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二十一日目―辺境伯邸、軍事会議②
さて、八つ当たりもここまでにしよう。
私はタリンを座らせ、皆を見回した。そして、今回の会議の説明を始めた。
「一言でいえば、この仮釈放処分は、今回だけだな」
私の言葉に、皆が「え?」という表情でこちらを見る。
「これは、協力者ありきの囮捜査。今回の鼠潜入の裏にある裏組織の打撃、撲滅を想定したものだ。まぁ今後の展開次第では、またあるかもしれんが……協力者次第だろう」
「でっ…では!?仮釈放されている元衛兵は、囮だと自覚しているのですか!」
私の協力者が、仮釈放された元衛兵だと勘違いしたタリンが、そんな馬鹿な…と呟き、必死に質問をしてくる。
最早、青を通り越して土気色の表情をしたタリンは、すっかり大人しくなっていた。
「囮を自覚するとは、どういう意味だ?奴は、鼠だろう?」
タリンの質問に、私が心底不思議そうに尋ねれば、彼は更に顔色を悪くする。
勘違いしているかもしれんが、奴はれっきとした犯罪者だぞ?それを、協力者の提案で、泳がせているだけに過ぎない。(ルイにその気は…etc)
採用担当者は、強制家宅捜索の一時身柄確保。元衛兵は、証拠不十分で仮釈放などというあべこべの行動の不自然さ。
普通は気付くのに、何故気付かない?
此奴の脳は、焦りと思考の渦に疲弊・麻痺でも起こしたか?
「大丈夫か?タリン。えらく顔色が悪いが……早退するか?」
「…え?」
私の思わぬ言葉に、救いを見出したように顔を上げるタリン。大丈夫か?此奴。元衛兵を泳がせている最中なのに、私が再度泳がせるとは、思わないのだろうか?
「だから、体調が優れないんだろ?ならば、会議は皆で行う故、タリンは退出しても構わんぞ?」
「ほっ!…本当ですかっ!?」
「あぁ。(誓約書を書かせる用事は終わったしな。もう、タリンへの用は済んだ)家に帰って、休むといい」
「ありがとうございますっ!そうしますっ!」
具合が悪そうに感じないスピードで席を立ち、会議室を出ていったノウ・タリン第六隊長。
「さて……ロンドはいるか?」
「ここに」
音もなく現れた人物だが、皆も驚かない。
「タリンを追え」
「御意」
この場にいる誰もが思う。
まさか……な?
あんな見え見えの罠に掛かる奴なんて、いないよな?……と。
昨夜の急展開が、脳の判断を狂わせ鈍らせる。自己保身の為の不安に駆られ、冷静さをも失う。
そうなれば後はもう、暴走者の出来上がりだ。愚者の思考がもたらす未来は、果たして?
「さて、話を戻そうか―――」
そうして語られた団長の話は、まさに信じがたいものだった。
「不死の呪いですと!?団長、其奴、怪しい呪術師か詐欺師ではありませんか!?」
「それは、ないない。私も、彼の能力の判明は出来ていないが……貴族である私に、直談判するほどだぞ?嘘を言うと思うか?まぁ、そういう私も、彼の能力は計り兼ねているがね」
「「「直談判!?」」」
泣く子も黙る狼の獣人の長である彼に?七…いや、一人脱落して六人になった隊長の半分は、驚きの声を上げる。
因みに、現在のマルタブルクの首長は、獅子の一族である獣人の大皇家が務めている。
「直談判……ですか?私は、そのような御仁を通した報告を受けておりませんが…」
屋敷の警護を任されている第三隊長が、渋い面で答えた。当たり前だ。そのような人物がいれば、彼が知らないわけがない。
「……ふっ!直談判とは、なにも対面だけが手ではないぞ?」
まだ甘いなぁ…という表情の団長に、総隊長も頷いている。彼は、団長の協力者が誰なのか、知っているらしい。
「彼は、我々が裏組織の壊滅に乗り出さなかった時の為に、解呪の仕方や道具も預けてくれているぞ?」
「素人が、解呪出来るのですか!?」
びっくり仰天とは、このことだな。
本来の呪術は闇属性の呪術のスキルを持った呪術師が行う。今までの解呪方法は、呪術を掛けた本人か、聖属性を持つ神官の解呪方法しかなかった。
「呪術は既に掛けていたから、処刑の際に解呪が必要でしょう……とな」
肩を竦めながら説明をする団長は、開いた口が塞がらない五人の隊長たちを見て、くっくっくっと肩を揺らし、悪戯な顔で笑い始めた。
「まっ!始めは冗談だと思うよなぁ……」
「「「「「当たり前でしょう!?」」」」」
そのぼやきに、突っ込まぬ者はいなかった。いや、一人だけいたが、まだ誰も気付いていない。
「その解呪の道具も、本物か分かったものではありませんぞ!?」
警告をしているのは、領内全ての治安に目を光らせている第四隊隊長だ。彼の気持ちも、痛いほどよく分かる。
だが、この話を聞いていた調査全般担当の第二隊は、更に理解している。なんせ、身をもって体験したみたいだからな。
「第二よ!なんとか言ったらどうなのだ!?実際に事に当たるのは、お前らの隊だぞ!?」
シュタッ!と、身軽さを利用して机に飛び上がる第四隊長。黙したままの第二隊長に、食ってかかる彼の勢い。本当に食ってしまうのを耐えるように、軽く息を吸い、深く息を吐いた第二隊長。
大きいが鋭い瞳は、冷たい印象を与える。厳しい目付きにも見える彼の種族は、蛇。
口から覗く舌が、鼠族の第三隊長を捕らえるように、ちょろっと躍る。それを見た第四隊長は、少し背中を仰け反らせた……くっくっ。
「捜査は現在も続行中だし、団長の言う不死身なら、もう見たさ」
「…は?」
そんなこと信じられない…とでもいうように、間の抜けた表情と声を出す第四隊長。
「事件の捜査担当の第二は既に、仮釈放をした元衛兵を尋問した」
「なにか、吐いたのか?」
「それはまだ言えんが、尋問の際に傷つけた傷が……治るんだよ」
「…は?」
同じ言葉を繰り返す鼠隊長は、【不死】という現象が、よほど信じられないらしい。
「だから、尋問の際に受けた傷が、瞬く間に塞がる…治癒するんだ」
「「「「………」」」」」
「私も何故だ?と愕然としたが、元衛兵は土壇場で『能力が開花した!』と喜んでいたが、事情を飲み込めないうちでの仮釈放命令だ。団長の考えが不明で困惑したが……この話を今聞いて、全てに合点がいったよ」
「「「「「………」」」」」
第二隊長の言葉を聞いた皆が、静まり返る。疑っていた事象が、現実として、既に仲間に視認されていたのだ。
「まぁ、そういうことで。呪術に関しては、詐欺でもなく真実だ。因みに、私の協力者の裏には、ブレースト大皇家がいる。それを忘れずに、行動するんだぞ」
「「「「「「「…!?」」」」」」」」
更に驚愕な言葉を吐いた私に、隊長たちは、ぎょっとしていた。昨夜の私の苦悩を味わうがいい。私は既に乗り越え(開き直りとも言う)、今から始まる大捕物を楽しみにしている。
「取り敢えず、裏組織の全容を掴む意気込みで、この事件には当たってもらいたい。捜査は、第二部隊。暗部の第七部隊と連携を取りながら、捜査を頼む。暗殺ギルドに潜っている者には、既に連絡を付けてある。彼の領域には入らぬように、十分注意しろ。ギルドの彼への不信は、彼の命に関わる」
「畏まりました!こちらは、緊急事態以外は、あちらからの接触を待ちたいと思います!」
捜査の段取りの確認をしていると、団長宛に、郵便鳥が飛んできた。
「『ノウ・タリン。アジトと見られる領都とスラムの境にある裏路地の酒場『カリュンマ』に潜入。蜘蛛の子散らす勢いで、息も絶え絶えに到着。よほど、混乱しているものと推測。引き続き、見張り継続』…らしいぞ?」
「「「「「「……」」」」」」
誰もが分かる露骨な罠にまんまと掛かったタリン。普段から小心者だと思っていたが、我々の想像より遥かに小さな肝だったらしい。
皆が絶句した様子が可笑しく、私は一人肩を揺らした。
♢ タリン Side
「早くっ!…早く、あの方にお伝えしなければっ!?」
息が切れるのも構わず、人目も憚らず、街中を走る。ツヴァイトの暗部ロンドに尾行されているとは知らず。
「くそっ!?一体全体、どうなってやがる!?」
粗末な椅子…いや、樽が衝撃に吹っ飛ぶ。組織の者も、馬鹿ではない。
昨夜の辺境伯家騎士団の奇行に、罠だと分かっているが、全く情報が掴めない。原因の鼠野郎は、姿を晦ましやがるし!
追手を掛けて探すが、いまだ見つかる気配がない。荒れに荒れたお頭に、手下は戦々恐々に過ごしていたそんな時!
『エマージェンシー!エマージェンシー!』
と、扉から響く声に、手下たちは、パッと明るく顔を見合わせる!……それもそのはず。
あの声は、臆病者!?サンドバック要員がやって来た!と皆が思ったのだから。
魔法契約により、情報漏洩は神罰が下ることを忘れた愚者は、自らの保身に走った結果、命の危機に陥る場所を選んだノウ・タリン。
私はタリンを座らせ、皆を見回した。そして、今回の会議の説明を始めた。
「一言でいえば、この仮釈放処分は、今回だけだな」
私の言葉に、皆が「え?」という表情でこちらを見る。
「これは、協力者ありきの囮捜査。今回の鼠潜入の裏にある裏組織の打撃、撲滅を想定したものだ。まぁ今後の展開次第では、またあるかもしれんが……協力者次第だろう」
「でっ…では!?仮釈放されている元衛兵は、囮だと自覚しているのですか!」
私の協力者が、仮釈放された元衛兵だと勘違いしたタリンが、そんな馬鹿な…と呟き、必死に質問をしてくる。
最早、青を通り越して土気色の表情をしたタリンは、すっかり大人しくなっていた。
「囮を自覚するとは、どういう意味だ?奴は、鼠だろう?」
タリンの質問に、私が心底不思議そうに尋ねれば、彼は更に顔色を悪くする。
勘違いしているかもしれんが、奴はれっきとした犯罪者だぞ?それを、協力者の提案で、泳がせているだけに過ぎない。(ルイにその気は…etc)
採用担当者は、強制家宅捜索の一時身柄確保。元衛兵は、証拠不十分で仮釈放などというあべこべの行動の不自然さ。
普通は気付くのに、何故気付かない?
此奴の脳は、焦りと思考の渦に疲弊・麻痺でも起こしたか?
「大丈夫か?タリン。えらく顔色が悪いが……早退するか?」
「…え?」
私の思わぬ言葉に、救いを見出したように顔を上げるタリン。大丈夫か?此奴。元衛兵を泳がせている最中なのに、私が再度泳がせるとは、思わないのだろうか?
「だから、体調が優れないんだろ?ならば、会議は皆で行う故、タリンは退出しても構わんぞ?」
「ほっ!…本当ですかっ!?」
「あぁ。(誓約書を書かせる用事は終わったしな。もう、タリンへの用は済んだ)家に帰って、休むといい」
「ありがとうございますっ!そうしますっ!」
具合が悪そうに感じないスピードで席を立ち、会議室を出ていったノウ・タリン第六隊長。
「さて……ロンドはいるか?」
「ここに」
音もなく現れた人物だが、皆も驚かない。
「タリンを追え」
「御意」
この場にいる誰もが思う。
まさか……な?
あんな見え見えの罠に掛かる奴なんて、いないよな?……と。
昨夜の急展開が、脳の判断を狂わせ鈍らせる。自己保身の為の不安に駆られ、冷静さをも失う。
そうなれば後はもう、暴走者の出来上がりだ。愚者の思考がもたらす未来は、果たして?
「さて、話を戻そうか―――」
そうして語られた団長の話は、まさに信じがたいものだった。
「不死の呪いですと!?団長、其奴、怪しい呪術師か詐欺師ではありませんか!?」
「それは、ないない。私も、彼の能力の判明は出来ていないが……貴族である私に、直談判するほどだぞ?嘘を言うと思うか?まぁ、そういう私も、彼の能力は計り兼ねているがね」
「「「直談判!?」」」
泣く子も黙る狼の獣人の長である彼に?七…いや、一人脱落して六人になった隊長の半分は、驚きの声を上げる。
因みに、現在のマルタブルクの首長は、獅子の一族である獣人の大皇家が務めている。
「直談判……ですか?私は、そのような御仁を通した報告を受けておりませんが…」
屋敷の警護を任されている第三隊長が、渋い面で答えた。当たり前だ。そのような人物がいれば、彼が知らないわけがない。
「……ふっ!直談判とは、なにも対面だけが手ではないぞ?」
まだ甘いなぁ…という表情の団長に、総隊長も頷いている。彼は、団長の協力者が誰なのか、知っているらしい。
「彼は、我々が裏組織の壊滅に乗り出さなかった時の為に、解呪の仕方や道具も預けてくれているぞ?」
「素人が、解呪出来るのですか!?」
びっくり仰天とは、このことだな。
本来の呪術は闇属性の呪術のスキルを持った呪術師が行う。今までの解呪方法は、呪術を掛けた本人か、聖属性を持つ神官の解呪方法しかなかった。
「呪術は既に掛けていたから、処刑の際に解呪が必要でしょう……とな」
肩を竦めながら説明をする団長は、開いた口が塞がらない五人の隊長たちを見て、くっくっくっと肩を揺らし、悪戯な顔で笑い始めた。
「まっ!始めは冗談だと思うよなぁ……」
「「「「「当たり前でしょう!?」」」」」
そのぼやきに、突っ込まぬ者はいなかった。いや、一人だけいたが、まだ誰も気付いていない。
「その解呪の道具も、本物か分かったものではありませんぞ!?」
警告をしているのは、領内全ての治安に目を光らせている第四隊隊長だ。彼の気持ちも、痛いほどよく分かる。
だが、この話を聞いていた調査全般担当の第二隊は、更に理解している。なんせ、身をもって体験したみたいだからな。
「第二よ!なんとか言ったらどうなのだ!?実際に事に当たるのは、お前らの隊だぞ!?」
シュタッ!と、身軽さを利用して机に飛び上がる第四隊長。黙したままの第二隊長に、食ってかかる彼の勢い。本当に食ってしまうのを耐えるように、軽く息を吸い、深く息を吐いた第二隊長。
大きいが鋭い瞳は、冷たい印象を与える。厳しい目付きにも見える彼の種族は、蛇。
口から覗く舌が、鼠族の第三隊長を捕らえるように、ちょろっと躍る。それを見た第四隊長は、少し背中を仰け反らせた……くっくっ。
「捜査は現在も続行中だし、団長の言う不死身なら、もう見たさ」
「…は?」
そんなこと信じられない…とでもいうように、間の抜けた表情と声を出す第四隊長。
「事件の捜査担当の第二は既に、仮釈放をした元衛兵を尋問した」
「なにか、吐いたのか?」
「それはまだ言えんが、尋問の際に傷つけた傷が……治るんだよ」
「…は?」
同じ言葉を繰り返す鼠隊長は、【不死】という現象が、よほど信じられないらしい。
「だから、尋問の際に受けた傷が、瞬く間に塞がる…治癒するんだ」
「「「「………」」」」」
「私も何故だ?と愕然としたが、元衛兵は土壇場で『能力が開花した!』と喜んでいたが、事情を飲み込めないうちでの仮釈放命令だ。団長の考えが不明で困惑したが……この話を今聞いて、全てに合点がいったよ」
「「「「「………」」」」」
第二隊長の言葉を聞いた皆が、静まり返る。疑っていた事象が、現実として、既に仲間に視認されていたのだ。
「まぁ、そういうことで。呪術に関しては、詐欺でもなく真実だ。因みに、私の協力者の裏には、ブレースト大皇家がいる。それを忘れずに、行動するんだぞ」
「「「「「「「…!?」」」」」」」」
更に驚愕な言葉を吐いた私に、隊長たちは、ぎょっとしていた。昨夜の私の苦悩を味わうがいい。私は既に乗り越え(開き直りとも言う)、今から始まる大捕物を楽しみにしている。
「取り敢えず、裏組織の全容を掴む意気込みで、この事件には当たってもらいたい。捜査は、第二部隊。暗部の第七部隊と連携を取りながら、捜査を頼む。暗殺ギルドに潜っている者には、既に連絡を付けてある。彼の領域には入らぬように、十分注意しろ。ギルドの彼への不信は、彼の命に関わる」
「畏まりました!こちらは、緊急事態以外は、あちらからの接触を待ちたいと思います!」
捜査の段取りの確認をしていると、団長宛に、郵便鳥が飛んできた。
「『ノウ・タリン。アジトと見られる領都とスラムの境にある裏路地の酒場『カリュンマ』に潜入。蜘蛛の子散らす勢いで、息も絶え絶えに到着。よほど、混乱しているものと推測。引き続き、見張り継続』…らしいぞ?」
「「「「「「……」」」」」」
誰もが分かる露骨な罠にまんまと掛かったタリン。普段から小心者だと思っていたが、我々の想像より遥かに小さな肝だったらしい。
皆が絶句した様子が可笑しく、私は一人肩を揺らした。
♢ タリン Side
「早くっ!…早く、あの方にお伝えしなければっ!?」
息が切れるのも構わず、人目も憚らず、街中を走る。ツヴァイトの暗部ロンドに尾行されているとは知らず。
「くそっ!?一体全体、どうなってやがる!?」
粗末な椅子…いや、樽が衝撃に吹っ飛ぶ。組織の者も、馬鹿ではない。
昨夜の辺境伯家騎士団の奇行に、罠だと分かっているが、全く情報が掴めない。原因の鼠野郎は、姿を晦ましやがるし!
追手を掛けて探すが、いまだ見つかる気配がない。荒れに荒れたお頭に、手下は戦々恐々に過ごしていたそんな時!
『エマージェンシー!エマージェンシー!』
と、扉から響く声に、手下たちは、パッと明るく顔を見合わせる!……それもそのはず。
あの声は、臆病者!?サンドバック要員がやって来た!と皆が思ったのだから。
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