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しおりを挟む(一昨年に逝去された夏生新名さんの未発表の新作が、本日発売となります。夏生さんの生涯について書かれた内容となっているらしく、発売前からタイトルが話題をよび、今、書店前は大行列です。タイトルはー…)
「ねえ、わたし、本屋さん行きたい! 夏生先生の最新作よ!」
「まあまあ。ではお嬢さま、ニナをお連れくださいね」
「ええ、行きましょう、ニナ!」
お嬢様が婆やの声かけに、僕を呼ぶ。僕は、はい、と返事をして、お嬢様の上着をお渡しし、そっと勢いつかないよう、扉を開けて差し上げた。
「ニナ、今回の作品は、ニナもきっと好きよ、あのね、あなたの名前の入ったタイトルなのよ」
「わたしの愛したアンドロイド(ニナ)」
「え! 知っていたの?」
驚くお嬢様の、いかにも、びっくり、とした表情に、思わず僕もにこやかになった。
「ええ、約束、しましたから」
僕がわがままなんて言わなくても、新名、あなたは最初からのこしてくれていた。
あの原稿の名は「わたしの愛したアンドロイド
(ニナ)」。
あなたの書くものが、好きだよ。
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