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第1話 間男は現れた
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ほのかに赤みがかった桜の花びらが暖かい風に乗って舞い散る頃、俺と妻は出会った。
当時、大学一年生だった俺は同じ講義を受けていた豊田莉乃という女性と知り合う。
相性が良かったのかすぐに打ち解け、そのうち俺と莉乃は親しくなっていった。
そして、大学二年生の頃に莉乃の方から告白された。両想いだった。
晴れて交際する事となり、丁度今から三年前に今度は俺からプロポーズをした。
返事はOKだった。
付き合い始めた当初から、莉乃は俺が大好きだと口癖のように言っており、つい最近まで続いていた。
夫婦仲は良好で、莉乃の作る料理はとても美味しかった。
だが、何事も順風満帆ではなかった。
莉乃の不妊が発覚したのだ。
藁にも縋る思いで不妊治療を始めるが、それでも子を授かることはなく、莉乃は精神的にも肉体的にも疲労していった。
「────ううっ、うぐっ。ごめ……ん、ごめんなさい。亮くん……っ」
罪悪感を感じてか、時折莉乃が俺に謝る事が多々あった。
鬱々とする莉乃に気分転換になればと、ちょっと遠出をして旅行に連れて行ったりしてみた。少しでも支えになりたかった。
その甲斐あってか、莉乃は徐々に前のように笑顔を見せるようになっていった。
子供が望めなかったとしても、俺は莉乃とさえ居れればそれで幸せだった。
不妊の件については、義両親があまり理解を示してくれなさそうな性格という事もあり、いずれは報告するつもりだが今のところは保留にしてある。
そのせいか、事情を知らない義両親から俺が不妊を疑われ、嫌みを言われることもあったが、莉乃の苦しみに比べれば平気だった。
それから平穏な生活を送っていたつもりだったが、莉乃にはそれが少し物足りなかったのだろう。
急に会社の同僚から呼び出されたかと思ったら、そこで莉乃が浮気をしていると告げられたのだ。
街中で知らない男と親しげに歩いている莉乃の姿を見掛け、それを不信に思った同僚が後をつけたところ、二人は歓楽街のホテルへと入っていったそうだ。
同僚は大学時代からの友人で、莉乃とも面識があった。
正直、薄々そういう気はしていた。最近、莉乃が友人とのお出掛けをする事が増え、心なしか上機嫌でいるのが多くなったように感じる。
莉乃は不倫を完璧に隠していたつもりだったのだろうが、長年一緒に過ごしてきたせいか、些細な変化でも分かるようなるらしい。
まあ、それだけ俺が莉乃を愛していたからというのもあるだろうが。
「悔しくないのか?」
あまりに俺が冷静でいるためか、同僚は不思議そうに眉をしかめていた。
最愛の妻を取られて悔しくない訳がない。
だが、莉乃がそういった行為に走ってしまった事に心当たりがある手前、一方的に責める気にはなれなかった。
「どうして奥さんを問い詰めないんだ!? どんな理由があったとしても浮気は浮気。奥さんはお前を裏切ったんだぞ?」
同僚の言うことはごもっともなのかもしれないが、そんなことをしたって元の生活に戻れるとは限らない。
「分かった。……奥山がやらないんだったら、俺が代わりに奥さんを問いただす!」
バンとテーブルを叩く音と共に、同僚の怒声がファミレスの店内に響き渡る。
周囲はたちまち静まり返り、冷ややかな視線を感じる。
「第一、その人が莉乃だっていう証拠が無いし、別人の可能性だってある。そんな状態で問いただしたってどうしようもない。だからさ、この話はやめよう?」
いっぱいいっぱいな心を落ち着かせ、なんとか精一杯の笑顔を作って俺は同僚を宥める。
すると、同僚はその笑みのぎこちなさに心情を察してか、半ば哀れむような目を向けた。
「奥山……分かった」
同僚はそう言ったものの、とても納得していない様子には見えなかった。
しかし、その1ヶ月後に同僚が片っ端から証拠を集めて突き付けてきた。
確かに写真に写っているのは莉乃としか言いようがなかった。
それと、不倫相手だと思われる男に俺は見覚えがあった。
俺達の結婚式の時にも、莉乃の友人として参加していたはずだ。何でも中学時代からの知り合いで、義両親とも仲が良さそうにしていたのを覚えている。
「これで十分だろ? お前の奥さんが浮気してるのは間違いない。俺も一緒に付き合ってやるから今度こそ──」
そう息巻く同僚の声を俺が遮る。
「ありがとう。でも、これは俺と莉乃の問題だから後は俺一人で大丈夫だよ。それに、これ以上加地にも迷惑は掛けられないしね」
「……お前がそう言うなら。けど、もし助けが必要だったらちゃんと声かけろよ」
ため息混じりに頭を掻くと、同僚は証拠を置いて帰っていった。
ここまで親身になってくれる人というのは早々いないだろう。
俺がいかに恵まれているのか実感し、同僚には頭が上がらなかった。
「おかえりなさい。今日もお疲れさまでした!」
帰宅すると、莉乃が普段と変わらずに笑顔で出迎えてくれた。
「今日は遅かったね。お仕事が忙しかったの?」
「いや、会社の同僚に飲みに誘われてね。早く帰らなきゃと思ってたんだけど断れなくてさ。ごめんね」
「そっか、それなら仕方ないよね。──ところでさ、一応確認なんだけどその人って男の人? それとも女の……」
「男だよ。それがどうかしたの?」
「ううん、何でもない。ちょっと気になっただけ」
そう微笑む莉乃を見ていると、まるで浮気なんてしているのが嘘のようにさえ思えた。
怒りよりも虚しさが勝り、ただただ気まずかった。
結局、その日もそれからも俺が莉乃に浮気を追求をすることはなかった。
例え裏で別の男と遊んでいたとしても、日常生活において害が出ている訳でもないし、莉乃が俺を嫌っている素振りもない。
加えて、唯一の肉親だった父でさえついこの間亡くなり、そういう意味でも俺にはもう莉乃しかいなかった。
心の何処かでは莉乃が思い直して浮気をやめてくれるんじゃないかと、淡い期待を抱いていた自分がいたのかもしれない。
それから一ヶ月後。
事態は急展開を迎えることとなる。
その日は結婚記念日で、サプライズとして仕事終わりに莉乃の好きなケーキを買って帰ることにした。
本当は二人で何処かに出掛けたりしたかったが、外せない用事があったようで今度予定を空けると断られてしまった。
穏やかな夕空は微かに黒みを帯び、ひんやりとした風が吹き込む中、古びた建物の看板がガタッと音を立てて傾く。
対向者である女子学生はその事に全く気付いておらず、今にも落ちようとしている看板の下へと足を踏み入れる。
目の前の起こり得る惨劇に、俺は見過ごすことが出来なかった。
考えるよりも先に体が動くと、俺は身を挺して彼女を庇おうと突き飛ばしていた。
直後に強い衝撃が後頭部を襲い、女子学生の悲鳴と共に段々と意識が遠退いていった。
次に目を覚ました時には、病院のベッドの上で仰向けになっていた。
頭には包帯が巻かれており、体を動かそうとするとズキズキと激しく痛む。
それと同時に、身体の半身は力が抜けるように入らず、俺は違和感を覚えた。
「亮くん……亮くん!」
傍には涙ぐみ、全身を小刻みに振るわせている莉乃の姿があった。
「よかった、本当によかった。もしかしたらもう目を覚まさないんじゃないかって思ったんだよっ……!」
「ごめん、心配かけて」
胸の中で泣く莉乃を落ち着かせようと手を伸ばし、俺はそっと頭を撫でた。
事故に遭ってから数日が経っており、その間俺は生死を彷徨っていたらしい。
あの時の女子学生はというと、幸い無事に助けられたようで怪我一つなかったそうだ。
しかし、その代償は重く、俺は後遺症として片麻痺という所謂半身不随の状態になってしまったようだ。
医者にはリハビリをすれば回復を促進することができるが、完全に治るからは分からないと言われた。
それでも後悔はない。
取り敢えず、怪我したのが俺だけでよかったと安堵した。
だが、義両親はこれをあまりよく思っていないようだった。
「半身不随だって? そんなので仕事が出来るのか? まったく、一体誰が面倒を見るっていうんだ。とんだ迷惑な話だな」
「こんなことになるんだったら、もっと高い保険に入っておけば良かったんじゃないの?」
ヒソヒソと冷たい目線を向けてくる義両親に、俺はただ悲しくて悲しくて仕方なかった。
仲が良かったまでとはいかずとも、それでも上手くやってきたつもりだっただけに、堪えるものがあった。
唯一の救いは、女子学生とその家族から感謝されたことだった。
それだけでも自分のしたことは間違っていなかった、正しいことをしたんだと思えると幾らか楽になれた。
当時、大学一年生だった俺は同じ講義を受けていた豊田莉乃という女性と知り合う。
相性が良かったのかすぐに打ち解け、そのうち俺と莉乃は親しくなっていった。
そして、大学二年生の頃に莉乃の方から告白された。両想いだった。
晴れて交際する事となり、丁度今から三年前に今度は俺からプロポーズをした。
返事はOKだった。
付き合い始めた当初から、莉乃は俺が大好きだと口癖のように言っており、つい最近まで続いていた。
夫婦仲は良好で、莉乃の作る料理はとても美味しかった。
だが、何事も順風満帆ではなかった。
莉乃の不妊が発覚したのだ。
藁にも縋る思いで不妊治療を始めるが、それでも子を授かることはなく、莉乃は精神的にも肉体的にも疲労していった。
「────ううっ、うぐっ。ごめ……ん、ごめんなさい。亮くん……っ」
罪悪感を感じてか、時折莉乃が俺に謝る事が多々あった。
鬱々とする莉乃に気分転換になればと、ちょっと遠出をして旅行に連れて行ったりしてみた。少しでも支えになりたかった。
その甲斐あってか、莉乃は徐々に前のように笑顔を見せるようになっていった。
子供が望めなかったとしても、俺は莉乃とさえ居れればそれで幸せだった。
不妊の件については、義両親があまり理解を示してくれなさそうな性格という事もあり、いずれは報告するつもりだが今のところは保留にしてある。
そのせいか、事情を知らない義両親から俺が不妊を疑われ、嫌みを言われることもあったが、莉乃の苦しみに比べれば平気だった。
それから平穏な生活を送っていたつもりだったが、莉乃にはそれが少し物足りなかったのだろう。
急に会社の同僚から呼び出されたかと思ったら、そこで莉乃が浮気をしていると告げられたのだ。
街中で知らない男と親しげに歩いている莉乃の姿を見掛け、それを不信に思った同僚が後をつけたところ、二人は歓楽街のホテルへと入っていったそうだ。
同僚は大学時代からの友人で、莉乃とも面識があった。
正直、薄々そういう気はしていた。最近、莉乃が友人とのお出掛けをする事が増え、心なしか上機嫌でいるのが多くなったように感じる。
莉乃は不倫を完璧に隠していたつもりだったのだろうが、長年一緒に過ごしてきたせいか、些細な変化でも分かるようなるらしい。
まあ、それだけ俺が莉乃を愛していたからというのもあるだろうが。
「悔しくないのか?」
あまりに俺が冷静でいるためか、同僚は不思議そうに眉をしかめていた。
最愛の妻を取られて悔しくない訳がない。
だが、莉乃がそういった行為に走ってしまった事に心当たりがある手前、一方的に責める気にはなれなかった。
「どうして奥さんを問い詰めないんだ!? どんな理由があったとしても浮気は浮気。奥さんはお前を裏切ったんだぞ?」
同僚の言うことはごもっともなのかもしれないが、そんなことをしたって元の生活に戻れるとは限らない。
「分かった。……奥山がやらないんだったら、俺が代わりに奥さんを問いただす!」
バンとテーブルを叩く音と共に、同僚の怒声がファミレスの店内に響き渡る。
周囲はたちまち静まり返り、冷ややかな視線を感じる。
「第一、その人が莉乃だっていう証拠が無いし、別人の可能性だってある。そんな状態で問いただしたってどうしようもない。だからさ、この話はやめよう?」
いっぱいいっぱいな心を落ち着かせ、なんとか精一杯の笑顔を作って俺は同僚を宥める。
すると、同僚はその笑みのぎこちなさに心情を察してか、半ば哀れむような目を向けた。
「奥山……分かった」
同僚はそう言ったものの、とても納得していない様子には見えなかった。
しかし、その1ヶ月後に同僚が片っ端から証拠を集めて突き付けてきた。
確かに写真に写っているのは莉乃としか言いようがなかった。
それと、不倫相手だと思われる男に俺は見覚えがあった。
俺達の結婚式の時にも、莉乃の友人として参加していたはずだ。何でも中学時代からの知り合いで、義両親とも仲が良さそうにしていたのを覚えている。
「これで十分だろ? お前の奥さんが浮気してるのは間違いない。俺も一緒に付き合ってやるから今度こそ──」
そう息巻く同僚の声を俺が遮る。
「ありがとう。でも、これは俺と莉乃の問題だから後は俺一人で大丈夫だよ。それに、これ以上加地にも迷惑は掛けられないしね」
「……お前がそう言うなら。けど、もし助けが必要だったらちゃんと声かけろよ」
ため息混じりに頭を掻くと、同僚は証拠を置いて帰っていった。
ここまで親身になってくれる人というのは早々いないだろう。
俺がいかに恵まれているのか実感し、同僚には頭が上がらなかった。
「おかえりなさい。今日もお疲れさまでした!」
帰宅すると、莉乃が普段と変わらずに笑顔で出迎えてくれた。
「今日は遅かったね。お仕事が忙しかったの?」
「いや、会社の同僚に飲みに誘われてね。早く帰らなきゃと思ってたんだけど断れなくてさ。ごめんね」
「そっか、それなら仕方ないよね。──ところでさ、一応確認なんだけどその人って男の人? それとも女の……」
「男だよ。それがどうかしたの?」
「ううん、何でもない。ちょっと気になっただけ」
そう微笑む莉乃を見ていると、まるで浮気なんてしているのが嘘のようにさえ思えた。
怒りよりも虚しさが勝り、ただただ気まずかった。
結局、その日もそれからも俺が莉乃に浮気を追求をすることはなかった。
例え裏で別の男と遊んでいたとしても、日常生活において害が出ている訳でもないし、莉乃が俺を嫌っている素振りもない。
加えて、唯一の肉親だった父でさえついこの間亡くなり、そういう意味でも俺にはもう莉乃しかいなかった。
心の何処かでは莉乃が思い直して浮気をやめてくれるんじゃないかと、淡い期待を抱いていた自分がいたのかもしれない。
それから一ヶ月後。
事態は急展開を迎えることとなる。
その日は結婚記念日で、サプライズとして仕事終わりに莉乃の好きなケーキを買って帰ることにした。
本当は二人で何処かに出掛けたりしたかったが、外せない用事があったようで今度予定を空けると断られてしまった。
穏やかな夕空は微かに黒みを帯び、ひんやりとした風が吹き込む中、古びた建物の看板がガタッと音を立てて傾く。
対向者である女子学生はその事に全く気付いておらず、今にも落ちようとしている看板の下へと足を踏み入れる。
目の前の起こり得る惨劇に、俺は見過ごすことが出来なかった。
考えるよりも先に体が動くと、俺は身を挺して彼女を庇おうと突き飛ばしていた。
直後に強い衝撃が後頭部を襲い、女子学生の悲鳴と共に段々と意識が遠退いていった。
次に目を覚ました時には、病院のベッドの上で仰向けになっていた。
頭には包帯が巻かれており、体を動かそうとするとズキズキと激しく痛む。
それと同時に、身体の半身は力が抜けるように入らず、俺は違和感を覚えた。
「亮くん……亮くん!」
傍には涙ぐみ、全身を小刻みに振るわせている莉乃の姿があった。
「よかった、本当によかった。もしかしたらもう目を覚まさないんじゃないかって思ったんだよっ……!」
「ごめん、心配かけて」
胸の中で泣く莉乃を落ち着かせようと手を伸ばし、俺はそっと頭を撫でた。
事故に遭ってから数日が経っており、その間俺は生死を彷徨っていたらしい。
あの時の女子学生はというと、幸い無事に助けられたようで怪我一つなかったそうだ。
しかし、その代償は重く、俺は後遺症として片麻痺という所謂半身不随の状態になってしまったようだ。
医者にはリハビリをすれば回復を促進することができるが、完全に治るからは分からないと言われた。
それでも後悔はない。
取り敢えず、怪我したのが俺だけでよかったと安堵した。
だが、義両親はこれをあまりよく思っていないようだった。
「半身不随だって? そんなので仕事が出来るのか? まったく、一体誰が面倒を見るっていうんだ。とんだ迷惑な話だな」
「こんなことになるんだったら、もっと高い保険に入っておけば良かったんじゃないの?」
ヒソヒソと冷たい目線を向けてくる義両親に、俺はただ悲しくて悲しくて仕方なかった。
仲が良かったまでとはいかずとも、それでも上手くやってきたつもりだっただけに、堪えるものがあった。
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