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第26話 『ドラゴンテイルズ』の会議。

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『ドラゴンテイルズ』の会議。

毎日朝、行われる。

メンバー間での話し合いが行われた。

議題1 今後の方針。
議題2 勇者召喚について。
議題3『ドラゴンテイルズ』のレベルアップ。

「今後の方針についてから話す」

中央の席に座るリーダーのジークフリートが声を上げる。

「今まではモンスターを狩り、素材を採取し、それを売ることでパーティを運営していたが、今後はそれをやめる」

ざわつく室内。

「どういうことだ?」

メンバーの一人が尋ねる。

「このままでは俺たちは成長できない。だから、この世界の人間と戦う」
「え?」

またもメンバーがざわつく。

「そんなことをすれば、俺達は迫害される」

メンバーであるフージンが反論する。

「それは大丈夫だ」
「え?」
「俺達はガーレット家と密約を結んだ。これはガーレット家からの依頼なのだ」
「何だって!」

ジークフリートの言葉でメンバーの目つきが変わる。

「お前は……そして王様は何を考えているんだ」
「そうだ!今更そんなこと許されるはずがない」

他のメンバーがジークフリートを批判する。

「黙れ。これは決定事項だ」

人間が人間を殺す。
何のメリットがあるのか。
そして何のために行うのか。

「一つ付け加えておく。殺す対象はガーレット家と敵対する王族の人間だ」
「それって」
「そう。戦争だ。ガーレット家がこの世界を支配するための。俺達はそれに加担する」

メンバーは絶句した。

「お前らはどうする?この依頼を断れば、ガーレット家は俺達を潰すだろう。だが、この依頼を受けるなら、王族が俺たちを守ってくれる。なんせ密約だからな。この話を知った以上、生きるか死ぬかだ」

ジークフリートの目は冷たい。

「俺は嫌だ!」

フージンは立ち上がった。

「脱退するぜ!」

彼は青い髪をなびかせ、扉の外に向かう。

「ならば、死ね」

ジークフリートは剣を抜き、フージンの首を跳ねた。
フージンの首が地面に転がる。

「ひぃ」
「うわぁ」

悲鳴が上がる。

「お前らもこうなりたくなければ、決断しろ」

ジークフリートはメンバーを見回す。

生首のフージンは意識が飛ぶまで、しばしの時間こう思った。

(ルミナス……お前の選択は正しかったよ)

フージンは最後の力を振り絞り、彼のスキル『念波』を飛ばした。
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