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十八日目―記憶の狭間
商人ギルドの説明を聞きながら夜が更け、心配していた侵入者の気配もなく、無事に朝を迎えた今日。
「おはよう、バレン」
「おはよう、ルイ君。今日から、徒歩の旅だねぇ~」
身体を伸ばしながら、そんな事を言うバレンに、俺は適当に返事を返す。
俺は、一つ試したいことがあった。それは、転移だ。
徒歩で、三日も時間があるのだ。
バレンから、ギルドのことを聞くのも大事だが、そればかりでは飽きてしまう。
そんな時に、転移の実験で気分を変えればどうか?と思ったのだ。
よくラノベでは、行ったことのない場所には行けないという制限がある。
だが、どんな場所か知らなければ無理と言うのなら、要は、知ればいい。
そう、無ければ創ればいいのだ。
これぞ、マ◯ー・アント◯ネット方式。
「パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない!」だ。
だがこれも、本人の言葉ではないと言われているが、似たような発言があったとは言われている。
真実は、当時の人or文献のみでしか、知ることができないが。
「なぁ…これから3日間の内に、ギルドの事を教わるけどさ」
「うん…それがどうしたの?」
「それだけだと飽きねぇか?」
「え?そう?」
俺の誘導尋問に引っかからねぇとは……ここは、正直に言うか。
「俺は、飽きるんだよ。それでだ!あまり人気のない森は、転移の練習に適してると思うんだよな!」
「…は?」
俺の会心の一撃に、バレンは呆けた顔で、間の抜けた声を出した。
「………つまり、なに?その記憶同調で、僕の映像を見て、そこに転移出来るか実験するっていうこと?」
頭が痛いのか?
額に手を添えて俯いているが。
「あぁ!始めから、記憶同調の出番はないぞ?始めは、目の見える範囲で、繰り返し練習をしてからが、本番だ!」
「……やだ」
「なんでだよ!?」
「だって!僕とルイ君が、おでこをくっつけるんでしょ!?そんなの恥ずかしいよ……それ以外に、方法はないの?」
此奴!?なぜ反対をする?と思えば、あろう事か。此奴は、恥ずかしがったのだ!
ぽっ…と頰を赤らめるんじゃねぇ!?
普段の彼は、パーソナルスペースをガン無視の癖に、自分がされると恥ずかしいのか?
そうか、お前がそのつもりなら……これは大っ変良い機会だ!俺の気持ちを、存っ分に!体感してもらおうではないか!?
「………ない!」
「そんなぁ!?」
縋るように俺を見つめるバレンへ、俺は無慈悲な宣告を通達する。それは、奴を地面にひれ伏せるのに、十分な宣告だった。ふはははは!!
記憶同調
他者が頭に思い浮かべた景色を、俺も見ることが出来る魔法だ。
脳内を見ることになるので、おでこに触れる必要があるが……同性で大人に子供だ。なにも、全っ然問題はない。恥ずかしがる意味が、全っ然分からない。
バレンがひれ伏した傍らで、記憶同調の決行を、固く決意する俺がいた。
♢
「それでね?商人ギルドに登録する場合も、登録料がいるんだけど、ギルド関連で一番高額なんだよね。あっ!?お祭りで短期の露店出店は、ギルド登録がなくても可能なんだよ。勿論、身分証明や出品物は、しっかり確認されるけどね!不正がないかどうか、祭りを巡回する秘密のギルド職員もいるんだから」
「そりゃ、そうだろう。その場で確認するだけなら、当日は、なんぼでも誤魔化しが効くだろ」
露店は、人気の場所から埋まっていく。当然、そんな場所は貸し賃が少し高いのである。人気な場合は、抽選もあり得るかもしれない。
「……ずっと気になってんだけど、前世ではなん歳だったの?今はまだ10歳の少年なんだけど、同年代と話してる錯覚しか生まないんだよね」
「奇遇だな。俺もだ」
「ほんと?」
嬉しそうにするバレンに、俺は内心ニヤッと笑う。
「あぁ。ただ俺の場合、逆の意味だけどな」
「…どういう意味!?」
一瞬ポカンとした表情を浮かべたが、直ぐに意味を理解して、ぷんすこしているバレン。だから、そういうところだよ……とは、言わずにおこう。面白いから。
だが、本当に覚えていないんだよなぁ。
自分の名前も歳も。なんなら、両親や友達のの顔も名前も。
会社でサラリーマンをしていた記憶はあるが、肝心の同僚の顔も名前も。
まるで、自分に関する情報だけが抜けている気味悪さ。まぁそれも、この世界に馴染ませる為の措置かもしれんが。
「おはよう、バレン」
「おはよう、ルイ君。今日から、徒歩の旅だねぇ~」
身体を伸ばしながら、そんな事を言うバレンに、俺は適当に返事を返す。
俺は、一つ試したいことがあった。それは、転移だ。
徒歩で、三日も時間があるのだ。
バレンから、ギルドのことを聞くのも大事だが、そればかりでは飽きてしまう。
そんな時に、転移の実験で気分を変えればどうか?と思ったのだ。
よくラノベでは、行ったことのない場所には行けないという制限がある。
だが、どんな場所か知らなければ無理と言うのなら、要は、知ればいい。
そう、無ければ創ればいいのだ。
これぞ、マ◯ー・アント◯ネット方式。
「パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない!」だ。
だがこれも、本人の言葉ではないと言われているが、似たような発言があったとは言われている。
真実は、当時の人or文献のみでしか、知ることができないが。
「なぁ…これから3日間の内に、ギルドの事を教わるけどさ」
「うん…それがどうしたの?」
「それだけだと飽きねぇか?」
「え?そう?」
俺の誘導尋問に引っかからねぇとは……ここは、正直に言うか。
「俺は、飽きるんだよ。それでだ!あまり人気のない森は、転移の練習に適してると思うんだよな!」
「…は?」
俺の会心の一撃に、バレンは呆けた顔で、間の抜けた声を出した。
「………つまり、なに?その記憶同調で、僕の映像を見て、そこに転移出来るか実験するっていうこと?」
頭が痛いのか?
額に手を添えて俯いているが。
「あぁ!始めから、記憶同調の出番はないぞ?始めは、目の見える範囲で、繰り返し練習をしてからが、本番だ!」
「……やだ」
「なんでだよ!?」
「だって!僕とルイ君が、おでこをくっつけるんでしょ!?そんなの恥ずかしいよ……それ以外に、方法はないの?」
此奴!?なぜ反対をする?と思えば、あろう事か。此奴は、恥ずかしがったのだ!
ぽっ…と頰を赤らめるんじゃねぇ!?
普段の彼は、パーソナルスペースをガン無視の癖に、自分がされると恥ずかしいのか?
そうか、お前がそのつもりなら……これは大っ変良い機会だ!俺の気持ちを、存っ分に!体感してもらおうではないか!?
「………ない!」
「そんなぁ!?」
縋るように俺を見つめるバレンへ、俺は無慈悲な宣告を通達する。それは、奴を地面にひれ伏せるのに、十分な宣告だった。ふはははは!!
記憶同調
他者が頭に思い浮かべた景色を、俺も見ることが出来る魔法だ。
脳内を見ることになるので、おでこに触れる必要があるが……同性で大人に子供だ。なにも、全っ然問題はない。恥ずかしがる意味が、全っ然分からない。
バレンがひれ伏した傍らで、記憶同調の決行を、固く決意する俺がいた。
♢
「それでね?商人ギルドに登録する場合も、登録料がいるんだけど、ギルド関連で一番高額なんだよね。あっ!?お祭りで短期の露店出店は、ギルド登録がなくても可能なんだよ。勿論、身分証明や出品物は、しっかり確認されるけどね!不正がないかどうか、祭りを巡回する秘密のギルド職員もいるんだから」
「そりゃ、そうだろう。その場で確認するだけなら、当日は、なんぼでも誤魔化しが効くだろ」
露店は、人気の場所から埋まっていく。当然、そんな場所は貸し賃が少し高いのである。人気な場合は、抽選もあり得るかもしれない。
「……ずっと気になってんだけど、前世ではなん歳だったの?今はまだ10歳の少年なんだけど、同年代と話してる錯覚しか生まないんだよね」
「奇遇だな。俺もだ」
「ほんと?」
嬉しそうにするバレンに、俺は内心ニヤッと笑う。
「あぁ。ただ俺の場合、逆の意味だけどな」
「…どういう意味!?」
一瞬ポカンとした表情を浮かべたが、直ぐに意味を理解して、ぷんすこしているバレン。だから、そういうところだよ……とは、言わずにおこう。面白いから。
だが、本当に覚えていないんだよなぁ。
自分の名前も歳も。なんなら、両親や友達のの顔も名前も。
会社でサラリーマンをしていた記憶はあるが、肝心の同僚の顔も名前も。
まるで、自分に関する情報だけが抜けている気味悪さ。まぁそれも、この世界に馴染ませる為の措置かもしれんが。
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