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第40話 アシュナ

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私は14歳になった。
ということはパパはもう30歳だ。
ママはパパより少し若いから二十代かな。
どちらにしても、パパはずっとスケベなママだ。
私はパパが嫌いだった。
いつもエッチなことばかり考えているからだ。
私のことを好きだと言ってくれるけど、それは嘘だと思う。
本当はママのことが好きなのだ。
私とはやりたいだけなんだ。
私が生まれた時から、二人はラブラブで、私が邪魔なんだと思う。
だから、私は嫌われないように振舞っている。
二人が喜ぶような言葉を言うように心掛けている。
それでも、二人の前だと、つい本音が漏れてしまう。
私は二人の妾の一人、アリシア姉さんが好きなのだ。

「アシュナ。魔法を教えてあげるわ」
「はい」

アリシアは私の教育係だった。
私は彼女に魔法の使い方を教わった。
といっても、まだ基礎的な事しか出来ないけれど。
いつか、アリシア姉の役に立ちたいと思っている。
だけど、アリシアは私に優しくしてくれる。
だから、やっぱり好きになってしまう。
そんな自分が嫌になる。

「まだまだね」

そう言って、頭を撫でてくれる。
その瞬間が大好き。
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