パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。~チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる!~

yonechanish

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第34話 暴走

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「ハルト君。大丈夫?」

バルクの声が聞こえた。

「あっ、はい」

ハルトは我に返る。

「凄いなハルト君は」

バルクは感心して、そう言った。

「いえ、偶然ですよ」

ハルトは謙遜するが、ルミナスは興奮気味に話す。

「ハルト、格好良かったわ。それに、私を守ってくれたんだよね? 守ってくれて本当に嬉しい」

ルミナスはハルトの手を取る。

「あ、いや、たまたまだよ」

ハルトは照れる。

「ルミナスちゃん、そろそろいいか?」

バルクはルミナスに注意を促す。

「ごめんなさい」

ルミナスはハルトから離れる。

「ハルト君、君は今までピンチに陥った時に、無意識に魔法を発動させていた」

バルクの言葉にハルトは過去の出来事を思い出した。
フィリアが荒くれ者に襲われていた時、無意識に炎の魔法が出た。
フィリアが酒場で襲われたとき、無意識に氷の魔法が出た。
そして、今、ハルトは意識的に炎の魔法を発動させた。

「君がノージョブだった時は、無意識にしか魔法を出せなかった。君には能力はあったが、ノージョブだったからだ。そして、今、君は救世主というジョブに認定されている。だから魔法を意識的に発動出来たんだ」

バルクの説明に納得するハルト。
確かに、そう言われればそうだ。

「それなら、これからは安心ですね」

フィリアの言葉に、バルクは大きく首を横に振る。

「いや、逆だ。より一層気を付けなければ。救世主は、神に選ばれし存在だ。もし、この世界が危機に陥った時、その力をふるうだろう。その時、君の力が暴走したら、取り返しがつかない」
「そう……ですか……」

ハルトは俯く。
自分の力の恐ろしさは自覚している。

「ハルト……」

心配そうにハルトを見つめるルミナス。

「俺の力は危険だ。きっと、ルミナスを傷つけてしまう」
「それでもいい! ハルトが傍にいてくれるだけで」
「大丈夫。ルミナスを危険な目に遭わせない様に頑張るよ」

ハルトは笑顔で答えた。

「ハルト、無理しないで。私はハルトと一緒にいたいの。ハルトの力になりたい。ハルトは私のこと嫌い?」

ルミナスは涙目になりながら訴える。
その言葉にハルトの心は揺れる。
だが、理性が働く。

(俺はこの女を愛してはいけない)

ハルトはルミナスの兄、ジークフリートに復讐をするのだ。
妹であるルミナスを愛してしまうと、非情になれない。

「……ところで、ルミナスちゃん。さっき話したいことがあるって言ってなかった?」

バルクが問い掛ける。

「……はい。私が在籍していたドラゴンテイルズについてです」
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