クローバー

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10話

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「ほっはよー!美樹ぃ!」
「おはよう。陽花」
昨日のことが嘘のように回復し、いつものように賑やかな陽花に戻っていた。

そしていつものように花に水をやる。
(この花、昨日は元気無さそうだったのに、今日はめっちゃ綺麗に咲いてるなぁ。)
僕はそんな些細な不思議を考えながら玄関のドアを開け、またいつものように学校へ行く。

「もう6月も終わりだなー。」
「うん...。!」
「ん?どうかしたか?陽花。」
「ううん。なにもない。美樹、ずっと一緒にいようね。」
「???なんだいきなり?」
「フフフ。」
陽花は笑いながら学校までの坂を一気に下っていった。



そして帰り。
あの花屋さんの前を通りかかったとき。
陽花が突然立ち止まって、花屋さんの面に飾っているシロツメクサをまじまじと見つめていた。
「ん?どうした?陽花」
「美樹...あれ...陽花の...。」
「???へ?どういうことだよ?」
「陽花の」
「いやいやあの花は花屋さんのだから。」
「そうじゃない!...そうじゃなくて...」
「なんだよ。言わないとわからないぞ?」
「............」
陽花は黙りこんでいる。僕はもしかしたらと思って一言。
「陽花。あれ、欲しいのか?」
「......」
陽花は何も答えないで頷いた。
「そうか。家のやつ一輪じゃ寂しいもんね。」
そうしてシロツメクサを数輪買って帰った。



帰ってから買ってきた花を庭にあったものの回りに植えた。そして水をやる。
「これで寂しくないだろう?」
僕は自分でもバカだと思いながらも花に話しかけてやった。

「フフフ🎵」
何やら布団で陽花がご機嫌そうに回ったり跳ねたりしている。
「なんだ?陽花。なにかいいことでもあった?」
陽花は目線だけをこちらにやって、
「おしえてあーげなーい!」
僕はその言葉を聞いて出会って間もなくの教えてあげないという言葉が甦った。


陽花が帰ってからずっとランランルンルン🎵していた。
「陽花さん~。電気消しますよー。」
「わっかりましたぁ!寝ましょう!!」
陽花はこう言っているが、僕は陽花のテンションが高過ぎて眠れない気しかしなかった。
「...」
電気を消して布団に入ると、陽花は突然仰向けで笑いながら黙り込んだ。
僕が陽花の顔を向くと、
「美樹、」
「ん?なに?」
「ずっとずーーっと一緒にいようね!」
「?またそれか。わかったから早く寝ようよ。」
「うん。おやすみ。」



僕はこの頃色々なことがあったので、久しぶりに1日の日常が戻ってきてとても嬉しかった。






こんなに楽しい日々を毎日、楽しみにして生きていた。



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