずなのに、いつしか、秘密を知られる関係になってしまった。
「……そうだ、バレンに協力してもらおう」
「いいよ!なにをするの!?」
即答かよ。まぁ、知らん間柄ではないが、少しは警戒を持てよ。
「……はぁ。思念伝達っていう相手に届けたい言葉を心の中で強く呼びかけて、それが相手に届けば成功っていう実験」
「!!やる!僕、それやる!」
はいはいはい!と連打で叫びながら、挙手するバレンは、俺に寄りかからんばかりだ。
「はぁ……近いぞ、バレン」
俺が深いため息を吐きながら、声を低くして言えば、彼はしょぼんとしながら、素直に謝った。
「…ごめんね。少し興奮しちゃった」
こいつも、根は良い奴なんだ。引っ付き虫なきゃなぁ。
「くっくっくっ……」
俺たちの様子を見ていたギルマスは、笑い声を堪えているようだが、漏れてるし。なんなら、肩が震えてるし。
背中に流した三つ編みの髪が、小刻みに揺れてバレバレだ。
「ギルマス、笑っているのバレバレですからね」
「くくっ…だって、滅茶苦茶嫌そうに顔を歪めながらも、ルイ君は謝罪を受け入れてるし?バレン君も、おざなりに扱われても、素直に謝ってるし?……お互い似た者同士だなぁって……いいコンビだよ」
「はぁ?」
「へ?」
ギルマスの思わぬ意見に、お互いに顔を見合わせる俺たち。
彼がなん歳か知らないが、俺たちより歳上なのは定か。到底受け入れられる意見ではない……が、所変われば品変わる。
当事者と第三者では、見える景色が違うんだな。年長者の見解として覚えおこう。損はないだろう。
「バレン君。文の内容は、本当にこれでいいのかい?」
「はい。これで、お願いします」
含み笑いから復活したギルマスが、バレンに声をかけていた。
隠すことなく晒された手紙。そこには、電報のような短い文が添えられていた。
“例の件、解決の兆しあり。
至急、連絡乞う。 バレン”
「分かった。では、預かるね」
「はい。よろしくお願いします」
短い手紙だが、念の為、詳しく書くのを控えたのか?ギルマスが、権力を持つという知り合いを配送係に遣う辺り、二人の関係性は見えるが……俺たちは知らない人だからな。これが、賢明かもな。
そう考えていた俺は、実験の内容に思考を切り替える。
(距離は、一階と二階……いや、始めはこの部屋の扉越しだな。正当性を持たせる為、バレンが扉を出た後に、ギルマスに決めてもらった言葉を、実験に使用してみよう)
☆生活魔法(仮) New!
思念伝達……相手に届けたい言葉を心の中で強く呼びかける。それが相手に届けば成功。
あなたにおすすめの小説
転生?憑依?したおっさんの俺は【この子】を幸せにしたい
くらげ
ファンタジー
鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は、四十目前の独り身の普通という名のブラック会社に務めるサラリーマンだった。だが、目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた。しかも【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!?
「誰も【この子】を幸せにしないなら俺が幸せにしてもいいよな?」
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
※2026年半ば過ぎ完結予定→七月に完結(決定)
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。